秘伝カムイと黒耳シェロ ②
期待通りの対応がかえってきたのでデレっと鼻の下を伸ばした。
それなら喜んで受けるとカムイはいった。
シェロはひとつ年上なので、たまに小難しい話をすることがあった。
なんとか理論とか、なんとかの法則とか。
勉学の追い付いていないものは嫌だと、カムイは心配したのだ。
シェロはそんな意地悪問題ではないから、気を楽にしようという。
長年の付き合いで、その反応を知りながら、一度は嫌がる振りをするのだ。
わりと甘えん坊なのだ。
そして、それならば安心だと。
カムイはチャレンジ精神はあるよ。と顔にそう書いて見せるのである。
ジャンルを問うカムイにシェロは、「まあ、出題するからよく読んでね」と。
カムイは素直に、「うん」と返事を返した。
シェロは、一枚の羊皮紙に黒インクのペンで書かれたものを差し出した。
羊皮紙は大きさが限られているため、あまり長文を認められていない。
また同時に解答用の白紙のものも、傍に準備しているようだ。
白紙のものは書き損じにもそなえて、複数枚用意されていた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【黒耳シェロの天才クイズ】
少年がひとり部屋のなかに居た。
少年はある空想をしていた。
空想の内容は、殺人事件だ。
少年の頭の中で殺人事件が起きた。
すると少年は、現実の世界で110番通報をした。
すぐさま警察隊が出動してきた。
警察官たちは、他殺の線で捜査に乗り出した。
さて警察はなぜ、殺人事件の捜査を始めてしまったのか?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