表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『転生違法世界 〜俺、バレたら即死です〜』  作者: 甲斐悠人
第二章【揺らぐ日常と、影の組織】
18/139

第2章18【侵入開始】

夜はまだ深い。だが俺たちは、闇に溶けるように動き出した。


 


 黒翼団のアジト。外からはただの崩れた屋敷に見えるが、ジークの持ち込んだ地図と、セリアの記憶を照らし合わせれば、これは「表の顔」にすぎない。


 


「──あそこだ」


 


 クロエが指さしたのは、屋敷裏手の地下口。枯れた井戸のように見えるその場所に、隠された通路がある。


 


 周囲に視線を走らせ、俺は手で合図を出す。


 


 先に動くのは、アリシア。


 音もなく跳躍し、監視の男に近づくと──


 


 パシッ。


 小さく空気が弾ける音。男が首を押さえて崩れ落ちる。


 


「いつ見ても容赦ないな……」


「殺してないわよ。気絶させただけ」


 


 無線の代わりに、手信号と視線の読み合いで連携を取りながら、次々と敵の目をかいくぐる。


 ジークとクロエが後方から警戒し、俺とアリシア、セリアが前を進んだ。


 


 井戸の底に降りると、ひんやりとした空気と、かすかな薬品の臭いが鼻を突く。


 


「こっち……奥に、研究棟があるの」


 


 セリアが震える声で呟いた。


 


「……わかった。無理しないで、引き返す判断は俺がする」


「……ううん。行くよ、私も」


 


 その目には、もう以前のような迷いはなかった。


 


 俺たちは通路を進んでいく。冷たい石の壁。遠くから響く機械の唸り。

 やがて、地下の通路は左右に分かれた。


 


「ここからは二手に分かれるわ。こっちは研究データ、そっちは実験室」


 


 クロエが静かに告げる。


 


「合流地点は中央制御室。……生きて戻りましょう」


 


 そして──

 それぞれの運命が動き出す。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あとがき: 読んでくださってる皆さまありがとうございます!書籍化目指して頑張るぞ!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