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第9章83【揺れる想い、刻まれる絆】
戦いが一時の静寂を迎えた。かおるは息を整え、アリシアの元へと戻る。
「大丈夫か?」
アリシアはうなずき、柔らかな笑みを浮かべた。
「かおる、あなたの力は本当にすごい……でも、あの仮面の少年が気になるわね。彼は何者なの?」
かおるは遠くを見つめる。
「わからない。でも、あいつが動き出したということは、何か大きなことが動いているんだろう」
アリシアはそっとかおるの手を握り締める。
「どんなことがあっても、私はあなたと一緒にいる。だから、怖がらないで」
かおるはその言葉に胸が熱くなる。
「ありがとう。俺も、絶対に守るから」
二人の絆は深まっていく。だが、森の影では新たな敵の気配が静かに迫っていた。
「まだ終わらない……」
かおるは再び戦いの覚悟を決めた。