七話
アクセス数は間違いでした。表示回数が1000を超えてるだけで、実際に読んでくださった方は250です。大変申し訳ないです。
「そういえば、リムって吸血鬼だよな?」
俺はゆで卵の殻をむきつつ聞いた。
「うん、そうよ」
「それっぽくないよな。実際のところ牙が生えてる人間にしか見えないし」
リムはムッと顔を膨らませる。
「失礼ね、普通の人間に蝙蝠に変身とか出来る?」
無理難題なことを言ってきた。
「それは人間じゃないよな」
「そういうことよ」
「伝承や本だと、吸血鬼は太陽の光を浴びると死ぬとか、招かれたことの無い家には入れないとか、銀や十字架やにんにくが苦手とか、流れる水がダメとか、鏡に映らないとか言われてるけど、実際はどうなんだ?」
俺は思い当たる吸血鬼のイメージを聞いてみた。
「太陽の光で死ぬのは『下層吸血鬼』だけ。そして、招かれたことの無い家には入れないというのは本当」
「じゃあ、どうやってこの家に入って来たんだ?」
「あなたが招いたじゃない」
リムは何馬鹿なこと言ってるのと言う顔でオムライスを食べてる。
「じゃあ、他の事はどうなんだ?」
「アレは小説だけの話。それに、吸血鬼は不死身じゃないわよ」
「そうなのか?」
「ええ。心臓を刺せば死ぬし、肉体にダメージが蓄積されれば無論死ぬんだから」
ゆで卵の殻をむきながらリム。
「あ、でもほぼ不死身な吸血鬼は昔いたわよ」
「マジか」
「私たちの始祖といわれてる『カイン』は死ぬことが出来なかったそうよ。最後は私たちの『世界』の『抑止力』が働いて消えちゃったけどね。やっと剥けた」
リムは実においしそうにゆで卵を食べ始める。
「最後に質問」
「ふぁに?」
「吸血鬼は普段どうやって血を集めてるのだ?」
「蝙蝠になって血を吸ってるの。こうすれば、『世界』の理から外されないの」
「血だけ吸ってたら良いんじゃないのか?」
「食事は食事。血を吸う行為は人間で言うとことの・・・、生命維持かな。人間が酸素をなくされると生きていけないのと一緒。食事をすることを欠いても、血を吸うのを欠いても私たちは生きていけないの」
「生命活動に必要な行為なのか」
「うん、解ってもらえた?」
じゃあ、血の代用品というのがあったらそれで吸血行為を無くせることができるのか?
そんな疑問を残して夜は更けていった。
『カイン』の伝承はとあるサイトにあったオカルト的な捉え方の話を私が独自にアレンジした話です。実際には違うかもしれませんので、ご了承ください。