2話:森のお祭り*1
しばらく餅屋をやった後。時間も頃合いになってきてしまったので、皆と別れて、貴族の人達が集まるパーティ会場の方に向かう。
ライラにはけらけら笑われて見送られて、アンジェには頑張ってね、と素直に応援されて、カーネリアちゃんは餅を食べながらにこにこ笑顔で見送ってくれて、リアンには『まあ……なんつーか、色々諦めて頑張れよ』と、何とも言えない言葉を貰った。うう……。
……貴族用のパーティ会場は、森の北側にある。
南は一番人が多いところだから、ちょっと賑やかで……ちょっとうるさい、ということになって、それで、人気の少ない、静かな北側に会場を設営した。
会場は僕が描いて出した。
石材でできた柱と、その柱の上のドーム状の屋根。ドームの中央には大きな天窓。そして、柱の間には桐の木を植えて、桐が柱に混ざって茂る、森っぽい造形にした。
屋根の下には屋根同様に円形に、大理石のタイルを敷いて、その上にはガーデンパーティらしく、ちょっとカジュアルなデザインのテーブルと椅子を設置。奥の方には演台を設けてあるから……僕は、そこでスピーチを……うう。
緊張しながら会場に入る。会場はまあ、庭みたいな造りだから、入場や退場が目立たないのはいい。
さて、後は、フェイか、ローゼスさん辺りを探して、傍に居るようにすればそこまで困ることもない、だろうか……。
「おや。君はローゼスのところのトウゴ君、だったね?」
辺りを見回してフェイの派手な赤毛の頭を探していたら、ふと、別方向から声を掛けられた。
「あ。サフィールさん」
「久しぶり」
僕に声を掛けてくれたのは、サフィールさんだった。ええと、ローゼスさんのお友達の。オースカイア領の人。天使の絵を注文してくれた……。
「元気にしていたかい?」
「まあ、なんとか……」
……魔力切れは元気な内に入るだろうか。ええと、入ることにさせてもらおう。或いは単純に、今現在は元気です、っていうことで……。
「そちらはお元気ですか?ええと、奥さんとお子さんも」
僕の話をしていると何日魔力切れ、とか、夜の国に拉致されていた、とか、何か月魔力切れ、とか、そういう話ばかりになりそうなので、サフィールさんの方の話を聞いてみる。
……あれ、でも、今日は奥さんはいらっしゃらない、のかな。まあ、小さい子が居ると、お屋敷を離れられない気もするけれど……もしかして、具合が悪いとか……?
「ははは……いや、妻は第二子を懐妊中で」
と、思ったら、おめでたい方だった!
それはおめでたい!素晴らしいことだ!……けれど、ああ、そうか、僕、1年近く、寝てたんだなあ、っていう実感が、深まっていく……。時間の流れって早いなあ。寝てる間に人の子はどんどん育っていくし増えていく……。
「おめでとうございます」
「うん。ありがとう。……多分、下の子も君の天使の絵がお気に入りなんだろうな。妻が天使の絵を眺めていると、元気に腹を蹴ってくるらしい。あまりに元気が良くなるから、とうとう妻の部屋に天使の絵を移した」
それは嬉しい。そしてちょっと照れる。
「ただ、それで、上の子が天使の絵を見るために妻が休んでいるところに行ってしまうものだから……また天使の絵を注文させてもらってもいいだろうか?」
「はい!勿論!」
「それは嬉しいな!よし、じゃあ、戻り次第すぐ、正式な注文を出すから、よろしく頼むよ」
ああ、こういう風に言われると……すごく嬉しい。
自分が描いた絵が人に気に入ってもらえて、こうして求めてもらえるって、何というか……うん。すごく嬉しいんだよ。なんだかさっきからずっと、嬉しい嬉しいばっかりになっているけれど。
「おや。サフィール。早速トウゴ君を捕まえるとはな」
