表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『転生違法世界 〜俺、バレたら即死です〜』  作者: 甲斐悠人
第一章【目覚めと出会いの章】
5/139

第1章5【都市包囲と少女兵士】

爆発音の直後、ジークの部屋の窓から黒煙が立ち上るのが見えた。


 


 「……マジかよ。ラストリアの外周が燃えてる」


 「これは偶然じゃない。かおる、移動の準備を」


 


 ジークは冷静に鞄をまとめながら、アリシアに指示を出す。

 アリシアもすぐさま応じるが、俺だけが硬直していた。


 


 「……俺のせいか?」


 「気づいたか。たぶん、お前の“転生情報”がどこかで漏れてる」


 


 ──この街も、もう安全じゃない。


 


 避難の途中、ジークが気まぐれに言った。


 「しかしアリシア、お前、随分そいつに肩入れしてるな」


 


 「っ……そういうの、いいから」


 


 アリシアが少し顔を赤くして横を向く。

 その仕草が、なんとなく胸に引っかかった。


 


 (……まさか。いや、そんなこと)


 


 それからすぐ、裏路地で襲撃者に遭遇する。


 ──全身黒ずくめの、無言の兵士たち。


 


 「かおる、隠れて! 私がやる!」


 


 アリシアが短剣を抜き、前に出た。

 あのときと同じだ──俺を守ろうとする目だった。


 


 「……ふざけんな」


 俺は無意識に前へ出ていた。


 


 「かおる!? なにして──」


 


 襲撃者の刃が俺をかすめ、血がにじむ。

 でも、それよりも──


 


 「俺が助けてもらってばかりじゃ、情けねぇだろ」


 「…………バカ」


 


 その声は震えていた。


 攻撃者をジークが撃退したあと、アリシアは黙っていた。

 だが、ジークがからかうように言った。


 


 「おいアリシア、お前もう惚れてんじゃねーの?」


 「はあ!? なに言って──」


 


 真っ赤になったアリシアが、ジークに本気のパンチを入れる。

 俺はそれを見て、少しだけ笑った。


 


 ──この街は危険だ。でも、悪いことばかりじゃない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あとがき: 読んでくださってる皆さまありがとうございます!書籍化目指して頑張るぞ!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