表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/49

冒険者ギルドで報告する

 帰り道は非常に楽だった。魔物のレベルを奪うだけで同行者が倒してくれる。

 俺達は手を繋ぎ、ハイキング気分で景色を眺めながら呑気に歩く。


「ユリア、あの花なんか部屋に飾るのはどうだ?」


 そよ風に揺れている赤い花を指差し、ユリアと部屋のインテリアに付いて話し合う。


「綺麗なお花です!お花屋さんで売ってました」


 エルフは自然が好きなのか、ユリアが好きなだけか?


「イチャイチャしてるとこ悪いけど、戦闘中くらいは警戒しとけよ!!」


 ケビンの奴は落ち着きが無いな。


「ケビン!お前こそ気を付けなさい!戦闘中に余所見をしてはならない」


 ビリーに比べるとまだ未熟だな。


「悪い、父さんの言う通りだ」


 なかなか素直な性格だ。



 戦闘は全て人任せにして、存分にユリアとイチャイチャして気分良く街に帰って来た。


「少し遅くなってしまったけど、トール君とユリアちゃんは大丈夫かしら?」


 マリンとは話すのが苦手なので、ユリアに任せる。


「えっと……、ハイ!大丈夫です!」


 ユリアが俺の顔を伺い、代わりに答えた。


「あの……、私が何かしてしまったかしら?」

「あっ、いえ、ご主人様はお母様と同じ年頃の女性が苦手なのです。ごめんなさい、マリンさん」


 俺の態度を気にするマリンに、ユリアが説明してくれた。


「そうだったの、知らなかったとはいえ、ごめんなさいね」

「別にあんたが謝る事じゃない。……身体がどうしても身構えてしまうんでな。悪いが気にしないで欲しい」


 そう言うと安心したらしく、微笑んで少し離れてくれた。


 多少の問題は有ったが、俺達5人は無事に冒険者ギルドへと辿り着いた。

 仕事帰りの冒険者が多いのか、10人居る受け付けは全て忙しく応対している。


 俺達は受け付けを通してギルドマスターの部屋に案内された。理由はゴブリンキングが厄介な魔物だからだろう。

 気付かずに放置されたり、冒険者が返り討ちに遇って、クイーンが出産してしまった場合はエラい事になる。

 奴等の繁殖力だと半年間放置されただけで、クイーンが100匹近いハイゴブリンを産み、そいつ等がキングやクイーンに成長するかもしれない。


 レベル1のゴブリンジェネラルでさえ、駆け出し冒険者が10人掛かりでも負ける。

 更にキングとクイーン以外のゴブリンもどんどん増える。

 放置すればする程、脅威的な集団になるのだ。

 キングが2~3匹居るゴブリン集団だと、1000人の騎士団が全滅覚悟で戦うことになる。


 冒険者ギルドとしても国としても見過ごせない問題だ。

 それを未然に防いだ人間が居たら、会う必要性を感じるのは集団のリーダーなら当たり前だ。


 通された応接室で茶を飲んで待っていたら、ノックの音がしてギルドマスターが秘書らしき人を伴って入って来た。

 壮年のオッサンだ。元冒険者なのかレベルが55と高く、鍛え上げた肉体は衰えを感じさせない。

 俺とユリア以外の3人が椅子から立ち上がり一礼する。

 ユリアも慌てて立ち上がって、わたわたと自己紹介をする。


「あっ、初めまして、ユリアはユリアーナと言います。えとえとご主人様はトール様って言います!」


 それを見たギルドマスターは、面白そうにニヤリと笑って俺を見た。


「エルフを従者にするなんてな、どんな活躍をしたんだ?」

「気に入らない奴を殺して助けただけだ」

「よっぽどの拷問好きの嫌な奴だったんだな?国王陛下もお喜びだろう。良くやってくれた!」


 どうやら気付いていて、問題ない事を伝えたのだろう。

 これでユリアに関する懸念が1つ減った。


「でだ、ゴブリンキングを倒したってのは本当か?」

「それに付いては私から報告させて頂きましょう」


 ビリーが穏やかに話し始めた。


「私達は、最近増えたと報告が上がっていたゴブリンの調査に向かいました。しかし報告とは違いゴブリンに遭遇しません。妙だと思い、更に森の奥に入って行くと、洞窟の前に200を超える大量のゴブリンの死骸が有りました」


 そこで一端句切り、お茶を飲んで喉を潤す。


「警戒しつつ洞窟の中に入って行くと、妊娠中のゴブリンの死骸が部屋のアチラコチラに。そこで身の毛もよだつ、断末魔の叫びが聴こえてきたのです」


 探検隊の様な語り口調に秘書らしき人が喉を鳴らす。


「とても人間に出せる声では無く、地獄の底から聴こえてくる様な巨大な生物の声でした」


 でかい声だったで良いじゃん。


「声が響いてきた場所に向かってみると、部屋の奥から鋭い殺気を感じました。薄暗い中、()せ返る様な血の匂いが充満しています。そこに可愛らしいエルフのお嬢さんを庇うように立つ、全身黒ずくめの、眼光だけが際立つ少年が居ました」