そこに、ローゼスさんがやってきた。どうやら、サフィールさんの嬉しそうな声を聞いて、こっちに来てくれたらしい。知ってる人が増えると僕は安心する。
「ああ。折角だからまた1つ、絵の注文をお願いしたんだ。第二子誕生を祝って……いや、第一子がお兄ちゃんになるお祝いっていうことで。うん。そうだね。下の子が生まれたら、また別に注文させてほしい」
「ははは。気が早いな」
サフィールさんはちょっと浮かれ気味らしい。まあ、気持ちは何となくわかる。おめでたいことなんだから、たくさん浮かれてほしい。
……ところで。
「あの、フェイは?」
「ん?フェイか」
ローゼスさんに、そっと、聞いてみた。……やっぱり、知っている人が居ると安心するとはいえ、ローゼスさんもサフィールさんも、若干は緊張する相手なので……。
「すまんな。フェイは今、あっちの方でご婦人方に囲まれている」
「……うわあ」
けれど、フェイに会いに行くのは難しそうだ。フェイは今、綺麗なドレスを着た女性達に囲まれて、何か応対しているらしい。うん。あそこに行くのは、ちょっと……。
「そうだな。トウゴ君。もし、近くに見知った相手が欲しい、というのなら、君さえよければ私が一緒に居よう。だが、私もいつ、今のフェイのようになってしまうか分からんからな。かといって、サフィールと一緒に居ても浮かれた話を延々と聞かされるだけだろうし……」
ローゼスさん、良い人だなあ。流石、フェイのお兄さん、というかんじがする。
「おお、ローゼス。もっと僕の浮かれた話を聞きたいのかな?いや、勿論、友人たる君の頼みなら、存分に聞かせてやってもいいんだけれどな?」
「そうだな。まあ、それはまた後でゆっくり頼むよ。ええと、トウゴ君については……」
気持ちだけでも十分ですよ、と伝えようとしたその時。ローゼスさんはきょろきょろと辺りを見回して……ぱっ、と顔を明るくした。
そして。
「丁度いいところに。そこの騎士殿!少しいいだろうか?」
ローゼスさんが呼ぶよりも先に、鎧兜の勇ましい出で立ちの騎士が、大股に、僕らへ近づいてきていた。
「彼の警護をお願いしたい。心細いらしいからね」
「ああ。承知した」
鎧兜の騎士……ラオクレスは、僕を見てちょっと笑う。僕もそれにつられて、ついついにっこりしてしまう。
どうやら、ラオクレスは会場の警備を担当していたらしい。心強い!
ラオクレスが居てくれれば、不慣れなパーティ会場でだって、何もかもが安心だ!
「緊張しているようだな」
「当然だよ。緊張するなっていう方がおかしくないかな」
「はは。それもそうか」
それから、僕はラオクレスと話しながら、会場の隅の方で待機することになった。ラオクレスがちょっと壁になってくれているから落ち着く。僕は狭いところとか壁に囲まれたところが好きなんだよ。
「ところで、何か食わないのか」
ラオクレスは僕に気を遣って、そう聞いてくれる。
……会場には色々と軽食が置いてある。小さく切ったパンに野菜やハムが乗った小さなオープンサンドみたいなものとか、白身魚に枝豆衣をつけて揚げた奴にピックが刺さっていたりとか。立食で食べやすいように、それでいて華やかに、小さく綺麗に作ってある軽食が多い。それらは見ていて美味しそうだと思うし、綺麗だから描きたいとも思うのだけれど……。
「……緊張でお腹が空かないんだよ」
とてもじゃないけれど、今、何かを食べる気にはなれない。いや、だって、緊張してるんだよ、僕は。
「なら、飲み物はどうだ」
「……ちょっと欲しい」
けれど飲み物はちょっと、欲しい。お腹は空かないのだけれど、喉だけ乾いてきたというか……。
「そうか。なら……」
