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秘伝カムイと黒耳シェロ ④


 解答は誰の目にも憶測の域をでないことが現時点で明白である。

 しかし、これはまだ幼い二人の少年のやり取りである。

 シェロの出した、「天才クイズ」をカムイが解きたい気持ちが見えている、そんな状況であった。


 一生懸命、想像を巡らせる。

 そこに何らかの可能性があるのだとすれば、その可能性を順序立てて、理屈づける必要があるのだ。

 「これだけでは、まだ解答としては不十分」。

 説明不足だと伝えてやれば、カムイも再度、熟考して答え直したかもしれない。


 シェロにもう少しの包容力があれば、その会話は好転していたかも知れない。

 このやり取りが二人のマイブームで、カムイが受賞した祝いだと言うのなら。

 もっと楽しめたかも知れない。


 出題者となれば、シェロはその答えを持っているだろう。

 ゆえに多少の優越感も生まれてくる。

 早く、カムイに正解を出して欲しい焦りがあるのだろうか。


 そして、シェロはヒントの継ぎ足しをした。

 カムイにしてみれば、意地悪されているようにも感じていることだろう。

 カムイは自分の推理を推した。

 

「でも警察は可能性があるなら、必ず疑うじゃん」

「話に信ぴょう性があったなら……というよりも」


 なぜ話が隣人の家に行くのだ。

 チッ! 

 カムイが天然ボケをするのでシェロが思わず舌打ちをした。


「その可能性を疑ったのは警察じゃなくて、カムイ君、きみだよ」


 カムイの説く可能性の中に登場する警察は、実在していない。

 勿論、クイズである以上は、その答えも限りなく仮定の話になるが。


 シェロは出題が書かれた羊皮紙をすでに手渡している。


 カムイ自身の推論に、カムイ自身が執着しすぎるとシェロはその可能性を否定的に捉えようとする。



 なにかしら急ぐ必要でもあるかのように。


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