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丙午の巫女 ‐後書‐
私が村に取材に来たときは、鈴鹿の命日に行われる祭事一日目の直前だった。当日私も白装束の巫女さんとその行列を間近で見たが、60年という間隔が、それぞれの世代に対して祭りの新鮮味を感じさせているようで、きっと村の人たちそれぞれの一生の思い出となり、風化したり形骸化したりすることが防がれているのだと、深く感じ入ったのを覚えている。
紅葉の命日の方は取材対象ではなく、個人的に時間を作って行きたかったが、恥ずかしながら、生憎金欠でそれは叶わなかった。いつ死ぬともしれない今では少し後悔が残っている。
次の祭りは5年後か…。もし生きていたら、是非両日とも、行ってみようと思う。