ラオクレスはちょっと視線を動かして、それから、近くのテーブルにさっと近づいて、ひょい、と飲み物のグラスを取って、すぐ戻ってきてくれた。すごいなあ。素早くて、でも威圧感の無い身のこなしだった……。
「これでいいか」
「うん。ありがとう」
早速、受け取った飲み物を飲む。……お酒じゃない奴をちゃんと選んでくれたらしい。多分これ、ジュースだ。爽やかな風味で、甘みは薄めだけれど結構おいしい。
「ラオクレスは?」
「一応は勤務中だ。終わってから頂く」
「そっか。じゃあ、終わったら沢山食べてください」
「そうだな。そうする」
なんだか僕ばかり申し訳ないなあ、と思いつつ、でも、ラオクレスの目はしっかりお酒の方に行っているので……それ以上何も言わないことにした。お酒を飲みたいなら勤務外でお願いします。
……そういえばラオクレスが飲酒しているところ、見たこと無いな。うん。酔っぱらったラオクレス、見てみたい気もする。折角のお祭りだし、そういうのを見られても、いいよね。うん。
「よお。トウゴ。楽しんでるか?」
「フェイ!」
それから少しして、フェイが僕らの方にやってきた。大股に近づいてくる姿は颯爽としていて、パーティ向けにいつもよりちょっとだけ派手な格好をしているのと相まって、すごく格好良く見える。描きたい。
「来てたんならすぐに話しかけに来いよなあ、トウゴー」
フェイに頭をわしわしやられつつ、でも、ちょっとそれには異議ありだ。
「だってフェイ、女性に囲まれてたから。邪魔したら悪いかと思ったんだよ」
「むしろ邪魔してほしかったぜ……」
あ、そういう……?
「今まではむしろ、『お話は楽しいけれど、能力がちょっとね』みたいな顔されてたのによー。色々来るようになっちまったんだよなあ。レッドドラゴンが召喚獣になってから……」
フェイはそう言って、なんだか遠い目をした。あ、うん、お疲れ様です……。
「……むしろ俺がレッドドラゴンなんだけどなあー、くっそー」
うん。ええと……お疲れ様です。
「しかし……うん、なんつうか、この森に居ると、美醜の判断、なんか狂ってくるよな……」
フェイはやさぐれつつ、僕の隣で飲み物のグラスを傾けている。どうやら弱めのお酒らしい。こういうところを見てしまうと、フェイって大人なんだなあ、と思ってしまう。
「寄ってくるご婦人方、全員、特に美形に見えなかったんだよな。これ絶対、森のせいだって。ほら、森って、綺麗どころばっかりだろ」
「特にクロアさん」
「おう。特にクロアさんな!」
うん。確かに、クロアさんを見慣れてしまうと、その、美醜の基準がなんか、おかしくなってくる、ような気がする。なんか僕もおかしくなってきてる自覚がある。美醜の判別がつくつかない以前に、クロアさんがあまりに綺麗だから、その、美醜にこだわりが無くなってきてしまうというか……。
「クロアは……確かに醜くはないが、そこまで美しいか?」
「ラオクレス!それは感覚狂ってるぞ!戻ってこい!」
「そうか……」
「そうだよ!クロアさんはラオクレスの肉体美と同程度には綺麗だ!」
「トウゴ!それも感覚狂ってるぞ!戻って……いや、こっちは元からか……」
フェイに何とも言えない顔をされた。失礼な。ラオクレスは綺麗だよ。すごく。名誉石膏像だから。
「まあ、クロアさんだけじゃなく、アンジェもライラもカーネリアちゃんも、美少女揃いだしな。インターリアさんも騎士なのに結構な美女だ。あと、レネとトウゴか。うん。更にラージュ姫もちょいちょい見てるから、ますます……」
「フェイ!そこにさらっと僕を入れるな!」
「お、悪い悪い。ついうっかり……」
レネはまあしょうがないとしても、僕までそこの枠に入れられるのは聞き捨てならない!
