第十話 密会してる男たち、怪しいって。
「来てくれてありがとう、ロッキー」
「いや、大丈夫だ。オレは王様がいないと仕事もないしな」
私? アルプス。今日朝からポツダムを尾行してたんだけど、なぜか彼の部屋にロッキー・サンミャク来て、怪しすぎてしぬうぅ!
「王様たちはいつごろ帰国されるんだ?」
「今のところ一週間と聞いている」
私は扉の前で必死に聞き耳を立てる。なんでロッキーなんかが王たちの予定を知ってるの? 私も知らないのに。
「ロッキーは王様と仕事するもんな。よく知ってる」
そうなんだあ。ってか普通に話してるポツダム意外。いつも口を開けば私の美しさを語るし。
「ところで今日は?」
ロッキーが声色を変えて探るように聞く。
「それが……」
ポツダムも同様に声を低く深みを増す。実際増してるのは怪しさだけど。やっぱりクロか?
私は唾を飲む。
「それが、アルプス様へのプレゼントを悩んでおりまして」
は? 私へのプレゼント?
「あー、悩むよな」
ロッキーも同意する。
は? 悩むの?
「なんといってもアルプス様だからな。下手なものを送って幻滅されたくない」
ポツダムは真剣そうに言っている。
この話は本当なんだ……。
私へのプレゼントを考えてくれてるなんて!!
私はポケットからメモ帳とペンを取り出し、走り書きの後髪を千切り、近くの花瓶の下に置く。そして痺れる足を無視してスキップで帰った。
“18金のダイヤの指輪”
ずっと夢見ていた18金のダイヤがこんな形で手に入るなんて思わなかったけど。子供のころ、ダイヤの指輪でプロポーズ、私には一生叶わないと思っていた。
まあ嫌いな奴だし、プロポーズじゃないけど、良い。
18金のダイヤが手に入るんだもん! 細かいことは気にすんな!
次回 第十一話 白だけど黒ってことで話進めます




