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パーティ開始

「のう宰相。余もパーティに行っても良いか?」


 執務机から顔を上げて、最近若々しく見える国王が訊く。貴族の問題が解決してから、ウキウキしてアホな発言が多くなったと家臣達が頭を悩ませている。


「また無茶を言いまする。私の立場で許可を出す訳が無いでございましょう」


 こちらも執務机から顔を上げて答えるが、輝くような国王の表情とは正反対の表情だ。


「この忙しい時にご冗談はお控えください。国の変革の時でございます」


 まるで取り合わないイケズな宰相に、国王は言い訳を考える。


「だって義息子(むすこ)に誘われたんじゃ! 余も遊びたい!」


 考えた挙げ句、言い訳になってない。塾で遊べない子供のような発言だ。


「トール殿も社交辞令で誘ったのでしょう。姫様達を誘ったついでに」

「嫌なことを言う奴じゃ! 余は家臣に虐げられておる」


 愚痴り出した国王を横目に、次々と仕事を片付けていく。


「はあ~、そろそろ王位を息子に押し付けて隠居したい……」


 ブツブツ言いながらも政務に取り掛かる国王を見て安心したように微笑み、次の報告書に手を伸ばした。





「皆は好きな服を着てくれ。何着か用意した!」


 一抱えある服の入ったケースを20個並べて、ユリア達と使用人達に勧める。今日の為に特注した服だ。


「ご主人様…………ユリアはずっとご主人様と一緒です!」


 何故か涙を浮かべて抱き付いてくる。


「きっと身体の調子が悪いんですね? パンツ大好きなご主人様が服を着ろだなんて!」


 失敬だな! パンツ以外も可愛い服なら大好きだぞ!


「旦那様。治療士様をお呼びいたします」

「アタシがひとっ走り行ってくるよ」

「旦那様の男性としての危機かもしれないわ」


 パティ、アリッサ、フィーネの順に深刻な顔で失礼なことを言う。俺の男は不滅だ!


「心配するな! その服は俺の故郷の魅惑の衣装だ! この日の為に金剛貨1枚掛けて作って貰った!」


 国1番の職人に、日本円にして1億の大金を投資して完成した夜のお供だ! 学校の友達に見せて貰ったエロマンガの中の魅惑のコスプレ衣装が異世界に降臨した!


「さあ! リーゼ達が来る前に着て見せてくれ! 魅惑のエロ衣装を!」


 ケースを開けて皆に勧める。リーゼに怒られる前に着せて、勢いで乗り切ろう。


「よかった~、お兄ちゃんが無事で。いつものエッチなお兄ちゃんだよ~」


 そう言ってチアガールの服を選んだ。動くとスカートがヒラヒラして最高だ! サイズは魔法の生地を使ったので大丈夫だ。


「これは……ご主人様が好きなパンツみたいな服です! ユリアはこれにします!」


 最近見なくなったと寂しがる大人が多い、伝説の体操服ブルマを選ぶとは。男のロマンをユリアは解ってるな!

 パンツの上から着ることを教えて、はみパンを楽しんだ後、ブルマの食い込みを直す仕草を教えた。


「ん! これがエロい! ごしゅじんが好きそう。びよ~んとする」


 アルテミスはスクール水着を選ぶと引っ張って遊んでいる。プリプリした小さなお尻に似合いそうだ。

 着方が判らないらしいので着せてやると、腰に両手を当ててボーっとした半眼で見上げてくる。


「可愛いぞ。小さな胸とお尻でもエロくなる一部に人気のエロ水着だ」


 使用人の皆もそれぞれコスプレをする。

 アリッサはスチュワーデス、ベアトリクスはナース、ブレンダはテニスウェア、クララはバニースーツ、エレノアはレオタード、フレイはセーラー服、リネットは弓道服、メイは有名なファミレスの制服、ラナは浴衣、パティは巫女服、フィーネは女教師、プリシラはくの一。

 見習い達は、セリーナがウェディングドレス、ステラはブレザー、ティアは女性警察官、トリシア、ソフィー、ロザリーはリリカルな魔法少女の主役級の3人、フィル、ノエル、モニカのケモノっ娘3人は肉球セット、メグ、リン、レティのドワーフ娘はランドセルだ。


 そんなことをしていると、チャイム(触ると音が鳴る魔道具)が響いた。


「皆は料理を運んでくれ。出迎えは俺がする」


 玄関まで急いで向かう。扉を開けたらピンクのドレスを着たリーゼと薄い青色のドレスを着た妹姫シルヴィアの笑顔が見えた。

 後ろにはビリー、ケビン、マリンも小綺麗な服で会釈している。馬車で来たらしく、御者が頭を下げた。


「待ってたぞ。…………2人共綺麗だ」


 リーゼとシルヴィを抱き締めて、お互いの頬にキスを交わす。


「トールも素敵じゃない。故郷の服?」


 俺の服はエンジェル達の司令官の軍服のコスプレだ。


「トール様、お城にも遊びに来てください。さびしいです」


 子供っぽく頬を膨らませてシルヴィが拗ねた。


「悪いな。やることが多くて。寂しい思いをさせてスマン」


 オデコにキスをして頭を撫でると、もっとして欲しがったので撫でながらビリー達に応対する。


「やあ、トール君。お招きに与りまして」

「誘ってくれてありがとな! 家デカイな!」

「トール君、元気だった? 忙しいからってちゃんと寝ないとダメよ?」


 まとまりのない家族だな。

 挨拶も終わったのでパーティ部屋に案内する。広いので30人以上入っても余裕があるな。

 整列した使用人達がお辞儀をして挨拶する。


「…………トール、このエッチな服はなあに?」


 リーゼ、ちょっと怖いぞ。


「俺の故郷の盛装だよ。きらびやかだろ?」

「そうなの? 変わった正装ね……」

姉様(ねえさま)(わたくし)も着てみたいです! ユリア様が着ているお召し物」


 おおっ! ブルマとスク水は人数分用意しているから大丈夫だぞ!


