第1章2【転生者狩りの始まり】
俺の前に現れた銀髪の少女は、静かに言った。
「あなた、“転生者”でしょ」
息が止まる。俺はすぐに言い返せなかった。
──終わった……か?
そう思ったが、次の言葉は予想外だった。
「安心して。私も……“転生者”だから」
「……え?」
少女は扉を閉め、静かに椅子に腰かけた。
「アリシア。私はこの国で秘密裏に活動する“転生者保護組織”の一員。あなたみたいな転生者を、国家に見つかる前に保護している」
「……信じられるかよ、それ」
「疑って当然。でも、あなたが“何かを隠してる”のは私にはわかる」
アリシアはまっすぐこちらを見た。
──落ち着け。
俺には魔法もスキルもない。でも……俺には一つ、“現実の記憶”を完全に再現する力がある。
「再現記憶」。
一度見た動作や道具、仕組みを、完璧に脳内で再現できる。
──それをバレずに使えば、便利だ。
だが、見られたら「異常」すぎて、即・転生者認定される。
「どうやって俺が転生者ってわかった?」
「さっき、村の水車の構造を見て、“水流角度が悪い”って呟いたでしょ。あれ、ここの村人は誰も知らない知識よ」
──しまった。思わず口に出してたか。
「私は、仲間が欲しい。あなたには“まだ表に出していない能力”がある。違う?」
黙っていた俺に、アリシアは静かに言った。
「来るわ。明日、“転生者狩り”の部隊がこの村に」
「……は?」
「あなたが現れてから、国はすでに調査を始めてる。村の誰かが通報した可能性がある」
──早すぎるだろ……!
「明朝、村を出るわ。逃げるなら今しかない」
「……行き先は?」
「“グレーゾーン都市”ラストリア。転生者が法の目をかいくぐって生きている、最後の拠点」
俺は悩んだ。
逃げるしかない。でも、それはすなわち──追われる人生の始まりを意味する。
「……わかった。行くよ。逃げてやる、どこまでも」
その夜。
アリシアと俺は、村の裏手から、こっそりと抜け出した。
──その背後。
黒い鎧の兵士たちが、すでに村の外れに迫っていた。
「報告通り、“転生者”の痕跡あり。速やかに確保せよ──」
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