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十二話

ここから少し展開が変わります。

季節は秋。食欲の秋、運動の秋でもある。俺たちは必死に町内を走り回ってる。

「そっちに行ったぞ。リム、今度こそ逃がすな」

「わかったわ。にしても、速いよ・・・」

「知るか、お前のせいだぞ。人の休みを無駄にしやがって・・・」

事件は10時間程前までさかのぼる。




「俺はちょっとタイムセールスに行ってくるから。1時間で戻る予定」

「ん〜」

「解ったな?」

「ん〜」俺は返事?を聞くとそのまま出かけた。それが事件の発端になろうとは・・・。



「碧〜どこにいるの〜?」

私がおきたら誰も居なかった。書置きも無かったし。一人だと寂しい。私は碧の部屋にあるコミックを見つける。

「ジョ○ョも全巻読んだし、どうしようか・・・」

暇つぶしが出来るものを探す。客間の隣の部屋。碧の両親が使ってた部屋だ。

「そういえば、書斎におもしろそうな本があったっけ」

がさがさと音を立てて探す。そこにあったのは、「あったあった。これで暇がつぶせそう」

事件発生まであと30分。



「いや〜、タマゴがいっぱい買えた買えた。今日はオムライスにしようか・・・」

俺は今日の昼飯のレシピで頭がいっぱいだ。

「ちょっと、待ちなさいよ。じっとしてって。あ、わぁ〜〜」

家の中から騒がしい音がする。物が倒れる音とか、リムが叫ぶ音とかだ。

「おい、隣のとこまで聞こえてるぞ。静かに・・・」

「あ、ドアを開けちゃダメ」

「へ?」

「クヶ〜〜」

何か得体の知れない物体が俺の買い物袋にタックル。そして逃走。

「碧、どうしてドアを開けるのよ・・・。碧?」

袋を確かめる。一パック一円(1000円お買い上げごとに一円)のタマゴが全て粉砕。

「ジョ、ジョニー(卵の名前)。お、お前ら・・・」

俺は無惨に割れてしまった卵達の生存者を探すが、まさかの全滅だ。

「ジョニー?」

「リ〜ム〜、何してくれるんだ。むしろ何したんだ?言え、さもなくばこのタマゴを頭からかけて火をつけるぞ!!」

「ちょ、ちょっと。怖いって。あ、あのね、私碧の両親の部屋に入ったの」

「それで」

「前に入ったときに見つけた本があったからそれで遊んでたの」

「ほうほう」

「その本には『ゴーレム』の作り方がかかれてたの」

「はいはい」

「で、一人だけで寂しかったから、作ったらこんなことに・・・」

「そうかいそうかい」

家の中はそれなりに荒れていた。リムが捕まえようとしたけど逃げられて追いかけっこ状態になったのが原因だろう。

「わ、わざとじゃないよ。でもどうしよう・・・」

「わかった」

「え?」

とりあえず俺はリムの頭に拳骨をしておくことにした。

「うううっ、痛いよ・・・」

「吸血鬼だろう、そんなに痛くないはずだ。それより、その『ゴーレム』どうするんだ?むしろ何でそんな本が書斎にあるんだ?」

俺はかなりいらいらしてきた。

「それは・・・わからないけど、『ゴーレム』を倒す方法はあるの」

「どうするんだ?」ここから話が長くなるのでここで俺なりにまとめてみる。つまり『ゴーレム』の額に『emeth』と書いてある紙を『meth』に変えればいいらしい。

「ずばり、そういうことだよ。さすがだね」

とりあえず、もう一回拳骨をしておいた。

「簡単に言うけど、どうするんだ。あいつ見た限り80センチ近くの大きさしかなかったし、速かったぞ」

実際のところ速い。俺自身もよく目を凝らさないと見えないくらい速い。

「そこで、私が捕まえる役をする。だから、捕まえたら『meth』と言う字に変えて」

「追いつけるのか?」

「吸血鬼としての力を少し使えば大丈夫」

そういうと俺に抱きついてきた。

「おい、何のまねだ?」

「血を頂戴」

「ま、まてって。いっだ〜〜〜」以前吸われたときはあまり痛みが無かったが今回はかなり痛みが走る。血がどくどく抜けていくのを感じる。足元がすこしふらつく。

「これでちょっとの間なら力を発揮できる。さて、捕獲作戦開始だよ」

俺は少しふらつく足を無理やり奮い立たせるのであった。


後半に続く?

この話で出てきたゴーレムの話は有名な話だと思ってます

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