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ハウスクール  作者: 平常心
プロローグ
1/3

「ねぇ」

「…はい」

「稔さ、何言ってるかわかる?」

「……はい」


自宅のリビングで正座状態の僕の目の前には、腕を組み仁王立ちしている女の人。

非常に背が高く、身長は179cmだとか。

黒髪ロングで、モデルのような体型で、その美しき顔を怒りに歪めている女の人。実は、身長152cmの僕の姉なのだ。

名前は深津ふかつ 美由みゆう。ここらではトップで、全国的にも有名な大学に通っている。

そんな美由に正座させられているぼくは深津 みのる。先ほど言った通り、身長152cmのチビで、地域レベルで見てもまー普通のレベルの高校に通っている2年生。突出して出来ることもなく、逆に突出して出来ないこともない、ザ・平凡とも言うべき存在である。

そんな僕が美由に怒られている理由。

それは、僕が高校を辞めると言い出したからだ。


「高校辞めるって…高校辞めてどうすんの?何か夢でもあんの?」

「いやぁ、そう言うわけじゃ…」

「家そんなにお金に困ってもないじゃん?」

「うん」

「じゃあなんで?いじめ?」

「いやぁ、そう言うわけじゃ…」

「じゃあなんでなの?言ってみ?」

「正直…」

「うん?」

「高校面倒くさいんだよね」

「は?」


僕が理由を言った瞬間、美由の顔が固まった。


「稔、あんた何言ってんの?」

「いやだからさ、勉強なら姉ちゃんに教えてもらえば家で出来るじゃん?だったらわざわざ高校行く意味あんのかなーって。学校遠いし」

「友達できないよ?」

「もともと僕は必要としてないから問題ないんだよね」

「いやいや、先生のほうが教えるのうまいよ?」

「姉ちゃん先生になるんでしょ?」

「い、いやまぁそうだけど…」

「じゃあ問題ないじゃんか」

「……千円」

「へ?」

「月千円払うなら、教えてあげてもいい」

「よし、商談成立。じゃあよろしくね、姉ちゃん」 「ん、りょーかい」


そして僕と美由は握手を交わし、とりあえず寝た。

明日から本格始動する。僕はこれから始まる家での勉強生活を、個人的に「家で高校生活。ハウスクール」と思うことにした。

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