第12話 7年生と生徒会活動
よろしくお願いします。
1月、俺は12歳になった。そして7年生になった。生徒会の初代広報になった。
生徒会の広報として初会議。主な議題は生徒会のメンバーの自己紹介、探索科と傭兵科の新教授、生徒会の活動日と授業選択についてであった。
生徒会長シゴージは学内唯一の戦闘力D+(俺は戦闘力Dが測定結果)で8年生からは戦闘学科を希望している。俺の喧嘩相手(いつもいつも喧嘩してるわけではないが)でもあった。
副生徒会長のイツッゴは気力だけなら生徒会No.1かも。戦闘力はD。ただし性格的に実力が発揮されてない感がある。将来は城下町で武器防具の商人を希望してるらしい。
会計ターザワは戦闘力Eだが計算能力と記憶力は学内No.1かも。将来は銀行員を志望。
書記ツオータはコミュニケーション能力は高いと思う。戦闘力E+。将来は魔界の他の国に行く事。
監査クッコウは学校の学生支援センターの職員。戦闘力E+。
俺の1年間の予定も決まった。1月~5月、7~11月の授業の予定はこんな感じ。
(①、②、③、④、⑤、⑦は強制登録、⑥は各自任意登録となった。)
1年間、授業でも生徒会で活動する形となった。
また、6月は他校の生徒会との交流会。
12月はイリア杯と呼ばれるイリヤ将軍が主催する国内すべて(+国外)の生徒会によるリレー対抗戦が行われる。
どの学校の生徒会も優秀な人材の代表であり、それらを競わせ国内外にアピールすることを目的とする。
①探検現場演習(生徒会も全員登録、生徒会メンバー5名の1チームで参加)
②探検現場演習(同上)
③休み
④生徒会活動(広報として活動。生徒会室で会議、全掲示板に張紙、放送室でアナウンスなど。)
⑤戦闘学(生徒会メンバー全員参加。生徒会はまとまって行動、生徒会長が残り全員をしごく)
⑥午前:休み 午後:商業魔法学、隊商学
⑦休み(生徒会活動予備日)
生徒会のメリットはなにより就職や進学にすごく有利になるらしい。
また、生徒会の権限は強く、特に生徒会長に対しては授業中でもよほどのことがない限り教授は口が出せない。
(生徒会長に対しては学校のスポンサーであるイリヤ将軍のみ処罰を与えることができる。ただし、校長は生徒会長に対し必要に応じて謹慎のみの処罰を与えることができる。)
学校内では人気者でモテるらしい。ホントカナ?
生徒会の対抗戦で活躍すればなお評価が上がるらしい。
そして授業も始まった。
生徒会の探検での探索は地獄であった。いや、個人的には地獄ではなかったが。
前衛:生徒会長シゴージ、中衛:3人、後衛:俺
中衛3人がとにかくひどかった。いや、あの3人は探検現場演習は初だったので仕方ないが。
足遅い、泣き言が多い、戦闘でも戦うどころかパニックになってる、鑑定や収集能力もイマイチ・・・、生徒会長が怒る、なんで俺がいさめてるんだろ?
まさかいくらなんでも、探検の演習でチームとしてまともな形で機能するのに数ヶ月かかるとは・・・。
戦闘学では生徒会長は鬼軍曹として俺たちをしごく、いや、俺にとってはそんなにしんどくはないがあの3人は最初の10分でへばってるぞ。
副生徒会長、あんたは戦闘力Dだろ?もっとしっかりしてほしい。
3人がへばって休憩中は生徒会長と俺は組手という名の喧嘩をしている。俺は生徒会長のストレス発散係じゃないぞ。そこの3人、休んでないで早く替われ。
それにしてもあいつ、戦闘力D+らしいが実際はCであってもおかしくないんじゃないか?俺でさえボコボコにされるんだが。
そう思いながら例の3人と入れ替わりで休憩してる俺であった。
そして6月に。某日、ミランゴ城の大会議室にて全国生徒会が行われた。
参加したのはイリヤ将軍、ムーア第6、第45、イリア第1~第4までの生徒会の全メンバー。
自己紹介、各生徒会の活動アピールの実績、今後の活動予定、12月のリレー対抗戦の概要、日程の説明など。
基本的な発言は生徒会長がするので俺の出番はほぼなかった。(自己紹介と用意した資料のセッティング、生徒会長に助言など)
あと、城内の訓練室にて模擬戦が行われた。
模擬戦はイリヤ将軍のもとで行われた。副生徒会長が参加するのが暗黙の了解、副生徒会長イツッゴは震えながら参加した。
秒で壁のお友達になり、床にキスをしていた。
その後学校に戻り、生徒会対抗リレー競技について学校に戻り生徒会室へ打合せとなった。
第34回生徒会対抗リレー競技
開催日:12月10日
場所:城下町ミランゴ南西の特設会場
参加チーム8チーム
ムーア第6、45
