表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『転生違法世界 〜俺、バレたら即死です〜』  作者: 甲斐悠人
第九章【平穏な日常…。】
88/139

第9章76【穏やかな日々、歩み寄る心】

原初の塔の崩壊から数週間が経ち、かおるたちの生活は少しずつ落ち着きを取り戻していた。

 日常が戻ってくる――それは、平穏そのものであり、同時に新たなスタートを切ることでもあった。


 朝。

 静かな村の一角、かおるの家の前には、アリシアとセラがそれぞれの仕事に出かける準備をしていた。


 「今日は何か手伝うことあるか?」

 かおるが問いかけると、アリシアがにっこりと笑って答えた。


 「うーん、今日は市場に行くくらいかな。あ、でも君の手伝いがあれば助かるかも」


 「手伝うのはいいけど、また魔法の練習か?」

 かおるは少し眉をひそめる。


 「もちろん! でも、それだけじゃなくて……君も練習してるし、私ももっと精度を上げたいなって」

 アリシアは目を輝かせながら言った。

 かおるが笑いながら頷く。


 「そうだな、じゃあ今日は練習しながら、一緒にやるか」


 その後、二人は自宅の庭で魔法の練習を始めた。

 アリシアが風を操り、かおるがそれに応じて剣を操る。


 「うん、少しずつだけど、使いこなせてきたかも」

 かおるが剣を振るうと、空気を切る音が響いた。

 アリシアが真剣にその様子を見守り、何度かアドバイスをしてくれる。


 「でも、もう少し力を抜いてリラックスしたほうがいいかも。緊張しすぎてるよ」


 「わかってるけど、つい力が入っちゃうんだよな」

 かおるは苦笑しながら答えた。


 その時、セラが突然家の前に現れた。

 「おーい、二人とも! 何かしてるのか?」


 「あ、セラか。ちょっと魔法の練習してたんだ」

 アリシアが振り返ると、セラは手に持っていた袋を振りながら言った。


 「まあ、魔法もいいけど、今日はこれだ!」

 そう言って、袋から取り出したのは、大きなパンの塊だった。


 「これ、私が作ったんだ。食べてみて!」

 セラは笑顔で二人に手渡す。


 「おお、これは……! 君が作ったのか?」

 かおるが驚きながらも手に取ると、アリシアも興味深そうにそれを受け取る。


 「ちょっと不安だけど……どうだろうな」

 アリシアは半信半疑に一口食べてみた。


 「うーん、ちょっと固いけど……味は悪くない!」

 アリシアが微笑んで言うと、セラは得意げに胸を張った。


 「でしょ!? これ、私の特訓の成果だ! ちょっとした挑戦だったけど、うまくいったかな?」


 「いや、いい感じだよ。これからも作ってくれ」

 かおるが笑いながら応える。


 「うん! 頑張るから!」

 セラは嬉しそうに言った。


 その後、三人はのんびりと過ごす時間を楽しんだ。

 日常が、何も特別なことがないようで、実はとても大切な瞬間だということを改めて感じる。

 穏やかな時が流れ、かおるは心の中で誓った――この平穏を守り続けるために、仲間たちと共に歩んでいこうと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あとがき: 読んでくださってる皆さまありがとうございます!書籍化目指して頑張るぞ!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