EP.5 ちょっと一息
モール事件から数日、4人はまた仕事が入ったが呆気なく終わり幻変隊4番隊の基地に戻った4人は、
緊張感から一転、まったりとした雰囲気に包まれていた。警報の一件は、結局、倉庫街のPGTエネルギー反応がただの機械の誤作動だったことが判明し、肩透かしを食らった形だ。カイナは大きなあくびをしていた。
「はー、あのドタバタ。せっかく気合入れて出動したのに、ただの機械のバグって…。」
カイナは不満そうに缶ジュースを手に持つが、開けるのも面倒そうにゴロゴロ転がしている。
カイナは端末を手に、データを見ながらも、どこかリラックスした様子で答えた。
「まあ、無駄足でも情報は得られた。センサーの盲点が明確になったし、次に備えられるはずよ。」
カイナははそう言いつつ、机の上に置かれたクッキーの袋に手を伸ばし、パリッと一口かじる。
ファリアはモニターの前でコーヒーをすすりながら、画面に映るデータのスクロールを眺めている。
「全く関係ないんだけど、数日前の一件で取れた高エネルギーデータ面白いんだよね。PGTセンサーには引っかからないけど、微妙に自然界のエネルギーとはズレてる。…なんか、こう、宇宙っぽい?」
「宇宙っぽいってなに?ふわっとしてるねー。」
ヌヌはソファの上で膝を抱え、眠そうな目をこすりながら笑った。
「でもさ、敵が宇宙人だったらちょっとテンション上がるかも。映画みたいじゃん?」
「映画ならいいけど、現実は面倒なだけだよ。」
カイナがジュースをようやく開け、ゴクゴク飲みながらつぶやく。
「宇宙人だろうが、怪物だろうが、平和ならそれでいいい」
カイナがクッキーを食べ終え、ふっと笑みを浮かべた。
ファリアがコーヒーを置いて、くるっと椅子を回転させ皆を見た。
「とりあえず、今日はもう遅いし、データ解析は明日にしようよ。どうせ敵がすぐ動くとも思えないし…ね、ピザでも頼む?」
「ピザ! 賛成!」
ヌヌが一気に目を輝かせ、烈偽も
「ハワイアンで!」
と仮面をカイナは小さくため息をつきつつ、端末を置いて言った。
「…俺はマルゲリータでいいよ、俺の支払いはヌヌのからで」
「えー! ひどい!」
ヌヌの抗議をよそに、4人はピザのメニューを決め始め、基地内はすっかり和やかな空気に。モニターの片隅では、解析中のデータが静かに点滅を続けていたが、今夜は誰もそれに目を向ける気はなかった。