イリヤ第1、2、3、4
国外ゲスト ムーア第1、ジュラン第1
歴代優勝回数/過去参加回数
イリヤ第1 15回/33回
イリヤ第2 4回/33回
イリヤ第3 1回/20回
イリヤ第4 0回/ 0回
ムーア第6 9回/33回
ムーア第45 1回/33回
ムーア第1 2回/ 5回
ジュラン第1 1回/ 5回
優勝記録は総合最速記録第29回のイリア第1の4時間5分32秒(総合最遅記録第4回のムーア第6の4時間53分19秒)
総合標準タイム6時間
総合タイム7時間30分を超えると失格。
ルール
襷を渡していくリレー。襷を落とすと失格。
召喚は③、⑤の区間のみ使用可能、1体のみ。
召喚された者等のみの競技参加は不可。
区間参加者以外の入場はできない。
各区間ごとに別途定めるルールを守る事。
①2,000m走
1チーム1本ある平均台。
ひたすら真っ直ぐ2,000mを走る。
ただし幅30cmの平均台の上で。平均台から落ちる、飛行禁止の為1秒以上どちらかの足がついてないとスタートからやり直し。滑りやすい区間、風が強い区間などがある。
この区間のみ参加者同士の攻撃は禁止、失格。全区間中もっとも簡単な区間なので別名【生徒会最弱王決定区間】と呼ばれる。
歴代最速記録はイリア第1の9分44秒。優勝ライン(過去5年の優勝チームのタイムの中央値を基準)は12分以下。
②1,000m刈りモノ走
こちらは背丈ほどある魔雑草の中をかき分けながら進むコース。この雑草は無毒だがまとわりつくので刈りながら進む事になる。①と同様に飛行禁止。窒息し意識不明になると失格。
この区間のみ魔法の使用は失格。武器の使用は指定の短剣のみ可。地味に失格者が出やすいので別名【魔の区間】と言われている。
歴代最速記録はムーア第6の25分58秒。優勝ラインは28分以下。
③空中飛行10,000m
野良のワイバーンの群れが生息するエリアを飛行。スタートで飛行してからゴールするまでに墜落や地面に接すると失格。
イリヤ第3が参加してからこの区間だけは区間トップを取り続けることから別名【イリヤ第3の区間】と呼ばれる。
歴代最速記録はイリア第3の33分3秒。優勝ラインは38分以下。
④大玉転がし
重さ1,000kgの大玉を距離1,000m、スタートとゴールの標高差50mの上り坂を転がす。
大玉がスタートより後ろに行くと失格
力自慢が集うので別名【剛力の区間】と呼ばれる。
歴代最速記録はムーア第1の1時間2分35秒。優勝ラインは1時間15分以下。
⑤洞窟内探索走
地上から洞窟に入るところがスタート。
洞窟内は最初らほぼ直線だが途中から入り組んでいる。魔物が生息。
反対側が出口となりそこがゴール。
別名はもちろん【エース区間】と呼ばれる。
プロの探検隊の最短最速で1時間かかる。ゴールできるが歴代最速区間記録はイリヤ第1の1時間31分24秒。
優勝ラインは1時間47分以下。
以上から遅くても合計タイム4時間30分を切らないと優勝は狙えないと考えられる。
また、難易度は①はすごく簡単、②は何とかできる、③は飛行能力が必要、④は力とスタミナが必要、⑤はアンカーで生徒会長区間とも呼ばれる。
よって順番はこのようになった。
①会計ターザワ
②書記ツオータ
③俺
④副生徒会長イツッゴ
⑤生徒会長シゴージ
目標タイム
①12分
②30分
③35分
④1時間 8分
⑤1時間45分
合計4時間10分
これでいけば優勝もしくは3位以内は確実である。
7月にはまだ早いが早速練習開始となった。
①の対策は体育館の梁を利用。落ちても死なない程度の高さであったが落ちると大怪我するが。あと体幹トレーニングらしきものを重点に鍛える。
②の対策は短剣で芝刈りの練習。ネットなどで体に巻き付かせて切る練習。あとは体力トレーニングなど。
③の対策は俺は召喚で飛行の練習。上空で狙撃練習、上空で防御の練習、重りをつけて飛行など。
④の対策は1,000kgの練習用大玉を生徒会で購入、グラウンドも特設し、ほぼ毎日グラウンドで玉転がし。
⑤の対策は実際のコースの地図を基に探検現場演習で似たような洞窟を探し、そこで生徒会長一人往復しタイムを計測。
8月に一度、①~⑤で模擬競技をやってみてゴールできたタイムの合計は7時間47分であった。
生徒会長は激怒、特に④で3時間以上かかったので副生徒会長はボコボコにされた。
(生徒会長も2時間40分以上かかってました。)
それからは探検演習は生徒会長の特訓をメインになった。
