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五話

アクセス数が500を突破。早い早いよ読者さん…

「なぁ、こんなことは良くないと思うんだが・・・」

「私、もう我慢できないの。私に頂戴」

「あ、あぁ。あ・・・」

ええっと、いやらしいことを考えてしまった殿方、申し訳ございません。いかがわしいことをしているわけではございません。このことを説明するために話を4時間ほど巻き戻します。




「つまり、この家に住むってこと?」

「うん」

あっさりとまぁ。空き部屋は無いけど当分使わない部屋はいくつかあるが・・・。じゃない。

「あのな、俺は男なんだぞ」

変な虚勢をはって脅してみる。

「大丈夫よ。私たちにとって人間って糧でしかないの。それに以前住処にしてたところには居られないの。お願い、ここで居させて・・・」

なっ、最初の言葉は許せないが最後の言葉とその上目遣いは俺の急所を軽くえぐった。年は俺より一つ二つくらい下で容姿は美少女といっても過言ではない。パッチリとした黒い瞳と肩まである黒い髪。だめだ、心が負けそう。

「だ・・・、ダメだ。人一人養えるほど俺も余裕は無い」

「そう。じゃあ、発想を変えて、私を飼ってみない?」

今なんとおっしゃった?俺の中学時代の友人Mなら「いやっほ〜」と叫びそうな台詞を言わなかったか?

「か、飼うって・・・」

「家に居る時は蝙蝠の姿で居るから。それなら問題は無いと思うのだけど・・・、ダメ?」

くっ、ここでおねだり光線?か。だが、ここで断らないとだめな気がする。

「だったら蝙蝠の姿で野宿すればいいだろう?なにも家にこだわらなくても・・・」

だが、その抵抗は無駄だった。机が音も無くバラバラになっていた。

「しつこいわね。あなたは私の意見を拒否する権利は無いの。私を家に招き入れた時点でね。さぁ、この机みたいになりたい?それとも、土色の変死体になりたい?」

パッチリとした黒い瞳はいつの間にか狂気を孕んだ真紅に染まっていた。

「わ、わかった。部屋は客間を使ってくれ」

「いいの?やった〜。ありがとね」

無邪気に感謝をする。だが俺の頭にはしつこく残っていた。さっきの真紅の瞳を。

「俺に拒否権は無いけど、いろいろしてもらうことがあるからな」

「ん、なになに?」「家事は交代でしてもらう。出来ない家事があったらあらかじめ言ってくれるか?」

「うん、特に出来ない家事はないけど」

「最後にもう一つ、物を壊すのはやめてくれ」

「・・・わかった」

即答してくれ・・・。

「さて、話し合い?も終わったし、自己紹介だ。俺は蒼青碧だ」

「バーリム・C・マーカー。リムでいいよ」

「まぁ、不本意だがこれからはよろしくな」

「こちらこそ」

その笑顔は、今まで見てきた女性の笑顔より奇麗だと思ってしまった。

「さて、晩飯はどうするか・・・」

「あ、作っておいたって言ったのに・・・」

そういえば、そんなこと言ってたな。

「じゃあ、それをいただきます」

そして、夕食を済ませて風呂に入って家事の諸々をやった後に寝ようと部屋に戻ろうとした時にリムに呼び止められて現在に至る。



「ふぅ、ご馳走様」

口元を拭くリム。その口元からは少し長い牙が見えていた。当の俺は少し貧血気味でふらふらする。

「前に吸ったときも思ったけど他の血の味とは違う。珍しい味だわ」

「そりゃ、どうも・・・。もう寝ていいか?」

俺は部屋に入ろうとしたが、

「ところで、あの壁にかかってるあれは何?」

俺の部屋にあるのはパソコンと、コミック多数と、壁にかかってるとあるものだ。

「あれって・・・、ああ日本刀か。俺の高校卒業の記念品。自作したやつだ」

「ニホントウ?」

「剣の一種だ。この国で昔から作られた刃物だ」

俺は壁にかかってる日本刀を下ろして鞘から出す。ちなみに焼きいれをまったくしていないので正確には刃物ではない。どっちかと言うと薄い鉄板。

「そんなものよく学校で作らせてくれたね」

「いや、先生に無理言って頼んで作ったものだ。結構な自信作だしな」

「ふ〜ん。それじゃ、おやすみ」

「ああ、おやすみ」

名前の由来を書きたいと思います。

「青蒼碧」夜と言えば黒のイメージがありますけど、私の場合は暗い青です。今作は夜の住人の話なのでこんな名前になりました。

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