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『転生違法世界 〜俺、バレたら即死です〜』  作者: 甲斐悠人
第八章【背徳の王都、告発者たちの影】
86/139

第8章75【原初の塔へ、記憶の牢獄】(中編)

(1/5)

【導入・移動・情報編】


 “原初の塔”――それは、あらゆる魔術の源であり、魂の循環すら司ると言われる場所。地図にも載らず、国家にも知られず、ただ〈白塔連盟〉の幹部のみに許された領域。


 「塔は、転生法そのものを支える根幹よ。そこを壊すことは……世界の法則に爪を立てることと同じ」

 セラが静かに言う。


 アリシアが眉をひそめる。

 「でも、その中に……カナメの意識が封じられてるんだよね?」


 「……間違いないわ」セラは頷いた。「彼が送ってきた信号は、塔の座標領域からだった。そこにあるのは、“原初の記録層”。魂と記憶の眠る、最深部」


 目的地が定まった今、かおるたちは山を越え、国境を抜け、白塔連盟の旧遺跡群が点在する北東の禁域――“灰の野”へ向かっていた。


 荒れ果てた土地は、魔素の濃度が異常に高く、空すら霞んで見える。普通の旅人であれば数日で命を落とす場所だ。


 だが――


 「なんか、妙に静かすぎない?」

 アリシアが不安げに辺りを見渡す。


 「おそらく……歓迎されてるんだろうな。クラウスにな」

 かおるの声が低くなる。


 空気は沈み、風は凍てつくように冷たい。森の木々は枯れ果て、地表には意味不明な紋様が刻まれていた。


 「転生陣……?」


 「いや、これは“魂の回収装置”だ」セラが呟く。「彼らは、死者をただの燃料にしてる。これが……白塔連盟のやり方」


 かおるは無言で拳を握る。

 胸にある“カナメの残響”が、淡く震えていた。



---


(2/5)

【原初の塔・外郭〜防衛機構との戦闘】


 そして、ついに――


 霧の奥に、そびえ立つ巨大な建造物が姿を現す。

 白く輝く、無数の環が絡み合うような構造。建築というより“結晶”に近い。


 「……あれが、“原初の塔”」


 かおるは足を止め、剣の柄に手を添えた。


 「セラ、アリシア。気を引き締めて行くぞ」


 塔の入り口は開かれていた。まるで彼らを誘うように。


 だが、その瞬間――


 《侵入者確認。プロトコル72発動》


 無機質な声と共に、地面から光の柱が立ち上がる。そこから生まれたのは、白銀の“人形兵”たち。


 「……自動防衛魔装か。旧時代の遺産ね」セラが冷静に言う。


 「数は!? ざっと二十体……全部、上級魔導機?」


 「囲まれたね。でも……やるしかない!」


 かおるが剣を抜く。

 アリシアが風をまとい、セラが虚空に呪式を描いた。


 「――全力で突破するぞッ!!」


(続きます)→【3/5:塔内突入〜クラウスとの対峙】へ


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あとがき: 読んでくださってる皆さまありがとうございます!書籍化目指して頑張るぞ!
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