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第3章22【灰の上に立つ者たち】
第3章突入です!楽しんでみてくれると嬉しいです!
クロエ、セリア、ジークが命を落とした森から三日。
かおるとアリシアは、北方の辺境領へと向かっていた。
「……本当に、もう戻らないの?」
「ああ。俺が戻ったら、次はお前も殺される。王都はもう終わりだ」
かおるは、クロエが遺した“転生記録”を解読しはじめていた。
そこには、この世界に転生してきた“全記録”が、暗号化されたまま眠っている。
──だが、王国側も黙ってはいなかった。
王都では新たに「異世界転生者管理局」が設立され、かおるを“違法転生体第000号”として、指名手配していた。
一方、辺境にはかつてかおると同じく転生してきた者たちの“隠れ里”が存在するという情報が。
「まずは、そこに行こう。……今度こそ、誰も死なせないために」
かおるは、“ただ生き延びる”から“真実を暴き変革する”意志へと変わり始めていた。
そして、物陰からそれを見つめる影が一つ。
「……観測対象、変化確認。計画フェイズ3、移行」
誰にも知られていない“第3勢力”が、密かに動き出していた。