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人生と草生通して初の自活

良くわからないけど魔法あるらしいですよ、この世界。

しかも、いきなり無詠唱。


水撒きを一区切りさせて、途中だった(エクイップメント)をどうにかする作業に戻る。


葉っぱポンチョは動くと不安定なので、穴をいくつか開け脇腹の横で蔦を通して結んだ。

一時的にはこれでいいけど、最終的にはどうにかしたい、がしかし糸や布の作り方とかテレビでみたり、ラノベで読んだりしたくらいなので不安が残る…まあでもだ、入院していると昼は教育番組か相撲しか見るものなかったから少しは詳しいかな、ラノベの生産職物のネタでうまく行ったら紹介文を書いて星も進呈したいね。


そういえば抜け殻というか抜け草はどうなったのだろうと、かつて自分だったモノをチェック。

見るも無惨に茎からひしゃげて倒れている。

おかげで薹の部分が下がってきているので種をつけた鞘がよく見える。

自分、思ったほど種を多く実らせない品種だった模様、種が姉弟なのか子供なのか微妙、今のところ姉弟としておこう。

「これ食べられるのかな?でも食べちゃったら共食い以上の何かだよね、きっと…」

心なしか種が怯えたような気がする。

「大丈夫、大丈夫、今のところはお腹空いてないし」

宥め賺すような言葉を吐きながら直径1cm位の黒い種が詰まった鞘を回収して葉っぱでくるむ。


「ところで食べる必要ってあるのかな…口が付いてるってことは食べられるはずだけど」

そうこうしているとハミングバードが眼の前を通過していったので、ついて行ってみる。

「そういえばハミングバードって呼ぶの長いな、スピカって名前つけとこう、おーい、スピカでいい?」

ハミングバード改めスピカは蜜を求めて狂ったように飛び回っていて気づいていないっぽい。

「ネームドになっても、クラス進化とかしないのね…」

一瞬スピカが振り向いて目線が合ったような気がしたけど、すぐに花に頭を突っ込んでワタワタしていた。


暫く追いかけっ子状態を続けていたら、半透明の赤い実をたくさんつけた低木にたどり着いた。

スピカは実に目もくれず花に首を突っ込んでいる。

「食べれるのかな…」

少し躊躇していたらスピカが顔を出し、少し上から目線のような感じで「スピスピスピピ」と鳴いてまた花に顔を突っ込んだ。

「ここは自分持ちなんで遠慮はするなと?まぁチャレンジしてみますか…って?食べられる人や実に聞いてからにしようか」

食べてもいい?と願いながら光の粒を出してみると『主と共になるなど光栄にございます』みたいなすっごい丁寧な感じのメッセージを貰う。

「ワタシってなんか凄い存在とかなのかなぁ…では遠慮無く頂かせてもらいましょう」

色合いが熟していそうな実を一つ摘んで頬張る。

程よい酸味と甘味とトロピカルなフルーツの香りが鼻を抜ける、アセロラほどのクセもなく温州みかんのような甘さと酸味、結構なお手前でございますと感激。


スピカの行きつけの場所を何か所か回って今のところ飢え死にしないことがわかった。


日が陰りだすと大きな木の根元に連れて行かれる。

クスノキのような大木にはウロがあって自分が寝られる位のスペースあった。


「やっぱ、スピカってコッチのことわかってるっぽいなぁ」

肩に止まっているスピカをじっと見つめ「スピピ」と誇らしげに鳴いたかと思ったら「スピーー」と寝落ちしたので慌てて手で抑えながらウロに入る。

ウロの床には菌糸でフカフカになった幹のおが屑があった。

横になったら菌糸達が水分を吸収しながら場所をどけてくれたらしく快適そのものだった。

横たわると根っこ通信が復活したので一安心。

スピカと種の兄弟達を枕元において寝ることにした。

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