表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『転生違法世界 〜俺、バレたら即死です〜』  作者: 甲斐悠人
第四章【記録と嘘の図書館 編】
37/139

第4章36【記録の狭間、歪む影】【中編】

中編です!結構いっぱいかいたよー

記録塔の最深部、“虚無記録層”。

 そこは、既に世界に存在しない言葉や、整合性を持たない出来事が、まるで“ごみ箱”のように積み上がった空間だった。


「うわ……これは……」


 足元の床が、映像のように点滅している。断片的な記憶。声。時間。文字。


 そのすべてが、統一されたルールを持たない“記録外の記録”。


「アリシア、絶対に俺の手を離すなよ。ここは、ひとりになると消されるかもしれない」


 かおるはアリシアの手をしっかりと握った。

 彼女は頷く。頬がわずかに赤くなっていた。


「……こうして手をつないでいるの、初めてだね」


 緊張した場面にも関わらず、ぽつりと漏れたその言葉に、かおるはつい苦笑した。


「今、それ言う?」


「うん。言いたくなった。……私、君といるとき、怖い場所でも安心できるの。だから」


 そのとき、再び周囲が歪んだ。


 空間が音もなく弾け、ひとつの“記録”が具現化する。


 かおるが見上げると、それは――自分が“転生”してきた、最初の瞬間だった。


 列車事故。吹き飛ばされる身体。血と金属音。そして――


「やっぱり……これ、俺の“原点”か」


 だがその映像には、あり得ないものが混ざっていた。


 “誰かの手”が、事故の直前にかおるを“記録から引き出していた”のだ。


「なにこれ……。誰? この人――」


 白い髪、黒衣の少女。

 顔は見えない。けれど、かおるは“知っていた”。


「カガリ・ユキ……!」


 名前を呟いた瞬間、空間が爆ぜた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あとがき: 読んでくださってる皆さまありがとうございます!書籍化目指して頑張るぞ!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