「ダメに決まってるでしょ! シルヴィ!」


 やはりアレは無理か……くそ~。


「こんな服が当たり前の場所で育ったからトールは変態なんだな!」


 男のくせにコスプレの良さが解らんとは……ケビンは不能か?


「俺は至って普通のエロさだが、早速パーティを始めよう」

「……ああ! お前の故郷だと普通なんだな! すげえ国だな?」


 ホントに失礼な奴だな!


「ご主人様、むくれてないで食べましょう?」


 ユリアのお尻は癒されるな~。


「これはトールの故郷の料理なの?」

「食用油で揚げた唐揚げと言う庶民に人気の料理です」

「高級品の食用油を使うなんて、トールの故郷はお金持ちが多いのね! 服は変だけど素晴らしい国ね!」


 リーゼは使用人に料理の説明を受けている。微妙に勘違いをしているが説明が面倒なのでスルーだ。


「みんな可愛い服だわ! 抱っこさせてくれるかしら?」


 マリンは女の子も欲しかったのよね~と言いながら、チビッ子達を抱っこして嬉しそうだ。チビッ子達も母親を思い出したのか、豊かな胸に顔を埋めて幸せそうなので招待して良かった。


「この人生は悲惨だな。始めから借金を背負ってるのかよ! しかも1マス進んだだけで殴られて怪我したぞ!?」

「えっ、お金が無いのは当たり前ですよ? 1回休みですねケビン様」

「だんな様に拾われるまでお金なんて持ったことないよ?」

「満腹数値を0にしないうちに旦那様に拾われるとゴールなんですよ?」

「……なんかスマン! 超スマン! 食事しながらゲームして」


 ケビンはたこ焼きを食べながら人生七転八倒ゲームをしている。格差にショックを受けて謝っている。


「このケーキはすごく美味しいです! チーズケーキって美味しいです! お城の料理長にレシピを教えて差し上げてください」

「畏まりました。旦那様の許可は戴いているので、あとでご用意致します」


 シルヴィは使用人達とデザートを食べている。食事してから食べれば良いのに。

 あれだけ喜ばれると、いろんな所でバイトしたかいがあるな。レシピを覚えられて徳だ。


「このワインは美味しいね。銘柄はなんて言うのかな?」

「申し訳ありません。旦那様はお酒が嫌いなので高級品を取り寄せただけなので、私達も存じておりません」


 ビリーは大人組と酒を呑んでいる。一応用意しておいたが正解だったらしい。

 タコわさや唐揚げ、天ぷらや鳥の手羽先などをつまみにして静かに呑んでいる。


「お兄ちゃん。酔っちゃった~。ちゅーして!」


 カリンがキスをせがんで来るが、カリンも酒はアルコール臭いから嫌いなので酔ってないのは明白だ。でもキスはする。


「カリンはキスが好きだな。俺は女の子のお尻が好きだが」

「お兄ちゃ~ん! ムードがないよ!」


 13才でも女の子だな。


「大好きだよ、カリン」


 頬に手を当てて目を見詰める。カリンが目を閉じると可愛らしい唇に口付けをした。


「……ジュース、いつもと違う!? 甘くてウマウマ!」


 アルテミスはいつもの果汁100%ジュースより30%ジュースの方が好きらしい。

 果物だけで作ると当たり外れがあるからな。これも販売できそうだな。


「飲みすぎた。ごしゅじん、オシッコ!」

「はいはい。いま連れて行く」


 魔道具を組み合わせて、現代ふうのトイレに近付けたら使い方が分からないらしい。

 庶民は壺だし仕方がないが。他の娘は慣れたから、その内自分でできるだろう。

 何にしても、便利過ぎると逆に不便になることと、女の子水着を脱がすのはエロいことが分かった。



「ご主人様、みんな一緒で嬉しいです! エルフは数が少ないからいろんな人がいて楽しいですね!」


 ソファーに座って(くつろ)いでいるとユリアが膝に乗ってきた。ブルマの感触は気持ちいいな!


「魔王が復活しそうだけど、みんながいれば大丈夫ですよね!」

「そうだな。俺のエロライフを壊すアホ共は絶対倒す」

「えっと……世界は? あははっ、ご主人様なりの冗談ですね」


 1番大事なのは世界じゃなくて俺の女の子達とのエロライフなのだよ。世界はついでに救われるんだ。


「俺は世界なんて大きな物の為に戦うんじゃない。俺の大事な者の為に戦うだけだ。ユリア達とこれからも一緒に生きる為に敗けられない」


 ユリアをギュっとして髪に顔を埋める。


「ご主人様……はい。ユリアは1000年生きて、ご主人様との子供たちに冒険のお話をしますね」


 振り向いたユリアが首に両腕を回してキスをした。


「んっ…………ご主人様、こんな時でもお尻を撫でるんですね……」


 当然だ! 俺は空気を敢えて読まん!


「ちょっと! 未来の妻をほったらかして!」

「トール様は(わたくし)がお嫌いですか?」

「お兄ちゃん! 今夜はアタシの魅了スキルでメロメロにするよ!」

「ん! ごしゅじんの浮気にはアルは寛大。許す!」


 奴隷に許される俺ってなんだ?


「ご主人様の子孫のお世話もしますね!」


 ありがたいけど俺は不死身になりたい。


 女の子は集団になるとアレだな!

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