探検に関して一番経験がある俺が洞窟の選定し、俺が生徒会長を指導していた。
学園のグラウンドなら生徒会長は俺より強い、しかし狭くて足場が悪い洞窟内だと生徒会長の機動力と剣の実力が発揮できてないので俺が勝つ。
今も生徒会長をボコったので洞窟内で気絶してます。
あと、洞窟内は慣れてないと方向感覚がおかしくなるのでそのあたりも実戦で克服するため洞窟内で生徒会長を追いかけまわしたりしました。
俺は俺で戦闘学、休みの日でメタドラと飛行訓練。
あとの3人は空いた時間を利用して自主練に明け暮れていた。
そして気付けば12月になった。
総合タイム的には5時間は切れるくらいにはなったと思うが・・・。
12月10日、特設会場。
ここに第34回生徒会対抗リレーの開会式が始まった。
選手入場から始まりイリヤ将軍、ムーア第1アカデミー校長、ジュラン特別大使の挨拶が終わり選手は各スタート地点へ。
俺のチームの第1走者は会計ターザワ。スタートダッシュ、ペース配分ともに良くミスがないまま(目立った活躍、ハプニングなく)第2走者へ襷を渡した。
区間タイム、合計タイムともに13分19秒(1位のイリア第1とは2分24秒差)、区間順位5位(全8チーム中)、総合順位5位(全8チーム中)で襷を繋いだ。
第2走者のツオータ、大苦戦しながら前進、魔草の締め付けで一度落ちかけたがなんとか第3走者の俺に襷を渡した。
区間タイム41分56秒、合計タイム55分15秒(1位のムーア第1とは11分31秒差)、区間順位7位(全8チーム中)、総合順位6位(全8チーム中)。
第3走者の俺、メタドラの背に乗り、区間を飛翔。ワイバーンを撃墜しながら他の走者を狙撃で妨害し前進。
区間タイム34分47秒、合計タイム1時間30分02秒(1位のムーア第1とは11分09秒差)、区間順位2位(全8チーム中)、総合順位4位(全8チーム中)。
第4走者のイツッゴ、イリヤ第4随一の剛力炸裂なるか、順調に大玉を転がしていった。他チームの妨害にあっても大きなロスはなく前進。
いつもの臆病さは無く、形相から鬼神のごとく前進していった。。
区間タイム1時間09分28秒、合計タイム2時間39分30秒(1位のジュラン第1とは12分32秒差)、区間順位3位(全8チーム中)、総合順位4位(全8チーム中)。
第5走者のシゴージ、生徒会長同士の決戦。泣いても笑ってもこれで決まる。結論から言うと最初の頃よりは順調に進めるようにはなってたが力及ばず。
区間タイム1時間59分01秒、合計タイム4時間38分31秒、区間順位5位(全8チーム中)、最終の総合順位5位(全8チーム中)。
総合順位
1位 イリヤ第1 合計タイム4時間16分57秒
2位 ジュラン第1 合計タイム4時間20分09秒
3位 ムーア第1 合計タイム4時間25分42秒
4位 ムーア第6 合計タイム4時間34分54秒
5位 イリヤ第4 合計タイム4時間38分31秒
6位 イリヤ第2 合計タイム4時間39分22秒
7位 イリヤ第3 合計タイム4時間43分05秒
8位 ムーア第45 合計タイム4時間53分56秒
区間賞
第1区間 イリヤ第1 区間タイム10分55秒
第2区間 ムーア第1 区間タイム32分43秒
第3区間 イリヤ第3 区間タイム33分24秒
第4区間 ジュラン第1 区間タイム1時間05分16秒
第5区間 イリヤ第1 区間タイム1時間44分49秒
失格、脱落なしでチームの結果は5位(個人のは2位)。誰もが初参加で総合4位になれるとは思ってなかった(最下位予想が多かった)ようで
学校に戻りちょっとしたお祭り騒ぎとなった。
後日、俺はムーア第6アカデミーの校長室に行く事になった。
ここの生徒会も参戦していたのでここの校長トレリ・ムーアも見学していた。
そこでイリヤ第3の学生並の飛行能力を持つ俺を見て興味を持ち、調べてみたら4年生まで在籍していた事が分かったので呼び戻す形で8年生から10年生まで
在籍しないかと俺に尋ねてきた。
この学校に空挺科などはないが商学部傭兵科で飛行訓練はできるらしいのでどうでしょうか、と。
俺は家族と相談、学校の格はムーア第6の方がすっと上で就職も有利になる事と実家からはムーア第6の方が近いのでこの学校に通うことにした。
こうして俺は8年生からは再びムーア第6アカデミーで過ごすことになった。
次回投稿は2ヶ月ほど空きます。
8/23(土)投稿予定。
外伝も投稿予定(7~8月の間に数話程)
魔族に転生、運も実力の内!? 設定などの説明、外伝
よろしくお願いします。




