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加藤良介 エッセイ集

転職案内のCMから見えたコミュニケーション能力についての一考察

作者: 加藤 良介

 先日、車内でTVから流れてくるCMを見ていて、ふと思ったことを書いてみます。

 

 えーっとですね。

 転職サイトのCMだったのですが、若い社員さんがぼやきます。


 「会社は挑戦しろとは言うが、実際にはやらせてくれない」


 先輩社員さんが言います。


 「俺はいいと思うんだけど、上が許してくんないよ」


 だから転職しよう。ウチを使ってね♡ 

 見たいな内容だったのです。


 まぁ、言わんとするところは分からんでもないが、私的には少々悪質なCMに思えました。

 別にコンプライアンスに反するとかはないのですが、大きな誤解を与えかねない内容でしょう。

 どこが問題なのか、分解してみましょう。



 「会社は挑戦しろと言う」


 これは、よく聞きます。

 私も何度か聞きました。言わない会社のほうが少ないでしょう。



 「実際にはやらせてくれない」


 これも私の実体験として経験があります。

 社会人のありふれた日常の一コマですよね。

 だからと言って、この事で転職しても事態は改善しないでしょう。

 なぜか?

 答えは簡単ですよね。

 

 「転職先も五十歩百歩だから」です。



 このCMの流れから言えば、彼が行うのは転職ではなく起業です。独立です。

 これならば自身の裁量で好きに挑戦できますからね。

 

 ではどうして、会社は挑戦させてくれないのか。

 この段階で半分答えが出ました。察しの良い方は、もう分かられたと思います。


 それは、

 「お前の安易な思い付きを、どうして会社の資本を使って実現しなきゃならんのよ。失敗した時の責任が取れないでしょうが。君」


 これが会社の言い分です。(たぶん)



 挑戦はしてほしいのですが、会社が望んでいる挑戦は、そういうもんじゃないのよね。

 遊びでやっているんじゃないんだから、彼がぶち上げたプランに明確なメリットがない限り、お金は出せませんよ。

 たとえ、社員一人が頑張ったとしても、その社員の人件費を払うのは会社です。成功するまで無給でいいのであれば、やらせてくれるかもしれませんが、普通に法律違反です。

 常識的な思考回路の持ち主であれば止めるでしょう。


 では、どうやって挑戦を実行までもっていけばよいのでしょう。

 方法は二つ。




 ① すさまじいプレゼンを展開して、上層部を実力で納得させる。


 優秀な社員であれば、これで十分です。

 緻密な資料に、説得力のある弁舌。自信に満ち溢れた堂々とした態度。ルックスも大事です。思わず「うん」と言いたくなるような雰囲気作りも欠かせません。


 さて。皆さんにはできますか?

 私は実行したことがあります。

 自慢になりますが、成功したこともあります。

 ですが、毎回ではありません。当然です。


 たくさんの資料を作って、弁論にはそこそこ自信があるので、堂々と上層部にアピールしましたけど、駄目なときは駄目。

 「そういうことじゃねぇ」と、注意されたことすらあります。

 優秀かつ実績のある社員なら、この道を通ってください。

 私の打率は三割程度です。(些細なプレゼンも含めての印象)



 ② 根回しをする


 実に日本人的解決方法です。

 そして、これが今回の本題です。


 プレゼンが全軍突撃の正面突破なら、根回しは謀略、諜報、外交戦に当たります。

 こう書くと大層に聞こえますが、簡単に言えば「人付き合いをうまくする」です。

 

 CMの例でいえば、挑戦の話を先輩にしても仕方ありません。

 なぜならこの人には実力がないからです。

 挑戦したいのであれば、社内で実力のある人に話を通しましょう。実力ない人に話すだけ、時間の無駄です。

 話を通すだけでは足りません。

 偉い人にいきなり話しても、右から左でしょう。

 ですから実力者と個人的関係を作って、信頼関係を構築しなくてはなりません。

 すなわち、コミュ力勝負なのです。

 

 (。´・ω・)。えーっと。私はこれに全く自信がありません。

 ですから馬鹿の一つ覚えで、正面突破を試みて、跳ね返され続けております。


 信頼関係の構築の仕方は、ケースバイケースですので割愛します。私自身、良く分かっていませんしね。


 一緒に飲みに行ったり、同じ趣味を作ったり、休暇返上で仕事に打ち込んだり、自分は役に立つとアピールしてみたり、実に様々な手法があるでしょう。


 実力者との信頼関係が構築できれば、プレゼンのための資料集めなんて時間の無駄です。

 「〇〇君が言うのであれば」で、話が終わりますからね。


 ( ̄▽ ̄)//まさに最強。

 うらやましいを通り越して、普通に尊敬するわ。


 要するに、コミュ力は仕事力よりも大事ってことですよ。

 昔からそうですけど、これからはコミュ力が更に求められているような気がいたします。

 仕事の能力なんて、所詮、相対的な指標にすぎません。

 頑張っても、ちょっと優秀な人になれる程度です。

 ごく稀に、どちゃくそ優秀な人がいますけど、比べるほうがおかしいと思います。たぶんDNAが違うんですよ。

 同じように頑張るのであれば、コミュ力に振ったほうがコスパはいいでしょう。

 コミュ力が不足している私が言うんですから間違いありません。皆さん伸ばすのであれば、断然コミュ力です。共感力です。


 ( ̄▽ ̄)//机上の名将はお呼びじゃないのよ。



 最強のコミュ力ですが、いいことばかりではありません。

 たまに、会社で不祥事を起こす人がいますが、多くがコミュ力の高い、上層部に信頼されている人に思えます。

 信頼されているからこそ、監視がおろそかになり、結果として被害が拡大するのでしょう。


 私の場合は「あいつはヤベー」と、バッチリ監視されておりますので、逆に被害は軽微かと。

 (/ω\)自慢にならねぇ。

 ちなみに私は上司から「加藤君は〇〇(会社名)のソクラテス」と呼ばれたことがあります。

 一見、偉大な思想家と同列視されてはおりますが、明らかに誉め言葉でありませんよね。ソクラテスとビジネスしたい人がいるとは思えませんし。

 これは残念ながら、口先だけのろくでなし野郎と言われたのに等しいのです。

 (´・ω・`)ショボン。


 しかし、ソクラテス呼ばわりされて、ちょっと嬉しい自分が、私は大好きです。

 まぁ、悪口でも、ソクラテスを引き合いに出されたら、悪い気はしないのも確か。

 出世もしないけどね。( ̄▽ ̄)//ニャハハ。


 


 結論。


 ・転職する前に、コミュ力をつけよう。


 ・仕事の能力よりもコミュ力の方が有用。


 ・どっちも持ってたら、自慢してヨシ。あんたは最強。


 以上でございます。



                終わり

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[一言] 興味深い考察でした。 コミュ力高める方がコスパ良いというのは、確かに実生活でも感じる場面ありますね。 評価って人がするものだから、人と接点が多い方が評価される機会が多く、評価点も甘くなりがち…
[一言] ・信頼関係を構築 結局これだよなあ。 時間が無限にあれば全ての提案を精査したいけど無理だから、信頼無い人はそもそもプレゼンに参加できない。 強いて言うなら皆がまともな資料作ってくれれば精査…
2022/08/29 13:26 退会済み
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