表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『転生違法世界 〜俺、バレたら即死です〜』  作者: 甲斐悠人
第六章【記録戦争 -Record Conflict-】
49/139

第6章47【二人きりの夜、そして不意打ちの、、】

ノイズとの激戦から一夜明け、森の隠れ家はひどく静かだった。


 セラは疲れからか熟睡していた。魔力ではない“記録の行使”は、彼女の心を削る。


「ふぅ……セラ、よく頑張ったな」


 かおるはそっと毛布を掛けてやり、隣の部屋へ戻った。


 そこで彼を待っていたのは――アリシアだった。


 


 椅子に腰掛け、足を組んだままワインを片手にしている。


「……あら。ようやく来たわね、かおる」


「お前、昼間っから酒かよ」


「……バトルのあとは、こうでもしないと眠れないのよ」


 アリシアは視線を逸らさず、ぐいっとグラスを傾けた。


 かおるは苦笑して、目の前に腰を下ろす。


「さっきの戦い……悪かったな。お前まで巻き込んじまって」


「ふーん。私のこと、まだ“仲間”だと思ってるんだ?」


「……違うのか?」


「……そうね。もう“仲間”なんかじゃないわよ。

 だって――」


 


 アリシアは突然、身を乗り出した。


 かおるの顎を指でつまみ、視線を絡める。


「私は、“君の女”になるつもりなんだから――」


「――っ!?」


 唇が、かおるのものを奪った。


 柔らかく、でも迷いのない、強引で濃密なキス。


 拒む隙など、なかった。


「……これで、少しはわたしの気持ち、伝わった?」


 目の前で微笑むアリシアは、いつもの冷静な戦士ではなかった。


 頬が赤く染まり、視線が泳ぐ。


「お、お前……!」


「ダメ……だった?」


「……いや、嬉しいけど、いきなりすぎて……」


「なら、答えて。わたしと……どうなりたいの?」


「それは――」


 返事を詰まらせるかおるに、アリシアはいたずらっぽく笑う。


「ま、急がなくてもいいわ。

 でもそのうち、身体で……わからせるから」


「なっ……!」


「ふふ。顔真っ赤よ?」


 


 かおるは完全にペースを乱されていた。


 だが、その空気は悪くない。


 セラに対する“守らなきゃいけない感情”と違い、アリシアは“正面から向き合う女性”。


 彼の胸に、確かな“恋の温度”が宿り始めていた。


 


 夜が更けていく中、二人は静かに寄り添いながら語り合った。


 誰にも邪魔されない――ほんのひとときの、甘い夜。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あとがき: 読んでくださってる皆さまありがとうございます!書籍化目指して頑張るぞ!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