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うっちー編 短編 親子

◆ある年

戦乱の中で生田家、佐野家両家の結婚式が行われていた。新郎の名前は敦、新婦の名前は蘭子と言った。

めでたく敦と蘭子は夫婦となり、仲睦まじく過ごしていた。


◆もどかしい思い

生田夫妻は、いずれもバックラーの男と女であった。戦闘組織に加わりたかったのだが、上下関係などが多少面倒と考え、それを見送っていた。

しかし、2人に容赦なく戦闘への意欲が沸き上がる。バックラーだけでは、戦えないというのに。

どうしようもない思いを、2人はお互いで埋めあった。


◆2つの

生田夫妻は、数年の間を空け、子宝に恵まれる。第一子長女の空と、第二子長男の一樹を大切に育てていた。

すると、子供たちにアビリティの気配が。そして、ハルバードの属性だとわかる。

さらに、子供たちも戦闘への意欲が高まっているようで、夫婦は、家族で戦闘組織を立ち上げ、沸き上がる戦意を散らすことにした。

そして、必要はなかったが、戦闘組織の真似事をしたくなり、アツシ、ランコ、ソラ、イッキというコードネームを自らたちにつけた。


◆家族での

好き勝手に他を攻撃する子供たち。それをバックラーとして守る夫婦。

幸せだった。

しかし、子供たちは、すぐに飽きてしまう。それを夫婦は、許さなかった。

いつしか、ソラとイッキは嫌々ながら戦闘に向かう日々を過ごすことになる。


◆囚われる

そんな日々を過ごしていたある日の出来事。ソラとイッキが「スティール」に捕まってしまった。

自分たちではどうすることも出来ず、アツシとランコは自宅に帰ることしか出来なかった。

置いていかれたソラとイッキは、あれだけ嫌がっていた両親が恋しくなり、両親の元に帰りたいと思うようになった。


◆帰る

1ヶ月程度の時間が過ぎたある日、ソラとイッキは、2人で帰って来た。何でも「ユーロ」なる戦闘組織に助けてもらったと。その中で、ももらというお姉さんとうっちーというお兄さんが良くしてくれたと言った。

この1ヶ月は、夫婦の戦闘への意識を変えた。戦闘より、子供たちの方が大切だと気づかされた。

アツシとランコは、「ユーロ」の拠点を探し、感謝と戦闘からの完全撤退を宣言した。


◆離れる

空と一樹は、ももらとうっちーと友人となり、めいっぱい遊んでもらった。

しかし、親子は、「スティール人質事件」の一件により、お互いにお互いを失いたくないという思いが強くなり、疎開を決める。

その決定は、空と一樹の年上の友人との別れを意味していた。両親と友人の間で揺れる思い。

嫌々ながら行き、泣きじゃくった別れの挨拶の日、ももらとうっちーから言われたきっとまた会える、絶対に会おうという約束で救われた空と一樹は、両親と共に疎開していった。


◆月日が経ち

空と一樹は。無事に大人になった。何気なく購入した雑誌に「敏腕弁護士を支える人」という特集が組まれていた。「大内法律事務所」の代表弁護士、大内昇二を支える事務長、大内美結が紹介されていた。

その美結の顔写真は、空と一樹に衝撃を与えた。

あの年上の友人のももらと見受けられたからだ。そして、「大内」から、うっちーを連想した。調べると、資格の必要がない職員を「大内法律事務所」が1名募集していた。

いてもたってもいられず、空も一樹もそれに応募。

その履歴書は、美結と昇二にも衝撃を与えた。だいぶ大人になり、面影が多少なくなってはいたが、間違いなく名前からソラとイッキだと。

美結と昇二は、急遽2名の採用を決め、生田空と生田一樹を「大内法律事務所」に迎え入れた。

涙の別れの時の約束が果たされた瞬間だった。

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