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魔法使いが仲間になった

「おおっ、あの娘可愛いな! よし買おう! 中金貨1枚!」


 可愛い女の子は俺の宝だ! スキル持ちも皆買おう。


「お前なあ、何人買う気だ? 料理スキルとか持ってるのか、あの娘?」


 ケビンの呆れた声が聞こえるが、俺は自分の意思を曲げたりしないのだ。


「何人買うかだって? 決まっている! 欲しいなら全て買うのだ! 女の子達が可哀想な目に遇ってもいいのか? だから俺の所できちんとした暮らしをさせるんだ!」


 これも譲れない俺の信念だ!


「ご主人様、子供達も買って上げて下さい! 可哀想です!」


 ユリアが俺の袖を引き、お願いしてきた。小さいから常に上目遣いで可愛い。


「始めからそのつもりだ。心配するな」


 孤児院でも買い取って運営するかな? 貴族からの上納金が有るから余裕で養える。

 成長した子供は店で雇えば問題ない。孤児院で働きたがる子も居るだろう。

 運営していく上で人手不足は困るからな。何かしら技能を身に付ければ、孤児院を出ても暮らしていける。

 菓子パンの配達とかなら子供でも出来るかもしれないな。


「あっ、その子供達も買おう! 大金貨1枚!」


 まとめて売られていた、容姿が余り優れない子供達に相場の3倍の値段を付ける。

 相手にならないと思っているのか、俺が入札すると下りる奴が多いな。


「お兄ちゃん、お金持ちだね! 子供達もちゃんとご飯が食べられるようになるから良かった~」


 カリンは嬉しいと抱き付いてくるので、つい甘やかしてしまうなぁ。…………可愛いからいいか!


 それからも次々と奴隷を買っていく。そして……

 最大のお目当てがやって来たぁぁぁぁぁ!


「今日の目玉商品です! レベル30の魔法使い! 12才と幼いながらも、エクストラスキル、魔法の申し子のお陰で魔法スキルが高いです! このエクストラスキルは魔法スキルの成長速度が20倍になります! 既に幾つもの魔法を覚えているので即戦力になります! 更に処女! 大金貨1枚からです!」


 当然だが欲しがる奴が多い。金持ちは見栄や護衛にもなるし、冒険者はチームの強化になる。

 見た目も可愛い女の子なので、実力共に将来性も抜群だ。


「金剛貨1枚!」


 大金貨5枚辺りで俺が入札する。

 どよめきが起きて、勝負から下りる奴も出た。

 ふんっ、絶対に美少女は渡さん!


「くうぅぅぅ! また貴様か! 金剛貨1枚と小金貨1枚だ!」


 金持ちのバカ息子みたいな奴がかなり頭にきてるらしい。周りを固めるゴツい護衛の男達も俺を睨んでいる。

 たぶん八つ当たりされるんだろう。仕える主を選び間違えた奴等の自業自得だ。


「金剛貨1枚と大金貨1枚!」


 俺は全財産使っても手に入れるつもりだ。パーティメンバーに是非とも欲しい。美少女だし美少女だから!!


「何で貴様がそんなに金を持ってるんだ! あれは僕の物だ! お前ぇ、下りろよ!」


 やっぱバカだったか。マッシュルームカットだもんな。見た目からしてバカっぽいぞ!


「他にありませんか? なければ131番の方が落札ですが!」


 バカ息子は俺を睨んでから口を開いた。


「金剛貨1、大金貨1、小金貨1だ!」


 最低額を小刻みに…………面倒な奴だな~。


「金剛貨1枚と大金貨5枚!」

「なんだってぇ! 僕の物だぞ! お前なんかパパに言いつけてやるからな!」


 伝家の宝刀が出たな! 余りのバカっぷりに全バカ息子が泣いた!


「他にありませんか? ………………無いようなので131番の方が落札しました!」


 当然ながら、誰もバカ息子の言い分は聞かないで進めた。

 会場から歓声が上がって、バカ息子は歯を剥き出しにして猿みたいだ。


「後衛のお前達はあの娘と連携をしっかり練習してくれよ?」

「新しい仲間です! 魔法を教えて貰います!」

「アタシより年下だ~! お姉ちゃんって呼んでくれるかなぁ?」

「パーヴェルを見た後じゃなあ……仲間があと100人くらい欲しいぞ」


 さすがに100人は無理だな。遺跡みたいな場所だと、大人数では戦い辛い。戦闘メンバーはこの娘で限界だろう。後は俺達が強くなるしか無い!


 引き換えの札を持って武器と奴隷達を受け取りに向かう。

 全部で金剛貨6枚くらいの値段を請求された。


 戦闘メンバーとして加わる娘のステータスは魔力がエルフ並に高いのは、魔法の申し子のお陰か?


 レベル30 アルテミス


 HP201/201  MP533/533


 エクストラスキル

 魔法の申し子


 魔法系スキル

 魔力操作 MP消費軽減 火炎魔法(4)

 水魔法(3) 風魔法(3) 雷魔法(極)

 強化魔法(5)


