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二十一話

更新がかなり遅れがちです。そして、スランプが続いています。

『森と〜泉に〜か〜こ〜まれて〜静かに眠る〜♪』

「はい」

「おう碧、元気にしてるか?」

「ああ、してるよ。それより、俺に隠してることがあるんじゃないか?」

俺は口調を強めて電話の相手に問う。

「さすが、我が息子だ。勘がいい。それに関しては、家で話そうじゃないか」

「はい?」

「明日、母さんと一緒にそっちに行くから。年末年始くらい自宅でゆっくりしたい」

「・・・・・」

「それじゃ」

電話は切れてしまった。

「今度は誰からだったんだ?」

職場の主任が興味本位で聞いてきた。

「ええ、海外出張の親が帰ってくるんです」

「そうか、ところでだな・・・」

「言わないでください。気にいってるのですけど、友人のほとんどは知りません」

「そりゃ、そうだろう。むしろ知ってるお前が怖い」

会社の人からは若者らしくない若者と言うイメージを与えてしまったようだ。

(まずいな。明日リムたちにどこか出かけてもらったほうがいいかもな・・・)





「ただいま〜」

「「「「おかえり〜」」」」

待てコラ。声が4つ聞こえたぞ。

「ちょっと、待て〜や!!」

着替えずにリビングに入ると、そこには見慣れた人物が4人居た。うち二人は人外で、うち二人は

「お、親父。明日じゃなかったのか?」

「善は急げだ。まぁ今日から年始まで家でゆっくりさせてくれ」

もう何もいう気にもなれない。




親父の急な帰宅でリビングはてんやわんや。お袋はリムと一緒につまみをつくり、それをクレアが運ぶ。そして俺と親父がつまむ。なぜ、こんなにマーカー姉妹と親父達が仲がいいかと言うと、向こうの『世界』ではマーカー家は親父の世話になったことがあるらしいからだ。

「で、俺に話したいことがあるんじゃないか。ここははっきりさせてもらうぞ」

親父は俺に20年近く隠し事をしていた。そのことをはっきりさせよう。そう思い切り出したが。

「そうそう。お前今年度で21だろ」

「それが?」

「彼女はいないのか?」

「居ない」

キッパリと答える。

「それなら、いっそリムと付き合えば?俺が手助けしてやろう」

また意味の解らんことをいいだした。リムは聞こえていないのだろう。料理に夢中だ。

「もう、酔っ払ったのか?」

「まさか。まだ日本酒5合くらいだろ?」

十分酔うにはもってこいの量のはずだが・・・。

「とりあえず、始めから説明してくれ」




「まず、お前は『ホムンクルス』だ。それも吸血鬼の遺伝子を持つ特異のな」

「それは、書斎の手帳で知った。なんでも『カイン』とか言うやつの細胞を混ぜたとか」

親父はお猪口の中身を流し込む。

「ああそうだ。まず、『ホムンクルス』の寿命がどのくらいか説明しておこう。最高10年だ」

「じゃあ、俺はなんで20まで生きてるんだ」

「話の腰を折るな。説明してやる。俺も長く錬金術を向こうの『世界』で研究してた。俺が向こうの『世界』の出身と言うのは知ってるな」

「ああ、リムから話を聞いた」

俺もお猪口の中身をのどに流し込み、親父のお猪口と自分のに注ぐ。

「お、悪いな。それでだ、『ホムンクルス』の研究例は限りなく0に近いが、0じゃない。その資料では最高で10年は生きてた。だが、最低は1時間も無かった」

「かなりの短期間だな」

「俺はある仮説を出した。『カイン』の細胞はいかなる病気に耐性をもち、怪我もすぐに治る。それを『ホムンクルス』に加えるともっと長生きできるのでは?と」

「それで、研究は成功したと」

「ああ。生まれはどうあれお前は俺にとっての最愛の息子だ。愛してるぜ、我が息子よ」

そう言うと俺のお猪口に酒を注ぐ。

「きしょいわ」

俺は親父の親愛を感じながらお猪口の中身を流し込む。






「そういえば、どういった経緯で知り合ったんだ?吸血鬼と人間?ではなかなか会うこともできないだろう?」

俺は夏の新月の話を親父に聞かせた。

「やはり、出会ったのは新月の日か」

「何か理由があるのか?」

これ以上アルコールを摂取したら話が出来なくなるのか、親父は水を飲んでる。

「ああ、新月の日はこちらの『世界』で吸血鬼が唯一完全な力を発揮できる日でもある。お前の中にある『カイン』の細胞が吸血鬼を寄せ付けてしまう可能性があるからな。『カイン』は吸血鬼と同じ波長を持ってたらしいからな。それが原因だろう」

「それでも、今までにも新月の日の夜出歩いたことがあったのに、なぜだ?」

「きっかけがあるはずだ。思い出せ。研究のレポートにまとめるから」

「おい!!」

親父はどこまでいっても研究者だった。俺はその日変わったことを思い出す。今までは無かったけどその日だけあったこと。確かその日は・・・

「あ、アルコールだ」

「アルコール?今飲んでるじゃねぇか。もっといるのか?」

「いやいや、そんなボケいらないから」

親父の珍しいボケに戸惑う俺。

「その日飲み会だったんだ。アルコールが入ったせいで吸血鬼を呼び寄せてしまったのか?」

「なるほど。それが一番有力だな。さて、飲んでいられない。お前の研究・・・もとい成長記録を書いてくる」

親父は千鳥足で書斎に向かう。

「おい、いま研究って言わなかったか?俺はあんたの息子だろ?」

「息子兼研究対象だ。今度、血液採取もするから」

「くそ親父!!」

「「「うっさい!!!」」」

その後テレビを見ていた女性陣にこってり怒られた俺と親父だった。しかし、まだ波乱は続きそうだという俺の予感はまだ続く。

今は書き溜めてたのをちまちま投下していますけど、在庫が無くなれば一気に更新が遅れるでしょう。やばい・・・

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