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今度は奴隷を手に入れる

 翌日俺とユリアは奴隷商館に足を運ぶ。戦闘の出来る元冒険者と元商人の娘を求める積もりだ。

 使用人の盗みが多い世界なので、マトモな使用人を紹介してくれるツテの無い俺は奴隷を買うしかない。

 商売もして欲しいので、やはり資金の持ち逃げなどを防ぐ為には奴隷が最適なのだ。


 見た目は美しいに越したことは無いが、断腸の思いで、能力重視で選ぶ事にする。

 警備と商売担当者意外は、見た目の美しさ重視で選べば問題ない筈だ。

 掃除や洗濯、料理は覚えれば良いだけだ。失敗しても大した被害はなく、ドジっ娘メイドの慌てる姿を楽しめる。

 俺は全属性持ちの美少女マエストロなのだ!合言葉はみんな違ってみんな良い!


「ユリアはどんな使用人が良いんだ?」


 美少女は大事だが、ユリアの方が大事なので訊いて措く。


「えっと…………仲良しになれそうな人が良いです!」


 少し考えて答える。


「美少女とは仲良く出来そうか?」


 1番重要な事を訊く。


「ほえ?美少女ですか?良い人なら仲良くします!」


 どうやら絶体絶命のピンチは切り抜けた様だ。



 歩きながらユリアと生活の事を話していると、新婚気分に浸れるので最高だ!

 生活が落ち着いたらプロポーズをするか。重婚が認められる社会なので、悩む必要は無い。

 愛する女の子は全員嫁にする気だ。要は養う甲斐性と愛が有るかしか問題が無いのだ。


 街で1番の奴隷商館に着くと、ユリアがぎゅうっと抱き付いてきたので、抱き返して耳元で愛してると伝えた。

 それで安心したのか、俺の腕にしがみついてニコニコする。奴隷として捕まったトラウマは大丈夫そうだ。


 奴隷商館に入ると直ぐに従業員が接客に来た。流石に大きな奴隷商館なので、従業員の数も客の数も多い。


「ようこそいらっしゃいました。奴隷をお求めでしょうか?」


 一礼して用件を訊いてくる。女の子連れだと売りに来るという可能性があるので、確認するのだろう。

 売りに来たのか訊かないあたり、従業員の教育も行き届いているのが判る。

 この客は買う金が無いと判断した上に、連れの女の子にも失礼な話になってしまう。


「屋敷の警備に5人、実家が商売をしていた者を2人、家事スキル持ち3人、料理経験が有る者が2人欲しい」


 従業員は条件をメモして復唱してくる。


「全員この娘と話が合いそうな、年頃の近い女性で頼む。12才から25才くらいで」


 ユリアは17才だし、これくらいの範囲なら話も合うだろ。


「失礼ですが御予算をお訊きしても宜しいでしょうか?」


 予算に()って紹介出来る奴隷が変わってくるので、当然の話だ。人数が多いので買えない奴隷を出しても手間が掛かるだけである。


 奴隷の相場は調べたところ、戦闘奴隷が小金貨1~3枚、犯罪奴隷が大銀貨2~3枚、性奴隷が小金貨1枚~中金貨1枚。

 それぞれレベルが高いとか、スキル持ちだとか、見た目が美しいなどの理由で、相場プラス小金貨1~3枚程度上がる。

 滅んだ国のお姫様とかだと、大金貨数枚はするらしい。高貴な女性を自分の物にしたい男はどこにでも居る。


 戦闘奴隷は元冒険者や傭兵、騎士などが借金や戦場で敗北して奴隷に堕とされた者。

 犯罪奴隷は捕まった盗賊や盗みを働いた者、主人の不興を買った使用人など。

 性奴隷は親に売られた者や国が滅んで売られた者、拐われた人間などが理由だ。


「予算は金剛貨2枚まで」


 金は使い(みち)が全てだ!そして俺は女の子が全てだ!


