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えーと、このあとどうなるんだろ?汗

別室での対談(?)は途中からあらぬ方向へシフトする?

別室での花奈絵家族とジョン・ファルクスとドナルド・ファルクスとの話の内容は一般的な転移ものの小説よろしくなものでこっちの世界が大変なことになってるから、それを何とかしてくれるであろう神子と呼ばれる存在を召喚した。

で、神官たちと召喚してみたら1人出てくるはずが3人も出てくるわ、1人は男性(父)で2人は女性でそのうちの1人が若いから多分その若い方(花奈絵のこと)が神子だろうとドナルドと神官たちは考え、連れ出そうとしてはなえの両親のご立腹にあい、今ここというわけ。


『そちらの言い分は分かりました。が、それでも私達がここに拉致された理由にはなりませんよ。』

父はジョンの説明を受けてそう発言する。

『我々の生活を踏みにじっていい話ではないですからね。私は病院で医師として、妻は治療院で治療家として、娘は病院で看護師として地域に貢献しながら生活してきたんだ。それを貴方方の都合で「はい、そうですか」とは行きませんよね?』

『何だと!』

父の発言を聞いて苛立ちを隠せないドナルドが立ち上がる。それを制するようにジョンが

『おっしゃる通りだと思います。』

うなずいた。平行線のような話が続く中、ふと母を見ると母は何故だかドナルドとジョンを少し眉間にシワを寄せながら見つめている。しばらくして母の左眉頭にグッと力が入った。

あ、これお母さんが患者さんを診察してる時の目だ。母の治療院によく出入りしていた時に幾度となく見ていた母の特徴的な表情。まるで金庫のダイヤルを回して正解を探るような表情だ。


何で今この状況下でそんな表情してるの?お母さん?


『ご立腹されるのは勿論だと思います。けれど我々は貴方方に来ていただかねばどうしようもない状況であったのも事実。身勝手だといわれるのも承知で召喚に至っております。無理を承知でのお願いです、我々にお力を、神子であろうお嬢さんのお力をお借りしたい。』

いきり立つようなドナルドとは対照的にジョンの表情は落ち着いている。いや、そう見せているのかもしれない。

ジョンの願い出を聞き、深い溜息のように父が息をはいたのに合わせるように母が父にそっと耳打ちをした。しばし顎に指を当てて考え込む父。


『ところで神子と呼ばれる存在を召喚して貴方達はその神子に一体どんなことをさせるんですか?』

そういえば具体的に何をするのかはまるで分からない。転移ものの小説には祈りを捧げたりとかしてたのがあったけどR指定のものとかならドン引き間違いなしのことをさせられたりしてるのもあったような…汗。

できれば前者一択でお願いしたい案件だよ…。

花奈絵は不安な思いを心の中で呟く。


『神官曰く、祈りの間で神子には祈りを捧げてもらうそうです。詳しい祈り方については神官に聞かなければ分かりませんが、日に幾度か祈りの時間があってその都度行ってもらうらしい。』

そう言った後、軽く手をあげたジョンはドナルドに神官長を呼んでくるように命じた。

『とりあえず神官長から祈り方について話してもらうようにしましょう。それを聞いていただいてからのお返事で構いません。』

一旦話し終えたかのようにジョンは椅子に座り直した。

『娘が仮にその神子であったとして、私達はどうされるおつもりですか?』

考え込むのを一旦やめた父がジョンに質問する。

そりゃ、無理矢理拉致られてきて娘を取り上げられて両親を放置プレイとか酷い待遇とかなんなら殺されたりされたらドン引きどころじゃないもんね。


『軍の敷地内の客室にて滞在していただきます。勿論きちんと対応させていただくつもりです。』

『軍敷地内の客室?そんなこと言いながら牢屋に放り込むとかないですよね?』

心の中で呟いたはずの言葉が口からこぼれた花奈絵はハッと気がついて口を押さえる。

ジョンの発言を丸っ切り疑っているわけではないが、やはり正直全面的に信用するにはいかない。

『当たり前です。そんなことするはずないです。』

少しムッとした顔をするジョンに別室にきてから発言していなかった母が

『神官の方に話を聞いてから考えましょう。』

とその場を一応治めようとした。神官に手刀入れてた母とは思えない…。


しばらくして神官長のジェームズが到着した。

神子用の衣装(ローブっていうんだっけ?なんかそういう感じの服)と分厚い本を携えてやってきていた。

『遅くなりました。神子様、この度はお話をお受けくださりありがとうございます。』

と丁寧に挨拶してきた。

『え?いや、話を受けたわけではないですよ?詳しい内容を聞かせていただくために貴方に来ていただいただけです。』

焦った花奈絵は両手をバタバタさせながらジェームズの言葉を否定した。

ジェームズからの神子様の祈り方についての話は持ってきていた分厚い本によると1日に5回、祈祷室のようなところで困りごとのある土地の地図や産物を前にして手かざししながらお祈りするらしい。病気の人や怪我人などが重症の場合は直接祈祷もするらしいがそれ以外は現地に行ったり直接会うこともなく、間接的に祈祷を捧げるだけで何とかなるみたい。祈祷時間はそれぞれ1時間程度のことで体力はいるものの、学生時代に神社で巫女のアルバイトの経験もある花奈絵にはできないという感じには思えない。

更にありがたい(?)ことに本には祈祷の仕方がまるでラジオ体操の解説書みたいに絵と文章で詳細に書かれている。何故かしら分からないが見たことのない文字であるはずなのに花奈絵にはその文章が更々と読めた。所謂これも転移によるチートと呼ばれる能力なんだろう。

これならとりあえず神子として祈りを捧げるってのは何とかなりそうだ…と何となく思ってしまう。両親に目をやると母と父が真剣に2人でぶつぶつと話をしている。


話し終えたのか本を覗きながら母はふと

『ところで…、貴方、右の肩の動きが不自然だけど股関節を傷めているの?』

全く違う話をジョンに振る。


え?何?何?何で今ここでそんな話?


母の悪い癖、患者さん(いや、今は患者ではなく、対談中の陸軍総司令官)に向かって前説明なしのいきなり身体についての質問攻撃…。

話してる内容とかけ離れた話題をいきなりふったりするので受け手からすれば《???》な状態になるのは致し方ない。


お母さん、ちゃんと前説明しようよ、前説明…。

なんて思っていたんだけど、母の突飛な発言に何故だが相手のジョンはサッと顔色を変えた。

『な、何を根拠に?』

何故かジョンは焦ったように母の方を見る。母は父の方に視線を向け、父はそれをみてうなずいた。

『貴方の身体の動き、ぱっと見は何ともないんだけど関節の動きだけが妙にアンバランスなのよ。赤毛のカレは無駄が多い動きだけど動きにはちゃんと関連性があるからおかしくないの。でも、貴方の身体の動かし方は関節を庇って動きに微妙なズレが絶えず存在するの。周りの人は気がつかないくらいかもしれないけど、多分その動きは股関節を傷めてるわねと考えられるんだけど…違う?』

本の図解の絵を一つ一つ確認しながら

『その本に描かれてる絵の祈り方、やたら股関節に負担の多い姿勢があるんだけど、貴方、もしかしてこれやった?』

と更に質問した。

え?総司令官が祈り?何で?何で?




シフトチェンジは持ち越し…汗

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