 エクストラスキルはステータスチェックで見えないので、マジックアイテム、アイシエスの石板という物で見せて貰った。

 ギルドなどの重要な施設なんかに置いてあるらしい。


 強化魔法は、味方のステータスを一時的に上げる魔法だ。


 アルテミスの容姿は身長145㎝有るか無いか。

 銀の髪を頭の形に沿って顎の辺りまで無造作に伸ばした、所謂(いわゆる)ショートウルフと呼ばれる髪型だ。

 青い瞳がボーっとしたように、半眼でこちらを真っ直ぐ見詰めている。


 確認が終わると金を払って、奴隷契約をする。

 契約内容は屋敷の奴隷達と一緒にした。

 アルテミスだけは戦闘メンバーなので、別の契約だけど。

 不安そうな奴隷達に仕事内容と待遇、給金などの説明をすると、厚待遇に驚いていた。


 奴隷達に服と靴を買い、元悪徳商人の店の宿舎に向かう途中で、護衛を50人くらい連れて来たバカ息子に絡まれた。


 アホの要求は、アルテミスを渡すこと、歯向かった罰としてユリアとカリンを渡すことを要求してきた。

 バカらしいので、アルテミスの雷魔法で全員痺れさせてから、迷惑料として護衛に至るまで有り金を巻き上げて、顔見知りの兵士に引き渡した。


 牢屋行きになって強制労働させられるらしい。

 バカ息子の父親も、俺が夜中にでも財産と店の権利を奪いに行こう。

 丁度奴隷が増えたし、その店の管理を任せよう。

 バカ息子のバカ親は、権利を奪った後は路頭に迷わせるか。

 顔を隠して奪い、権利は黒ずくめから買ったと証言しよう。

 悪徳貴族と繋がりがなかったから見逃してたぜ。反省しないとな。


 奴隷達を、住み込みで働く従業員の宿舎に連れて行き、店長に話を通した。

 屋敷の厨房の増設が終わったら奴隷達の仕事場が変わる事も伝えた。



 ケビンに他のメンバーの武器を渡して屋敷に帰る。

 早速厨房の増設が始まっていた。

 奴隷を買った旨をパティに伝えて、それぞれの部屋で休憩する事にした。

 アルテミスの紹介は夕飯の時にする。


「……ごしゅじん、なんて呼ぶ?」


 ベッドに寝転がった俺の横で、透き通った水晶のような、感情の籠らないボーっとした目で訊いてきた。


「なんて呼ぶって……俺の呼び方か?」

「……うん……敬語使う?」


 ベッドの上で正座のまま、じっと俺を見詰めて首を傾げてポツポツと喋る。

 小さいが良く通る声だ。


「別に話易い話し方でいいぞ。呼び方も呼び易い呼び方で」

「…………わかった。普段はごしゅじん、たたかう時は、ますたー」


 ぼんやりした顔で宣言した。


 いろいろ話を聞いたら、お風呂に入った事が無いらしいので、一緒に入る。

 脱衣所で買ったばかりの服とパンツを脱ぐ。羞じらいはまったくなかった。

 脱いだ服は床に置いているので、洗濯カゴに入れることを教える。


 風呂場に入るとキョロキョロして、いきなり湯船に入ろうとする。

 浴槽の(ふち)に両手を付いて跨ごうとしたところで止める。

 身体を洗ってやったら、ボーっとした目を見開き、ほえ~っとした表情になった。

 温かいお湯が気持ち良かったらしい。


「ごしゅじん、ごしゅじん……オフロ……いい!」


 半眼のままだが、はしゃいでいるので良かった。

 身体は小さいが、服屋で測ったところ、スリーサイズは上から72、51、74だったので、くびれが有り、充分女の子だ。

 両手をわたわたと動かして風呂の魅力を、「あったかい、いい! さむくない、幸せ」と繰り返している。


 変わった娘だけど、全属性持ちの俺には関係ないので可愛くて好みだ。

 身体の隅々まで綺麗にしたら湯船に浸かる。

 俺の膝の上でほえ~っと堪能しているアルテミスに子供の頃の話を訊いたら、才能があったから魔法の修行と戦いに駆り出されていたそうだ。

 親が死んでからは、軍隊などに従軍して戦争に参加して、敗けて捕虜になり、奴隷として売られたらしい。


 戦争ってことは、このレクス王国の在る大陸の最北に在る、ロワ王国とカローリ王国の戦争かな?

 ロワ王国は侵略戦争を仕掛けているらしい。理由は知らんし興味もないけど。


「それなら戦いは嫌か? 嫌なら留守番でもいいぞ?」


 戦争ではないけど、戦いには違いない。


「…………ごしゅじんを守るためのたたかいは……いやじゃない……戦争はキライ」


 この世界の人間なら、必要が有れば戦わなければならないことを良く解っているらしい。

 本人が納得してるなら、俺がとやかく言うことじゃないな。


 風呂から上がるとパティが着替えを持ってきた。俺がアルテミスの髪や身体を拭いて、パティが俺を拭く。

 髪を洗ったからかサラサラになって、触り心地が凄くいい。

 パンツを穿かせて服を着せる。可愛いお尻だ。ミニスカートを押し上げる膨らみが最高のラインを描く。


「……旦那様、全裸で女の子の着替えを見ないで下さいね?」


 控え目なパティの進言を受け入れて服を着た。


「ごしゅじんのまっぱ…………アルの身体とちがっておもしろなのに」


 自分の身体と見比べて残念そうにしているアルテミスをパティがはしたないと叱ると、ショボンとしてパティが慌てた。


 夕飯はアルテミスの歓迎会も兼ねて、パーっと下着鍋パーティにした。

 最高級の材料と最高レベルの美少女達のパンツは、最高以外に有り得ないのである。


「アイスクリーム、うま!!」


 やはり女の子なので甘い物には目が無いらしい。

 アイスクリームの器を持って走り回ると、他の子供達も遊びと勘違いして走り回った。

 子供の居る普通の家庭ってこんな感じかな?



「お兄ちゃん! 普通の家庭はパンツいっちょでパーティしないよ!」


 また声に出ていたらしい。

12月や1月は忙しいので、ストックが追い付きません。更新に4日ください。

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