女性のためのアヘ顔講座
こんなトチ狂ったタイトルのエッセイを書くとは思わなかった。これを書いたのは夜の三時だ。テンションが上がってしまったんだ。キーボードがファルシのコクーンしたんだ。
間違いなくこのエッセイにロクな読者はつかないし女性から黄色い声援は送られない。欲しくもないが。おれは可愛い女より格好良い男が好きなんだ。だからといって男のアヘ顔なんて気持ち悪いけれど。
本題――おれはアヘ顔が好きだ。でもあんま理解されないジャンルだと思う。とくに女からしてみればキチガイ染みたジャンルじゃなかろうか。
だからおれは世のアヘ顔を理解したい、またアヘ顔の良さを知らない女性のために、ここにアヘ顔講座を開くことにした。死ねという声が脳内から聞こえて来たがおれは激しくエムなので気にしない。
尿道に綿棒を入れるくらいがちょうどいい。
さて、おれはアヘ顔が大好きだ。そもそもアヘ顔って何だよおいって人もいるだろう。今すぐグーグル先生に聞いてくれ。それがアヘ顔だ。
はじめてアヘ顔をみる人もいるかもしれない。そういう人は、「気持ち悪い。アヘ顔の何が良いんや? あ?」と思われるかもしれない。
もしリアルで言われたらおれは即座にこう答える。
「おっほおおおおおおおお!!」
「ってな感じで普段済ましている女が理性をなくして獣みたいになってるのが良いんや(^ω^)」
女性に向けて分かりやすく言えば、
「普段あんまり好きとか言わない彼が二人きりの時だけ、ちょっとそっぽ向きながら好きって言ってくる///」
と同義である。反論は認めないし聞かない。
この手のやつは、ギャップ効果と言われている。どうしようもないクズが時折優しいことを言うと(゜∀゜)ノ キュンキュンきちゃうアレである。クズはクズだろ?というのも理解は出来るが、まあわりかし気分が乗っちゃうと人間過去なんて忘れちゃうわけですよ。
アヘ顔にはいくつか種類がある。口を開けて涎を垂らすタイプ。目がバグってドロップアウトするタイプ。口許がタコみたいに窄むタイプ。
すべてのタイプを紹介するのはあまりに電気代の無駄すぎるので、もし彼氏に「おまえどのアヘ顔が好きなん?」と聞かれたときの対処法だけは女性諸君に教えておこうと思う。
もし彼氏が上のようなことを言ってきたら、こう答えなさい。「わたしは両鼻がマーブルチョコみたいな大きさまで開いたアヘ顔かなっ♪」
おそらくアヘ顔好きの8割がこの解答をした女性にキュンとくるはずだ。ぜひ実践して欲しい。そして世の非リア係数に貢献して頂きたい。
アヘ顔がメインだが、それと切っても切り離せない要素として、淫語があるとおれは思う。「おほぉっ」や「んほぉっ」が一般的な淫語とされる。ゴリラみたいだな冷めた目で見ると。
淫語マニアのおれとしては、「あんっ」みたいなのは論外だ。「ふへぇ」「ほっほっほ」「しぇえぇ」とかが良い。珍しくマジレスしている。是非とも女性諸君にはここまで至って欲しい。大丈夫。恐れない気持ちがあれば人間なんだって出来るさ。
アヘ顔と件の淫語が合わさった状態をアヘモードという。いやおれが作ったんだけど。アヘノミクスでも良いけど一応自民党に投票した身としては自重した。
まあアヘモードだけれど、これが凄い良い。憎き女上司を想像して欲しい。糞むかつくし、可愛げとか一切ない。でも究極に美人。そんな人が、アヘモードになっているのを想像してみるが良い。いま女性がサーって引いていく音が聞こえた。うん、おれも書きながら自分で引いているという希有な体験をしている。
ともかくだ。このアヘモードこそ俺たちにとってのエルドラドだ。しかし、このアヘモードだけでは、おれたちのマイソンは満足まで至らない。
では何が足りないか?
それはムードだ。ムーディだ。右から左に受け流すやつがいたがアイツはクソ面白くなかった。
アヘ顔にはそれまでに至るムードが大事だ。
アヘモードまでの過程が大事。究極、その他のページはすべてアヘモードに奉仕するようなものであってほしい。
よくアヘ顔って気持ち悪いじゃんアレという意見を聞くが、それは楽しみ方を知らない人の意見だ。ビールを飲んで苦い!っていう小学生と一緒だ。ちなみにおれはビールを一切飲まない。梅酒しか飲まない。
さっき過程が大事と言ったが、しかしたいていの作品は過程を描き切れていない。それは技術的な問題ではない。ページ数という絶対的な枠組みがある以上、ある一定のラインを超えることが出来ないせいだ。
ねっとり、じっくりとした快楽攻撃……アヘ顔になる事に足る説得力が、残念ながら乏しい作品が多い。
それ故に、アヘ顔を楽しむには――もちろん作品のクオリティが一番大事だが――読者の想像力が欠かせない。
女性が理性を説かして「おほぉ」と吼えるほどの快楽を女が感じているんだ。そこにダイブしていくor征服感を覚えろ。
アヘ顔を楽しむには、まずそこからだろう。
もちろん、アヘ顔好きな読者が少ないのは、その楽しみ方を知らないせいだけではない。
量より質・質より量という言葉を皆さんも聞いたことがあるだろう。しかしこれはこと創作に限り全くの嘘っぱちだ。創作に関しては、量から質が生まれるのだ。量があるところに質の良い作品は生まれるのだ。
アヘ顔の名作というのは、少ない。
それは作者の技量の問題もあるが、そもそも絶対数が少ないのだ。質を求めるのは良いが、求めすぎるのは少し厳しいものがある。
プロフェッショナルな作品は、いつだって金の巡る所に生まれる。金もなしに高品質なものを生み出せるのは自分を探求するアスリートだ。読者を痺れさせるプロではない。
そこでおれがオススメするのは、同人だ。とくに同人のゲームには、良い質の作品が揃っている。同人も当然お金を読者から貰って成り立っているが、やはりその割合はプロよりも低い。プロと比べるならば、彼らは立派なアスリートだ。広く浅くではなく、狭く深い作品が揃っている。
あなたの求める良質な作品は、同人にある。
プロではなく、アスリートの世界にこそ、おれたちマイノリティを満たしてくれる作品がある。
アヘ顔を求める女性読者の皆さん。
同人で良質なアヘ顔作品を購入してください。女性達が快楽でぐずぐずになる様を如実に表わしたアヘ顔にダイブしてください。自らの想像力をフルに活用してください。
そこには俺たちがいます。仲間がいます。
恥ずかしがらないでください。アヘ顔はおろか「おほぉ」のような隠語好きでも、おれたちは受け止めます。
受け止めてみせます。
絶対に――。
読み返して吐き気がしてきた。
終わり。次回はマゾ編かNTR編ね。