十七話
少々展開が強引な気がしますけど、許してください。
冬到来。むしろ、今年が終わりそうな時期が来た。俺は年賀状を書き上げてポストに出すまでの段階までこれた。真が来訪してから大分立つ。が、アレから真から連絡が来ない。
「あいつも忙しいのだろうな・・・」
無理も無い。お互い仕事を持つ身だからな。
『く〜も〜り、ガラスの向こうは風の町〜♪』
この着信は友人からだ。ディスプレイを覗き見ると真からだ。
「はい、仕事中だから手短に頼めるか?」
「ああ、悪いな。今日晩飯でも食わないか?いつもの場所で」
「わかった。まぁ、前回は悪かったな。今回は俺のおごりで良いよ」
「お、いいね。楽しみにしてるよ」
「じゃあな」
俺は通話を切る。
「今度こそこれか?」
社員の一人が小指を立てる。なんだかデジャヴを感じる。
「いえ、学生時代の友人からですよ」
「そうか、ところで・・・」
「なんですか?」
「お前の着信音をわかる人いるのか?」
「さぁ。俺は好きですけどね」
俺はリムに夕食無しの連絡をとることにした。
「ただいま〜」
俺はいつもの場所で真と夕食を取った後すぐに帰宅した。いつもならリムが返事をするのだが・・・。
「いないのか・・・。今日は新月だったか・・・?」
夕刊の月齢を見てみるが新月までは半月ほど時間がある。
「どこか、出かけたのか」
たまにフラっと出かける時があるから深く考えないことにし、戸棚からインスタントコーヒーを取り出してお湯で溶かして飲む。一息ついたところでベランダに干してある洗濯物を取り入れることにした。ベランダに出ようとしたら後ろから物音が聞こえた。黒いワンピースと背中まである黒い長髪が特徴の女の子だ。そしてなにより驚いたのは、俺の知ってる人物に似ていた。彼女は俺の存在に少しびっくりした様子だが、そのまま近づいてきた。相手が不法侵入なのを注意しようと声をかける。
「お嬢さん、どうしてここに居るのかな?」
「うふふふ」
いきなり抱きついてきた。まさか、本日二度目のデジャヴ。
「いただきま〜す」
無邪気そうな声で俺の首筋に牙を立てて、血を吸うのだった。
「この辺には、いないのかな。あの蝙蝠は確かに・・・」
私はここ最近胸騒ぎを覚える。
「まぁ、家に帰るとしようか。碧も帰ってるだろうし」
玄関を開けてリビングに入る。そこには
「あ、碧!!」
リビングに碧が倒れていた。顔色は土気色。
「何があったの、ねぇ。起きてよ」
私は抱き上げて揺さぶる。ふと首筋に二つの丸いあざを見つけた。
「これは私がつけた牙のあとじゃない。私より幼い吸血鬼・・・」
首筋を観察していると急速に血の気が増えたように肌の色が戻っていく。吸血鬼の私でさえここまでの回復力は持っていないのに。
「うっ」
「気がついた?」
「近くに・・・、居る」
「えっ」
碧はすぐに起き上がると部屋に入っていく。部屋から出た時には模造刀を持っていた。抜き身で。
「あ、碧?」
ベランダに出て跳躍する。その姿は人間からかけ離れすぎている。そして私は見てしまった。碧の瞳が金色に変わっていたのを。
「ま、まずいわ。止めないと・・・」
私もベランダから跳躍する。そして、碧を探すのだった。
ちょっとスランプ気味です。でも、がんばりますので応援よろしくお願いします。