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SURGING  作者: depth charge
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SENSE1

SENSE1

潮井「右舷微速、左舷停止、面舵一杯。接舷用意!」

DDG-197と艦首に示された巨艦が的確な操艦の下で動く。

生田「艦長、全ての作業が終了しました。」

潮井「艦に最低限の要員のみ残し、総員離艦せよ。」

生田「了解。」

護衛艦ながとは試験航海を無事に終了し、母港の横須賀に帰港した。

2010年代後半では日本を取り巻く安全保障上の環境は周辺アジア諸国の経済発展に伴う軍事バランスの崩壊により日に日に悪化の一途を辿っていた。そんな中、ねじれ国会を解消し衆参双方で議席を獲得した政権は日米軍事ガイドラインを変更し日米軍事同盟を強化した上で事実上、地域的な自衛隊の交戦権を認めた周辺アジア事態保障法を制定。また、防衛費は名目GDP比1%を超えても良いとする見解を示したのだった。更に防衛省は各護衛隊群にBMD能力を付与したミサイル護衛艦3隻、ヘリコプター・戦闘機発着艦可能護衛艦を2隻、通常動力型潜水艦を1隻、汎用護衛艦(ヘリ不搭載)を2隻設置するとした【新8艦8機体制】の旨を発表した。これに野党を始めとし、学生による組織であり平和を唱え自衛隊の装備縮小を求めるAAAが反対運動を過激化させていた。

最低限の要員のみ残し、自衛官が次々と横須賀の土を踏む。

五井「いや、久々に陸に上がれるってのも良いですけど揃いも揃って法制反対派のお出ましとはね。」

確かに、AAAと見られる者がフェンス越しに集まっている。ちょうど国会で可決された例の法案が施行されるのは間も無くであった為では、と生田は思いながら同感である事を身振りで示した。

そんな事もあったが、自宅に着いてからはすぐに泊地へ戻る必要もなく暫く休暇を過ごす日々が流れた。

そんな中、一つの出来事が起きた。

中国漁船を名乗る不審船が「艦隊」となって尖閣諸島へ接近したのだ。直ちに与那国島や石垣島から陸上自衛隊の特殊部隊が先に尖閣諸島へ上陸、同時に海上自衛隊の観測機・哨戒機が付近を警戒したが、観測機の報告によると不審船は人民解放軍の所属かつ武装した小型艦艇で有るらしきことが高いと判断され状況はますます厳しくなっていた。更に、中国政府は尖閣諸島を固有の領土であると位置付けた上で陸上自衛隊による同島の上陸は国際法上、顕著な違反行為であると声明を出した。

「艦隊」の接近から48時間が過ぎた頃、遂にその接近は止まることなく台湾沖までとなっていた。だが、「艦隊」は突如速力ゼロになり停泊を始めた。

SENSE1 fin.

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