不思議生物だらけな世界
昨日ウロに帰り着いたはいいけど、真っ暗で何も見えない状態。
仄かに甘い香りがしたのでバナナもどきが熟成されたのだろうと予想。
とりあえず寝ることにしたのを受けての今朝です。
薄曇りで朝焼けは見えず、体を横に曲げる運動で気合を入れる。
「さぁ今日もがんばるよ~ご兄弟様と、ぱんぱん「スピッスピッ」と」
バナナもどきを確認すると、果肉の周りに小さな茶色い結晶がそこかしこに光っている。
触ってみると石のように硬い、爪で引っ掻いて舐めてみる。
「甘い!砂糖?なのかな?またしてもチートアイテムゲット?」
バナナもどきの下のおが屑に濡れたところがあり、スピカがチロチロ舐めている。
「スピッスピッスピッ」とかなり勢いがいい。
指で舐めてみるとこちらも甘い。
「結晶化しない糖が落ちたのかな?」
バナナもどき本体を少し齧ってみると、内側はヌルヌルした成分がなくなって硬めの甘くない薄い黄色のクッキーというかブールドネージュみたいで、外側の結晶の甘さが引き立つ。
「うん、これはいける」
『どやっ』っとばかりに白い綿毛が光の粒を出す。
『最高のできだよ』と感謝の光の粒を振りかけると喜んでいた。
「バナナもどきは量産化決定として、水飴成分を受けるお皿を作らないと、バナナもどきの実を取ってきて昨日の続きをやるかな、よし今日の日程も決定」
スピカを頭に乗せて本日も出勤。
キンギョソウの種からできた実を確認しに行くと、実の内側で何かが少し動いているのが見えた、シルエットから蜘蛛っぽい。
「蜘蛛にキンギョソウの種を植えたら蜘蛛ができるってオカシナ世界だわ…どういう原理なんだろう…まぁ自分が言うのもなんだね、思いっきり大根から生まれたし、しっかし成長すんのはやくね」
どうやら出てこようとしているみたいなのでしばらく様子を見ることにした。
実もしくはフクロタケのてっぺんのつなぎ目みたいに見えるところが割れてきて、中から白い蜘蛛の複眼の付いた頭が出てきた。
「おぉ白くて少し透明で花みたいで綺麗…んん?」
頭が全部出て来るのかなと思ったらでっかい角みたいな何かがついていて引っかかってる。
「キモっなんか変な器官ついてる?」
蜘蛛は心の準備を待ってくれずに一気に体を外に引きずり出した。
「うぎゃぁぁ…おっ?」
ビローンと頭の上から巨大な角が伸びている…のかと思ったら人型のなにかだった。
「えっと…これは…アラクネ?でいいのかな?」
蜘蛛と人型の何かはセミが羽が乾くのを待つかのように体を起こしてじっとしている。
人型の顔が人形みたいに可愛い、カメオみたいに透き通っていて、今にも壊れそう。
30分ほどすると蜘蛛の白い体に緑色の網目のラインが浮き出てきた、緑のラインは人形の根本の体側で合従し二本のラインとなり、そのまま人形の体側に沿って真上に登っていき脇の下あたりで三つ葉のクローバーみたいになって終わっている。
「キモいから可愛いへの心象的変化って気づいた瞬間に起こるもんなのね…これはかわいいわ…」
「スピッスピッ」っとスピカが頭をつつく。
「おーごめんごめん、スピカもかわいいね、なでなでと…」
さて、このアラクネをどうしようか?と考えていたら、こっちを見て片方の前足を上げながら尻をふるエモートをしている…中の蜘蛛は夏一緒に頑張ったハナグモのまんまっぽい、人型の顔は無表情だけどさ…
「なんと アラクネが おきあがり なかまになりたそうに こちらをみている?でおk?」
指を差し出すとスタスタ登ってきて肩に陣取る。
「アラクネが なかまに くわわった。…と、末永くお願い致します」
ペコリとお辞儀をする。
スピカは「スピッスピピッ」とマウントを取ってるっぽい鳴き方をしているがアラクネは馬耳東風って感じ。
「さぁて、いよいよ異世界さが増してきました、このアラクネがそのうち神様になるってシナリオだったりしてね」
アラクネが「ないない」って感じで前足を振ってる。
「おツッコミもいける口なのかな、またそのうち何か手伝ってもらおっかな」
前足を片方だけ高く上げて親指を立てた感じに見える。
「んじゃ、ご飯探しの旅にいざ「スピピピ」参らん」




