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第四章 生まれ変わったとしても
ついに、その日が来た。
今日は手術の日。
緊張する。
でも、そばには類先生がいる。
「大丈夫だ。俺もいる。絶対成功させよう。」
「うん。頑張ろうね。」
執刀してくださるのは榊原先生。類先生は第一助手として加わってくれる。
全身麻酔を打たれて、私は眠りに落ちた。
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「これから手術を始める。メス。」
「はい。」
「メッツェン。」
「はい。」
さすがは榊原先生。病院内でも一二を争う名医だ。見事な手さばきだ。
…!
「患者、バイタル低下しています!」
「くそっ…!」
「すぐに輸血の準備!」
「はい!」
『誰よりも寄り添える、そんなお医者さんになりたいです』
結ちゃん…!なんとか持ちこたえてくれ…!
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夢を見た。類さんと私とソラと子供たちの。
幸せな家庭を築いて、笑いあっている私たち。
海の浜辺で夕日を眺めている。
「ずっとこんな日が続けばいいな。」
そうだね。
「ワン!」
安らかな夢は続く。
それは、まだ私たちが知らない物語。