「畏まりました。別室で少々御待ち戴けますか?条件に合う者を連れて参ります」


 従業員に案内されて、30畳くらいの広い部屋に着く。豪華なソファーに座り、出された飲み物を飲みながら待つこと暫し。

 暇なのでユリアとキスを交わしてお互いの事を話していたら、従業員がゾロゾロと30人くらいの女の子達を連れて来た。


 レベルが高いので戦闘奴隷だと思う。気を利かせたのか、全員そこそこのレベルと見た目だ。

 レベルの高さと見た目をどちらも立てたのだろう。両方高いバランスで纏まっている。


「まずは戦闘奴隷を連れて参りました。レベルとスキル、経歴などを御説明致します」


 貫頭衣を着た裸足の女の子が、1人ずつ前に出ると従業員の説明が始まった。

 それぞれの売りが説明され、俺がステータスチェックで確認すると、説明通りのステータスだ。この奴隷商館は信用性は高いことが判って一安心する。


 一通り説明が終わると、俺は元冒険者のパーティー5人組を選んだ。

 元々仲間なので、始めから連携が取れるしバランスも良い。気心の知れた仲間が居る方が高いパフォーマンスを期待できる。



 パーティーリーダーのアリッサはレベル31、24才。スキルは剣術4、気配察知2、肉体強化小と中。


 サブリーダーのベアトリクスはレベル27、24才。スキルは槍術3、肉体強化小、風魔法3。


 魔法使いのブレンダはレベル22、21才処女、スキルは魔力操作、火炎魔法2、水魔法3、雷魔法4。


 弓術士のクララはレベル25、18才処女、スキルは弓術4、気配察知4、気配遮断5、夜目3。


 治癒術士のエレノアはレベル20、15才処女、スキルは杖術2、魔力操作、回復魔法4。


 目を見張る美女では無いが、皆美人と言えるくらいの顔立ちをしている。

 食事を充分に摂ってないのか、全員少し痩せぎみだが、女性としての魅力は問題ない。

 その為か全員が相場より少し高い。レベルとスキルも優秀なので、戦力としても高値が付くだろう。5人で大金貨3枚と中金貨1枚だった。


 選んだ5人がソファーの後ろに並び、他の女の子達が一礼して部屋から出て行った。

 次に入って来た50人の女の子達は、レベルは低い物の全員スキル持ちの美少女達だ。


「次に御紹介するのは、算術や料理、家事スキル持ちです。全員性奴隷で処女ばかりで御座います」


 やはり俺は上客と判断されたのか、処女などの高い奴隷から連れて来たのだろう。

 処女の方が性病のリスクが低いので、高値で売れる。スキル持ちで美少女なら尚更高い。


 名前や年齢、スキルの説明が終わると、その中から俺が選んだのは、7人。


 アイスクリームの販売を任せる積もりの、フレイ17才。スキルは算術4と料理2。

 リネット14才。スキルは算術3。2人とも笑顔が可愛いので売り子にぴったりだ。


 次の奴隷は屋敷の料理人を任せる積もりの、メイ18才とラナ16才。スキルは2人とも料理4。


 最後は屋敷のメイドを任せるメイド長、パティ17才。スキルは家事5と礼儀作法4。

 メイド長の補佐、フィーネ18才。スキルは家事4と礼儀作法4。平メイドのプリシラ14才。スキルは家事2。

 この娘達は、この後雇う予定の浮浪者の女の子達の、指揮と教育も任せる事にする。

 7人で大金貨5枚だった。金を払うと7人がソファーの後ろに控えて、残りの女の子達が一礼して出て行った。



「レオンハート様、当商館の奴隷をお買い上げ下さり、誠に有り難う御座います。最後に奴隷契約を執り行います。契約内容を定めて下さい」


 奴隷は契約内容の通りに縛られる。やってはいけない事や罰の内容を決める。


「……それじゃあ、全員同じ契約にする。融通が利かないと困るから、命令違反は罰無し。逃亡や窃盗は軽く痺れさせる程度の罰を与える。主人や主人の家族、奴隷を含む屋敷の仲間を殺害しようと攻撃したら、致死量の電撃を与える。俺が死んだ場合は主人をユリアに変更、ユリアにも万が一が有ったら開放」


 契約内容はこんな物で良いだろう。命令違反は、状況が変わると必要になるので不問にした方が良い。

 アイツと戦えと言う命令を出して措いて、別の敵が来たり仲間が拐われたりした場合、命令無しじゃ動けないでは困る。

 故意に命令違反を繰り返す奴隷なら、また売り払われるので意味無く命令違反はしないだろう。


 契約魔法というスキル持ちの従業員が魔法を掛けると、奴隷達の首輪に付いていた魔法結晶が光り、俺の血を付けると光りが収まった。


「契約完了致しました。変更なさりたい場合は、奴隷商館ならどちらの商館でも変更が可能です。何か御座いましたら、お気軽に御越し下さい」



 奴隷商館を出るとお昼時を過ぎていたので、昼御飯にする。人数が多い上に奴隷連れなので、大衆食堂に入る。

 集団で入って来た所為か注目を浴びる。その視線を無視して席に着いた。


「全員席に座ってくれ。好きな物を注文して構わない」


 奴隷達に向かって指示を出すが戸惑っている様だ。


「……主人と同じ席には着けません。奴隷は床で食事をするのが普通です。食事も上等な物は奴隷に与える必要は有りません」


 メイド長にする積もりのパティが、代表して発言する。


「俺は好きに生きる。従って常識は関係無い。法で決まって無いから俺が法だ。食事は1日3食、全員同じ席に着き同じ物を食べるのが我が家のルールだ。店なら好きな物を食べる」


 ルールを説明して席に座らせて注文する。俺とユリアは好きな物を注文したが、奴隷達は1番安い物を注文した。その内慣れるのを待つか。


 安い料理なので奴隷達の料理が先に出された。しかし注文した料理が来ても奴隷達は手を付けない。遠慮しているのか、命令が無いと食べない様に教育されているんだろう。


「来たら直ぐに食べて良い。冷める前に食べなきゃ無駄だ。命令を待つ必要は無い」


 そう伝えても食べない。


「主人より先に食事を摂る奴隷はおりません。主人の食事が終わってから食事を摂ります」


 面倒な事だ。


「我が家のルールにそんな決まりは無い。冷める前に食べる方が効率が良いだろ?わざわざ冷めるのを待つのは無駄だ」

「そうです!温かいお食事の方が美味しいのです!」


 俺とユリアの説得でやっと食事に手を付ける。具の少ない豆のスープと固い黒パンだ。

 黒パンをスープに浸して、軟らかくして食べる様だ。そんな食事でも温かいから嬉しいらしく、奴隷達の表情だ明るくなった。


 そうこうしている内に俺達の食事も出てきた。粗末な食事をしている奴隷達の前だと、日本人の感覚では逆に俺達の方が食べづらい。

 さっさと食べて奴隷達の服と靴を買いに行こう。そこでも一悶着有りそうだ。やれやれである。

 使用人達は、メインヒロインでは無く、サブヒロイン?みたいな物だと考えて下さい。

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