「そう複雑そうな顔するなよお。美形だって言われる分にはいいだろ?」
……そう言われても複雑なものは複雑だよ。うう……。
……それからもちょっと、なんだか複雑な気持ちになる話が続いたけれど、丁度良かったかもしれない。なんといっても、緊張は解れた。フェイはこれを狙っていたのかな。……いや、ないな。多分。うん。
「お。始まるみたいだぜ」
それからまた雑談をしていて……唐突に、フェイがそう言って、演台の方を見る。
演台には、フェイのお父さんが上っていた。きっちり正装した姿は、いかにも貴族、というかんじで、見ていて少し緊張する。いや、中身はいつものフェイのお父さんだし、フェイのお父さんは気さくな人なのだけれど……こういう姿を見ると、やっぱり、緊張する、というか。
「お集まりいただいた各地諸侯の皆様方に感謝申し上げる。遠路遥々、ようこそ。レッドガルド領へ」
フェイのお父さんの声は、ちょっと不自然なくらい会場に響いた。これに、会場の人達がちょっとざわつく。
……フェイのお父さんは、見慣れない道具を使っている。ほら貝みたいな形の道具だ。それに向かって話しかけると、隣に置いてある大きなほら貝の中から大きくなった声が聞こえてくる、という仕組みらしい。……ようは、マイクとアンプ?
「あの道具、俺が作ったんだぜ」
周りの様子を見て、フェイがにやりと自慢げに笑う。
「いつの間に……」
「そりゃ、お前が寝てる間だっつの」
あ、そうか。……10か月って、長かったんだなあ。
「この町ができて、もう1年以上になる。その間に数度にわたる魔物の襲撃や夜の国との交流、他にも様々な出来事があり、この町を皆様方にお披露目するのが遅れてしまったことにお詫びを申し上げると共に、今日、このように平穏な町で、記念式典を開催できることを非常に嬉しく思う」
フェイのお父さんはにこやかに挨拶を続けている。周りの人達はそれを聞きながら、にこやかに頷いていたり、或いは、油断なく周囲を見回していたり。……まあ、色々あるよね。
「……さて。大分遅れてしまいはしたが、本日は、この町……通称『森の町』に、正式な名を付けようと思う」
そして、ついにフェイのお父さんはそう言って……静かになる会場をゆっくりと見回して、それから……。
「この町の名前は、ソレイラ。古き、太陽の名前だ」
「空の上にある太陽に、暖かく優しく、この町を見守ってほしい。そういう思いで付けた名だ」
そっか。空の上の……。
……あの。も、もしかして、僕が『上空』だから……?
「よっ。これからも頼むぜ、精霊様!」
僕が気づいておろおろしていたら、フェイににやにやしながら肩を叩かれた。や、やっぱり……!
「勿論、今まで通り、通称は『森の町』ということになる。ただ、正式な書類などで『森の町(仮)』と表記するのは流石に躊躇われたもので……」
フェイのお父さんは笑いをとりつつ、そうにこやかに説明しつつ、ちょっと僕の方を見て笑った。森の……僕の町であることに変わりはないよ、というような顔だ。別に、いいのにな。そんなに気にしなくても。僕はこうやって、多くの人がこの町で森と仲良く生きていてくれるなら、それで十分なのだけれど。
「……ということで、今後ともソレイラ、通称『森の町』を、どうぞよろしく」
フェイのお父さんのスピーチおよび町の名前のお披露目は、盛大な拍手で終わった。
僕も沢山、拍手をする。
……こちらこそどうぞよろしく、という気持ちを込めて。
……さて。
ここまでは、いいんだ。いいんだよ。町の名前にわくわくできたし、明るい気持ちになれたし。
ただ……この後が。この後が!
「よし、トウゴ!行ってこい!」
「落ち着いてやれ」
「わ、分かってるよ……」
……いよいよ、僕のスピーチだ!緊張する!ひたすらに緊張する!
演台の上に立つ。皆が僕を見ている。緊張する。すごく緊張する!
