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第235話:VS教祖。


「仕方ない……注意して進むぞ。でも絶対無茶はしない事」


「分かってるのじゃ。しかし無茶をしてでも教祖を倒さねば帰る事もままならんじゃろう?」


 ラムの言う通りだ。

 どっちみち詰んでる。


 この状況を打開するには、教祖を始末するしかないのだろう。


「そうだな……やるしかない。かなり厳しい状況になっちまったが手伝ってくれるか?」


「聞くまでもないのじゃ♪」


 頼もしいお嬢様だぜ。

 一応戦う手段は考えてあるが……。


 ラムの手を取り、奥へ奥へと進む。

 途中魔物に襲われる事もあったがやはり大した強さの魔物は居ない。


 この状態の俺だったらこんな程度の奴等で十分だとでも思われているのか?

 だとしたらさすがに舐められたもんだな……。


 しかし砦で戦った大司教クラスがあと二人、そしてギャルンかもしれない教祖が一人……纏めて出てきたらどうしようもねぇぞ……。


「あの方の言う通り本当にこんな所までやってくるとは……余程死にたいらしいですね」


 大広間程ではないが広い空間に出た所でそんな声が響いた。


 警戒しつつ辺りを見渡すと、正面にある長い階段の上から白いローブを着た人物が降りてきた。


「今更人間のフリか? もう意味ねぇだろ」


「ふむ、確かにそれもそうですね。あの方の為に貴方達にはここで死んで頂きます」


「あの方、ってのは……ギャルンの事か?」


 奴は白いローブを脱ぎ、中年男性のような姿になるが、すぐに身体が変貌してなかなかにグロテスクな見た目に変わる。


「その通りだ……だが、貴様などの口からその名前が発せられるのは許しがたい。神罰を下してやろう」


「けっ、何が神罰だ。神にでもなったつもりか?」


 魔物は俺の身長の二倍程もある身長、身体からは妙なぶにぶにした突起物が生えていて、身体を埋め尽くしている。その身体はうっすらと発光していていた。


「私が神……? おこがましい……。我が神はギャルン様のみ。今や貴女は我が神の力により能力を封じられているのです。おそるるに足りませんね」


「なるほどな、じゃあ教祖はやっぱりギャルンって事か……」


「その名を口にするなと言っているだろう! ……ランガム教はギャルン様を神と崇める教団であり、我が教祖キリークである」


 ……どういう事だ?

 ギャルンを崇める宗教って時点でランガム教も、こいつもろくでもねぇのは分かったが……。


「大司教二人はどうしたのじゃ!」


「……エルフの小娘か。お前の事は聞いていますよ」


 キリークはラムを見下ろしながら下衆な笑みを浮かべた。


「今頃二人はお前らの仲間を始末しに行っている頃でしょう。回りくどい結界など張りおって……しかし、それも既に見破っています」


 俺の手を取るラムの手に力がこもる。


 心配なんだろう。俺もそうだ。

 こいつらラムの家を既に突き止めている……。


 イリスとレナがいるからそう簡単にやられる事はないと思うが、ヨーキスには大司教は荷が重いだろう。


 砦で戦った奴くらいのが二人行ってるとなると、イリスが上手く立ち回らないと犠牲者が出るぞ……。


「お前が教祖だっていうなら好都合だ。テメェだけ始末すれば万事解決って事だからな」


「今の貴女に負けるとでも? この私が? 笑わせないで下さい」


「うるせぇ。やってみりゃ分かるだろ」


 こいつが教祖だというのであれば大司教どもより強力なのはほぼ確定だ。

 それをママドラと記憶の助力無しで倒すならこちらも立ち回り方を考えなければいけない。


「ラムちゃん、魔法でサポートしてくれ。俺が行く」


「……分かったのじゃ」


 そこから先は小声で伝える。


「俺がどれだけ負けそうでも慌てるな。合図をしたら……」


 ラムに作戦を告げ、剣を抜く。


「さぁ、やろうぜ。レベル82冒険者の力見せてやんよ」


「愚かな……!」


 俺が距離を詰め、思い切り剣を振り下ろすと、それをキリークが腕で防ぎそのまま俺を弾き飛ばす。


 やっぱり普通の剣じゃ皮膚すら切る事が出来ないか……。


 体制を整え着地すると、既に目の前にキリークが迫っていて、振り下ろされた腕をかろうじて横に飛んでかわす。


 思ったよりも早い……! でかい図体してる癖に機敏じゃねぇか。


 俺に再びキリークが迫るが、その背中に雷撃が落ちる。


「ぐっ……!」


 ラムか……! いいタイミングだ!


 一瞬キリークがラムの方を睨んだ隙をついて奴の顎を蹴り上げる。

 僅かにのけ反ったその喉元に、俺はストレージから取り出したディーヴァを思い切り突き刺した。


 ずぶりと皮膚、そして肉を突き刺す感触が手に伝わる。


「ラム! 今だ!!」


「了解なのじゃっ!!」


 俺がこのタイミングで声をかけると予想していたらしくラムは既にこちらに駆けだしていて、キリークが俺の攻撃に呻きをあげる頃にはラムがディーヴァに全力の魔力を流し込んでいた。


「うがぁっ!?」


 ディーヴァに力が満ちる。

 俺は一気に喉元から腹部まで切り裂く。

 炎の魔力を流し込まれた刀身が赤く染まり、まるでマグマでも噴き出したかのようにキリークの身体を内側から吹き飛ばした。


「っ……!! や、やはり……あの、お方が気に掛けるだけの、相手と……いう事か」


 爆発の起点が腹部だったからか頭部と片腕はまだ消滅せずに残っていた。

 喉切られてるのによく喋れるなこいつ……。


 しかし。


「これで終わりだぜ。力が制限されてるからって甘く見たのが運の尽きだ」





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