蒼虎編 短編 署名
◆驚き
「グローバル・バンダリズム」は終結した。ももら改め百木美結は、「ユーロ」解散後、その「ユーロ」での経験を生かす仕事をしたいと、医師になる決断をする。
それから、猛勉強をし、医大に合格。入学を果たす。
その日、大学に行く前にチェックしたニュースに驚きを隠せなかった。そこには、「ユーロ」のリーダーであった蒼虎の顔写真があったのだから。それに釘付けになる美結。写真の傍らには「渡辺隼被告」と名前が。そして、その渡辺被告に死刑が求刑されたとあった。
◆大学内
姿を消した愛する蒼虎の名前を知り、自分は渡辺隼という男性を愛していたのかと美結は思ったが、「死刑」という字に動揺が止まらない。
そんな中ではあったが、いつものように大学へ。しかし、動揺は続き、講義が頭に入らない。
学生仲間から心配されたが、うまく説明出来ずにその日は帰る時間となってしまった。
◆決意
美結は、日を経るにつれ、なぜ「グローバル・バンダリズム」を終結に導いた「ユーロ」のリーダーが死刑にならなければいけないのかと怒りにも似たかなしみが強くなる。
次第になんとしてでも隼を助けたいと思うようになった。
そんなある日、「渡辺隼被告」の死刑が確定。「渡辺隼死刑囚」となってしまった。
美結は、決意した。隼がどんな人なのかを世の中に訴えることを。そして、死刑の撤回を求める署名活動をすることを決める。
◆集結
美結は自分1人では活動が出来ないと、「ユーロ」元メンバーたちの力を借りることにした。
すると、元メンバーもそれぞれの時期、方法でリーダー蒼虎改め渡辺隼が死刑囚になってしまったことを知ったという。
再びその話でリーダー以外の元メンバーが集まり、美結が思い付いた署名活動をすることにした。
◆訴え
医大での勉強と署名活動の2つに全力投球する美結。やがて、仲間の力もあり、署名は目標を達成。関係機関に提出を完了した。
その結果を待ちながら受けた医師国家試験に美結は合格。研修医として歩みを進め始めた頃、吉報が届いた。
◆再会
署名は特例で早期の審査などが行われ、関係機関がこの件に関しての再検証を行った結果、恩赦に値するとして隼に対する刑の執行免除が決定された。
美結は喜び、仲間にも連絡。仲間たちも一様に喜んだ。
そして、隼の釈放の日、美結は仲間と集まって刑務所の前に立っていた。すると、隼が出てくる。
「リーダー、釈放おめでとうございます。私の愛するリーダーが帰って来てよかったです。」
美結は泣きながら隼に抱きついた。
「ルーキー、その気持ちはありがたい。応えていいか?」
美結は更に涙を流し、勿論、と答えた。