 普通に俺達が居たって言えよ。


「その少年がトール君です。他に人も居りませんし、返り血も浴びていたので彼等が倒したものと判断した次第です」


 そう言えば本当に倒したのか?と言う質問だったな。


「判った。死骸の確認をして討伐報酬を払おう。ビリー達の仕事も完了させる」



 その後、ギルドに併設された倉庫に連れて行かれ、死骸を全て並べた。

 結果的にゴブリンキングが金剛貨5枚、クイーンが金剛貨10枚、ゴブリン248匹で大銀貨2枚と小銀貨4枚に大銅貨8枚だった。


 ゴブリンキングが高いのは、ぶっちゃけ暴れた時の被害は、金剛貨5枚じゃ済まないからだ。

 ゴブリンクイーンの方が高いのは、厄介なキングやクイーン、ジェネラルやナイトに成長するハイゴブリンを産み出す事が理由だ。

 1組残すだけで、ねずみ算式に増えて手に負えなくなる。

 何百年か前に、金を使いたく無いと渋った王が居たらしく、その時は国が滅び掛けたそうだ。

 何千という冒険者と30万人の数ヵ国連合軍が動員されて、漸く退治されたらしい。


 レベルも上がるし金まで入るなんて今日は良い日だったな。神様感謝~。

 ビリー達と連絡先を交換して家に帰った。



 陽が落ちて暗くなってきた道をユリアと一緒に急ぐ。

 早く帰って風呂に入りたい。

 俺は血を浴びたし、ユリアはお漏らししたからな。


「旦那様、お帰りなさいませ」

「お疲れでしょう、食事の用意は出来ております」

「あたし、お風呂の準備を頑張りました!」


 玄関に入って直ぐに奴隷メイド達が一礼で出迎える。


「ただいま、先に風呂に入る」

「ただいまです!血で汚れてしまったので、お風呂に入りたいです!」


 他の使用人達の挨拶を聞いて風呂に向かう。

 メイド長のパティと平メイドのプリシラ、商売担当の店長のフレイが付いて来た。

 メイド達は風呂の世話を、フレイは商売の報告の為に一緒に入るらしい。


 脱衣所で女の子達の身体をじっくり見る。

 ユリアは小さな身体なのに、益々色っぽくなった。


 パティはスラッとしているが胸は大きい。普段はアップにしている髪を下ろしている。


 プリシラは短めのポニーテールだ。小さな身体で走り回って叱られている。


 フレイはミディアムロングヘアで、手に納まる大きさの胸が可愛い。


 女の子達に身体を洗って貰いながらユリアの肌を撫で回す。


「ご主人様、血の匂いが取れましたよ!」


 メイド達のお陰で血を洗い流したら、ベタベタしていたユリアが1番喜ぶ。

 やっぱり血の匂いがキツかったらしい。


「旦那様の身体はガッシリしてますね~、……はわっ、胸の筋肉が動きました!」


 プリシラが興味深くペタペタ触っていたので驚かせて遊ぶ。


「プリシラ、旦那様の許可も無しに触れてはいけません!」

「でもでも、旦那様は怒りませんよ~、パティさんもご奉仕しないと」

「それは旦那様の命令が有ったら、お情けを戴くのです」


 構わないので2人のお尻を撫でると紅い顔で大人しくなった。

 何だかんだ言っても初心(うぶ)だ。

 スベスベの肌が気持ち良いので全身を触る。


「はうっ、あたしの、んっ……おっぱい小っちゃいから他の所を触って下さい~」

「あっ、ンンッ、旦那様、如何でしょうか?男性を悦ばせる方法は書物を読まされただけなので」


 俺の首筋にキスをしながら身体をまさぐられ、艶かしい声を上げる。


「ご主人様の気持ち良い所は、ここなのです!」


 ユリアが先輩風を吹かしてレクチャーする。


 3人纏めて可愛いがった後、真っ赤になって固まっているフレイを正面から膝に乗せる。

 向かい合わせのフレイにキスをしながらお尻を揉み、報告を促す。


「ちゅっ、……あむ、ふあっ…………、ええと、報告します!」


 キスが気持ち良かったのか、ポーッとしていたフレイが我に帰って報告を開始した。


「アイスクリームの売れ行きは良く、用意した分は全て売り切れました。買えなかったお客様も大勢居ました。それと旦那様に教わった肉まんは完成して、屋敷の皆で試食しましたが、全員の口に合ったようです。明日にでも店頭に並べられます」


 フレイの報告を聞いて指示を出す。


「アイスクリームは、作れるだけ作ってくれ。売り切れで買えない事が続くと印象が悪い。」

「ハイ!お任せ下さい!」


「肉まんは寒くなるまで売らない。あれは寒い時期に最も売れる。最高に旨いタイミングで出した方が、良い記憶が残る。物珍しさだけじゃ続かん。思い出の味になれば定期的に食いたくなる」

「……確かに!言い付けの通りにします」


 アイスクリームが全て売れたなら、大銀貨8枚の儲けだな。

 庶民の8ヶ月分の最低限の生活費が1日で稼げた。

 この調子なら大きな店舗を用意して、新しい奴隷を買い、店長と護衛に就かせて、浮浪者や失業者を雇うのも良いな。


 商売の話が終わったので、これからはエロタイムだ!

 フレイの柔肌を堪能したら、寝床で他の使用人達とエロパーティを開催する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