二話
少しずつ投稿します。ヒロインの登場はもう少し先です
朝起きてすぐにトイレに向かった。吐き気を催したからだ。10分くらい吐き続けて気づいた。
「こ、これが二日酔いってやつなのか・・・」
まさにそのとおりである。酒を飲み始めて誰もが一度は経験する「二日酔い」それを現在進行形で味わうのであった。
「おはようございます」
二日酔いくらいで会社を休むわけには行かない。がんがんする頭を抱えながら出勤したが・・・、
「お、昨日はお疲れさん。その様子だと二日酔いになったみたいだな」
一人の社員が気遣ってくれた。
「はぁ、初めてです。こんなに頭が痛くなるのは・・・」
「そりゃそうだ。ところで・・・」
俺はロッカールームから顔を出す。
「今日お前は休みだぞ」
「え・・・」
「まぁどうしてもと言うのなら仕事を頼むけど、休日に仕事しても給料は出んけどな」
出勤簿を見てみると確かに休みと書いてあった・・・。なんじゃそりゃぁ。
家に帰る。そこには誰も居ない。当然だ。両親はしょっちゅう海外で仕事してるから家を空けてるし、兄貴も居るけど3年前に県外に就職してそのままだし。実質家の管理は俺一人でしてるわけだ。
「それにしても、頭が痛い・・・」
洗濯物を干そうとベランダに出ると一本の物干し竿に一匹の蝙蝠が止まっていた。
「珍しいな・・・」
俺はためらい無く指を出して顔をつつく。
「キィーキィー」
めっさ威嚇してきた。しかし、威嚇してるけどなんだかかわいい・・・。
物干し竿が占拠されてるので仕方なく他の物干し竿に干すことにした。基本的に少なめなので事足りた。俺は家事が一段落するたびに物干し竿の蝙蝠を見に行く。そして指でつつく。やっぱり「キィーキィー」と威嚇はする。俺はそんな姿を見て和む。気がついたら夕方になっていた。20回目のつっつき。蝙蝠は威嚇することをやめてされるがままになっていた。
なんだか勝った気分だ。
夕食を済ましてベランダを見る。やはり蝙蝠が物干し竿に止まっていた。一日中止まってるみたいだ。よく見れば、この部屋を監視するかのようにこちらを見ていた。
「まさかな。蝙蝠の目はほとんど見えてないらしいし・・・」
結局俺が寝るまでその蝙蝠は動かなかった。
二日酔いになったら、スポーツ飲料を飲むといいらしいです。早く回復させたい場合は寝ることです。少しでも寝れば体調は良くなります。感想や評価は励みになりますのでお願いします。