……けれど、僕を見ている人達の中には、知っている顔も、いくつかあった。
フェイとラオクレスは勿論、ローゼスさんもサフィールさんも居る。あと、ドラーブ家の人も呼んだらしくて居る。ジオレンさんも居る。すごいなあ、フェイのお父さんの人脈……。
他にも、ラージュ姫もこっそり出席しているし、あと、いつの間にか、魔王が紛れ込んでいた!まおーん、と、気の抜けた鳴き声が会場に小さく響き渡る。
……うん。なんだか、落ち着いてきた。よし。
僕は、前を向いて、スピーチを始める。
「……ソレイラの代表を務めさせて頂いています。トウゴ・ウエソラです。今日はお集まりいただき、誠にありがとうございます」
僕が挨拶すると、ちょっと、会場がざわついた。
多分、僕みたいな奴が町の代表、っていうのが、納得いかないんじゃないかな。事情を知っている人達はうんうんと頷いているけれど。
「僕のような子供が町の代表ということで頼りなく思われる方もいらっしゃるかと思われます。しかし、今後の働きによって皆様にご安心頂けるよう尽力していく心構えです」
こういう時は舐められないようにしなきゃいけない。一々肩肘張らなきゃいけないのってなんだか疲れるのだけれど、でも、これは、今後、僕らが楽しく暮らしていくために必要なことだから。
「僕は、精霊様のお声を聞いて、この町を今後とも、より良くしていくことをお約束します」
僕は、ちょっと格好つけて、そう、言ってみた。
会場がざわついた。『本当に精霊が居るのか?』とか、そういう声も聞こえる。うん。精霊ならここに居ますよ。
「この森に住む精霊様は、この森の民に対して、とても良い印象をお持ちです。友好的である人間に対しては、その気持ちを返す準備がある、とのことでした。ですから、今後とも、精霊様を必要以上に恐れることなく、友好的に、この町が存続していけることを願っております」
一応、僕は『精霊様の声を聞く係の人』ということになっているので、こういうことを言っても不自然ではない。
この内容を盛り込むことについては、フェイ達からも了承を得ている。要は、『精霊様』が存在していることを思い出させる効果はあるだろうし、僕個人が舐められないためにも丁度いいだろう、ということで。
「……1年ほど前、魔物の襲撃があったことも記憶に新しいこの町ですが、町の守りをより強固に整えていくことで、安心と安全の町で在れるよう、今後とも精霊様のお心と共に邁進していく所存です」
僕の感覚だと1年前っていうか、2か月ぐらい前、っていうかんじなのだけれど……しかもその魔物の襲撃の直後、僕、夜の国に攫われているから、その、本当に色々と、実感が無いのだけれど……まあ、でも一応、人々の記憶にはまだ新しいらしいので、こういう一文も入れておく。
「街壁の建設や古代魔法による門の設置。豊かな実りや守りの力。この町はそういった精霊様のご加護の元、急速に発展を遂げてきました。しかし、これらは精霊様のお力だけでなく、協力してくださいましたレッドガルド家の皆様、この町の住民の皆様、そして、近隣諸侯の皆様のお力によるものでもあります」
これは、本心だ。この町がここまで大きくなったのは、僕の力じゃない。僕がやったことは壁を造って、門を造ったことぐらいだ。あと、枝豆畑を増やしたぐらい。……だから、そこから先は、人の力なんだ。皆が協力してくれて、それで、この町は今日も楽しくやれている。僕はそれが嬉しい。
「今後とも、皆様のご協力とご支援を賜りますよう、よろしくお願いします。……最後に、この町の永遠の平穏と幸福を祈念して、結びの言葉とさせて頂きます」
そして、僕はそう結びの言葉を述べて……。
終わった!
スピーチ、終わった!僕がお辞儀して、拍手が起こって、それで、僕は、演台を降りて……終わった!やった!終わった!よかった!わーい!




