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SURGING  作者: depth charge
4/6

SENSE4

これまでのあらすじ

2010年代後半、尖閣沖に接近してきた不審船の「艦隊」に対処すべくして発令された防衛出動に基づき第五護衛隊が当海域へ出撃した。しかし、不審船との距離約150マイルで敵潜の対艦ミサイル攻撃を受けた護衛艦ながとはミサイルに対処した後、ADVLAによる対潜戦闘を開始、さらに「ひりゅう」による雷撃の支援を受ける。その結果、「かが」から発艦したSK-70Jが敵潜水艦を撃沈した。

SENSE4

《護衛艦ながと艦橋》

甲日「砲雷長より報告。本艦のSSM、90式艦対艦誘導弾が着弾しました。対水上レーダー探知数は依然として変わりません。また、本艦のADVLAは自爆させました。不審船が尖閣諸島に接近し過ぎているので早期に当海域から引き離す必要があります。」

甲日「艦長、62マイル程まで接近して主砲による砲撃を具申します。」

生田「焦る必要は無かろう。旗艦からの指示を待ち、本艦は指令を受けるまで警戒に当たる。」

生田「各部、対空・対潜警戒を厳と成せ。」

甲日「了解しました。各部、対空・対潜警戒を厳と成せ。」

この数分後、旗艦「かが」に搭載しているF35Bがより詳細な状況を確認する為に2個小隊、つまり4機で発艦した。

搭乗員の人命優先の為、接近し過ぎない様、との指令があったが既に大型漁船を装った情報収集艦「天王星」が向かって来る飛翔体群をごく僅かながらに探知していた。

その為、不審船の「艦隊」のうち、防空担当の艦船は直ちに短SAMを発射可能状態に準備し、さらにはEA攻撃を実施した。

EA攻撃を受けた護衛隊は対抗して電子戦を開始、つまりECMやECCMの稼動を開始させたのだ。

各護衛艦にとってこの行動を必要とされる事は意外であったが、ある意味では想定内の対応だった。

高ステルス性の機体、つまりF35Bは探知されたのだ。

ステルス技術はレーダーに映りにくくする為の物であって、全く探知され無いと言う様には成り難い。

一般にステルス性能が高ければ高いほどレーダーに映りにくいが、レーダー自体の性能がより高ければより元のサイズに近く映り易い傾向にある。

マッハの速度で迫り来る物体を探知し、対策を講じる為に使う事が出来る時間は数分と無い。つまり、レーダーの性能はそれを装備している艦の生存率をかなりの割合で支配していると言える。

それ故、優秀とは言い難いレーダーに全ての情報を完全に頼る不審船の艦船は厳しい判断を要求される事になる。

この様な場合に於いて、指揮官の経験と勘は大いに主力な判断材料と成るのだ。

現代戦は秒単位で状況が変わる。戸惑っていて自艦の生存が保証される訳が無い。

それを理解していた不審船の「艦隊」の指揮官はレーダーに映る「点」のある方向へジャミングをした、との見方が各艦で共通の認識として成された。もちろん、その「点」は敵機と判断されたはずだが。

また、敵機と判断した場合、対艦攻撃か偵察、更には制空権の確保のいずれか、若しくはその両方が目的だと予想される。

いずれにせよ不審船にとっては攻撃対象と成る為、短SAMが発射用意の状態に成った。

しかしながら、その様な事を知る術も無い偵察に向かっている小隊は更なる接近を続けていた。

《護衛艦かがアイランド(艦橋)》

「かが」艦長 東雲「偵察に向かっている機の位置は。」

「かが」副長 有明「不審船との距離約30kmです。」

東雲「小隊の戦闘機にはドロップタンクか赤外線カメラのポットを装備していたか。」

有明「はい、F35Bは燃料タンクの容積が比較的小さい為、偵察行動の延長に備えて増槽を装備させました。赤外線カメラの方に関しては固定装備の赤外線画像センサーで十分なはずですし、装備に時間が掛かるので装備していません。ステルス性が最重要ですから。」

東雲「そうか、くれぐれも損失や犠牲だけは絶対にない様に警戒せよ。」

有明「了解致しました。」

東雲(ステルス性…もちろん、ドロップタンクは機内に有る訳では無い。と言う事は機体からはみ出た増槽がステルス性を損ね、敵レーダーに探知される可能性も十分にある。いくら不審船の「艦隊」に大型の軍船やそれに装備されている高性能レーダーが無いとは言えども小隊の絶対的な安全性は確証され無いだろう…。)

東雲にはそんな不安が浮かんだがそれを言えばかえって良くない方向に向かいそうだと思い、周囲の様子を悪化させない為にも言葉を呑んだ。

SENSE4 fin.


[艦船解説]

護衛艦かが

ヘリコプター・戦闘機発着艦可能護衛艦と成っているが、元々はヘリコプター搭載型護衛艦のいずも型2番艦。悪化するアジア情勢を考慮した為に改装、より安全に垂直着陸機が運用し易くなった。艦隊で運用されれDDGやDDに防空や対水上攻撃を任せている為、最低限の近接武器のみ装備している。具体的にはCIWSとSeaRAM。搭載機はF35BやSK-70Jなど。中国をはじめとした周辺国は事実上の軽空母として見なしている。

作者あとがき

読者の皆様方、小説「SURGING」SENSE4を読んで頂きありがとうございます。

さて、今回の内容についてですが、僕自身は空軍(航空自衛隊)より海軍(海上自衛隊)の方が好きで知識に割と偏りがあるので、細かな航空機の描写があまり多くありませんでしたが、今後は漸次的にその様な描写を増加させるつもりです。また、護衛隊や艦隊の動き、その戦闘の様子などについても、分かりやすくする事を目的としてある程度の頻度であらすじを文頭に盛り込んでいく予定です。

乱文の為、たまに修正がありますが、今後とも「SURGING」をお読み頂けると幸いです。


もし宜しければ、今後の参考の為に感想やレビュー、評価などを頂けると助かります。

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