第2話 誕生から幼児期まで
週一投稿継続中。
魔界のとある集落。
ある時、そこに一人の魔族の男の子が生まれた。
その子はウノーと名付けられた。
家族構成は、父の名はファイザー、魔王様の下で一戦闘員として遠征しがちのため年2回、数日程度しか会えていない。
母の名はマァミ、父と同じく元戦闘員であり現在は引退して現在は子育て、集落の防衛隊員をしている。
兄弟は2つ上に姉がいて、名はクレア。
ウノーは前世の記憶、運野幸男の記憶を持っていた。
母をはじめとする大人たちの会話から、俺は魔族として生まれ変わったようだ。
見た目はヨーロッパ系の耳が長耳、エルフに近い感じか。
俺の父親は遠征のため出産には立ち会えなかったようだがあと数日で帰還予定らしい。
しかし、魔族とはいえ赤子。オムツ替えられたり、母乳を飲んだりするのは・・・。
ある日、俺の父親が返ってきた。
怪我もなく帰ってこれたようだ。
父が俺を抱っこしながら色々話しかけてくれた。
遠征での仕事内容、出来事、仲間と上司のこと。
敵対する魔族、魔物、人間、竜との戦闘と成果。
俺が生まれる前に大魔王が勇者に打ち取らてたこと。
魔界は一時混乱したが今は少し統制が取れるようになったこと。
父の長期休暇が明け、再び長期遠征へ。
そして長期休暇、長期遠征・・・それらを繰り返し時間が過ぎていったのであった。
離乳食、ハイハイから立ち上がり、言葉を発音、様々な成長とともに日々は過ぎていった。
人間や魔族の反乱軍からの襲撃もなく今では姉と年齢が近い友人達と共に広場で遊んでいた。
なお、この世界でも1年は約365日である。
魔族は1月1日で強制的に誕生日とし、年齢も1歳上がる。
俺は既に2歳になっていた。
さらに年月が経ち3歳になったころ、俺に弟ができた。
名はメンデス。
俺はメンデスとともに日々を過ごしていた。
姉は5歳になり、来年から魔族の学校へ入学するため集落から離れ集落の魔族の都市に行く頻度が増えていたので家にいない時間が多くなっていった。
家に帰ってきた姉の話では、入学のために測定やら健康診断や学校内の偵察やら色々していたようだ。
さらに日々が過ぎ、俺も5歳となった。
姉は学校へ入学し、長期休暇以外は家に帰ってこなくなっていた。
弟も既に歩けるようになっていて、広場で遊ぶようになっていた。
そして俺は集落から離れ、同い年の友人であるアイムとフレーク、引率者と共に集落から徒歩で数時間にある城下町に来ていた。
そこは魔王ミランゴ・フォーンの居城(魔王城フォーン)の城下町ミランゴ。
集落とは比較にならないほど魔族が多くいた。引率者いわくこの町は約100万の魔物がいるとの事。
城下町のとある一角、魔族の学校であるムーアアカデミーに着いた。
姉は授業中なので会うことはできなかったが、学校内を案内してもらい、そしてとある部屋へ。
ここに高性能で強さを測るスカウターがあった。そして俺たちはスカウターで測定した。
ウノー
戦闘力 F
気力 F
魔力 F+
術力 F
魔族の神の加護 F
アイム
戦闘力 F
気力 F
魔力 F
術力 F
魔族の神の加護 E+
フレーク
戦闘力 F+
気力 F
魔力 F+
術力 F+
パッシブスキル
魔族の神の加護 F、人間の神の加護 F+
戦闘力自体に大差はないが加護の状態を加味すると俺たちの結果はアイムとフレークは将来そこそこ有望らしいが俺はどうやら少しやばいらしい。
転生チート、残念ながら叶わず。聞いてた話と違う気がする。
たまに加護がないやつがいて、そいつらよりはましな程度の扱い、将来的に下っ端魔族の人生が確定らしい。
アイムは今は弱いが加護が強いので成長すれば将軍の直属の部下の手下くらいにはなれるかもな状態。フレークは魔族と人間の混血である。フレークのような混血児は稀に両方加護を持つこともあるらしい。この場合も成長次第でそれなりの戦士にもなれるかもとの事だった。
他の検査結果も異常はなくはとりあえずは全員入学できるとの事であった。
なお、引率者曰く、今年は俺たちと同世代にEランカーが複数いる、そこそこ優秀な年らしい。
魔族は弱肉強食が基本、目を付けられないよう忠告された。
・・・ここだけの話実は俺もEランカーだったりする。
両親や姉にも言われたが自分のステータスの詳細を他人に吹聴しまくったり、相手のステータスを強引に聞き出すのはマナー違反らしい。前世の女性の年齢や体重と似た感じかな?今日の味方は明日の敵もありうるこの世界ではステータスに関しては慎重に、との事だ。
さて、測定しきれなかった分を含む俺のステータスはこんな感じである。
戦闘力 F(E+)
気力 F
魔力 F+
術力 F
アクティブスキル
火炎魔法 F
パッシブスキル
魔族の神の加護 F
異世界の創造神の加護 A+(運の良さを上方補正、補正量はランダム、一定確率でラッキーパンチを自動発動。)
※この世界のスカウターの測定は異世界の加護の検出ができないのでスカウター測定での戦闘力は低く表示されます。
何故異世界の創造神?どういうことだろうか?
あの創造神への疑問はあったがそれは会う機会があれば・・・、それまで置いておくことにした。
前回と同様、今回の運はとても良かったので恵まれたスタートになっております。
来週も投稿予定。