表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

スプリング・カーニバルに来てはいけなかった【ホラー・死亡フラグ】

作者: OwlKeyNote

これは、ホラー映画のあるあると、

死亡フラグのてんこ盛りだけで構成されたお話です。


登場人物たちは、自らフラグを立てて、次々に退場していきます。

叫び、逃げ、転び、恋を語り、童貞がなぜか生き残ります。


ホラー好きがニヤニヤできて、

怖がりな人も笑って読める、頭カラッポ推奨ホラー。


どうぞ、フラグが折れる音をお楽しみください

春の終わり。

郊外の移動遊園地「スプリング・カーニバル」に、

高校の仲良し6人組は最後の思い出作りにやって来た。



登場人物(全員、死亡予定)

•ブレイク(運動部。筋肉枠)←先に心が死ぬタイプ

•ジェシカ(チアリーダー。ヒールでダッシュ可能)←SNS即投稿族

•ダグ(ポジティブすぎる陽キャ)←雰囲気ぶち壊し要員

•メグ(賢いが理屈っぽい)←オチを察するタイプ

•チャド(いじられギャグ要員)←気づいたときにはフラグ

•スコット(主人公。平凡な童貞)←これが最強の盾



【開幕直後】


ブレイクの一言:


「この夏で、俺たちもバラバラだな……」


→死亡フラグ①:「最後の思い出」宣言

→これを言ったやつが残った試しがない



【観覧車でデュオ退場】


ジェシカ&ブレイク、観覧車に乗る。

ブレイク、空を見上げてポエム開始。


「この町が好きだ。…こんな平和、ずっと続けばいいのにな」


→死亡フラグ②:「このままでいたい」「日常愛しすぎ型」


ガタン。観覧車揺れる。

ジェシカ:「なにこれ!落ち──」


ドォン。

ゴンドラ、綿あめ屋に着地(物理)。


→演出あるある①:死んだ後、衣類だけ落ちてくる

→ブレイクのタンクトップ、ふわり。



【ジェシカ、逃げる…つもりだった】


ジェシカ、地面に飛び降りる(足グネ)→ダッシュ(ヒール)→転倒(様式美)


「平気、走れる。……大丈夫、たぶんもういないよ」


→死亡フラグ③:「もういない」って言ったやつほど後ろにいる


背後からアナウンス:


「ようこそ!スプリング・カーニバルへ!」


→録音音声からピエロが出るな!


ジェシカ、自撮り生配信で逃走開始:


「やばい、映ってる!?バズる!バズらせて!!」


→死亡あるある②:逃げながらスマホ構えるやつ、大体噛まれる


→スマホに残った最期の映像=ピエロ接近 → 真っ暗 → “いいね”の音だけ



【ホーンテッドハウス・無許可入館】


メグ:「この屋敷、めっちゃ不気味じゃね?」

ダグ:「入ってみるしかないだろ!」

チャド:「出た出たホラー映画あるある〜」


→死亡フラグ④:「入らなくていい場所にノリで入る」

→幽霊屋敷の体で、実は旧監獄施設(実在)



【死亡ラッシュ・ショートエディション】


ダグ:


「俺、この中でひとりで探索してくるわ」


→死亡フラグ⑤:「分かれよう」発言=即バラバラ回収コース

→カーテン裏から出てこない。靴だけが落ちてる。血まみれ。YES死亡演出。



チャド:


「まさか、マジの幽霊とか思ってる? んなもんいるわけ──」


→上からピエロマスク。

→見上げた瞬間、頭ごと持ってかれる。


→死亡あるある③:「オカルト否定派は一番最初に持ってかれる」定番。



メグ:


「ねえ、気づいてる? あのピエロ、何かに従ってる」

「映画的に言えば……私たち、“演じさせられてる”のよ」


→ピエロ、ピタッと立ち止まり、「正解」とつぶやく。


→死亡フラグ⑥:「仕組みに気づいたやつは次に消える」


→消灯。再点灯。メグの姿なし。黒板に「Rewritten」の文字。



【スコット:童貞パッシブ発動】


ひとり残されたスコット。

汗だく。泣きそう。でもまだ生きてる。


ピエロが近づく。


スコット、震えながら叫ぶ。


「お、俺……童貞なんだ!」


→ピエロ、動きを止める。


沈黙。


ピエロ、背を向けて、帰った。



【エンディング】


観覧車は止まり、屋敷は静まり返り、

スコットはぼそっと言った。


「これ、ホラー映画だったのか……」


ふと、地面に落ちていたタンクトップが風に舞う。


そして、どこからか聞こえるアナウンス。


「Thank you for visiting Spring Carnival. See you next scream!」


──完。



 童貞だけが生き残るルール、発動。

ピエロは律儀。


遊園地にはまた、明日も客が来る。


今日いなくなった5人のことは、誰も覚えていない。

パンフレットには、ただこう書かれていた。


「Spring Carnival:笑って、叫んで、生き残れ」


——完。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