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リトル街の復興

皆さんこんにちは。律です。

この物語は「想像世界~ぶつかり合う光と影~」のその後の物語です。

前作では「R-15」を付けていましたが、今作はそのような表現はする予定は今のところないです。(後はいつも通りです。)

もし付ける必要が出てきたら、付けるつもりです。

それでは、「想像世界~ぶつかり合う光と影~(その後編)」お楽しみいただければ幸いです。


 深い闇から解放された輝く蒼い空の下、リトル街では暴れまわっていた亜人に壊された街の復興作業が1週間前から行われていた。男たちは多数で瓦礫を動かし、女たちはけが人の手当てをする者もいれば、市場の整備をする者もいた。体が小さく力仕事も頭や指先を使うのがまだ不得意な子供たちは小さな花を街の北東にある墓地に供え、亡くなった祖母や祖父に、事件の事や復興のことなどの報告をしていた。

「これは、博物館の壁かぁ。」

「これはデカすぎるな。俺たちじゃ無理だ。」

「翼さん呼ぶか。」

この復興作業には恵瑠と翼も参加していた。恵瑠は市場での手伝いをしたり、子供たちに頼まれれば街の外へ花を摘みに行ったりしていた。

―お前達はこんな大掛かりなことをするんだね。相当なお人好しかな?

「もう、自分たちが壊したんでしょ?少しは反省してよね!」

―してるわ、アホ。

「肉体を持ってたら死ぬほど働きまわさせるとこだったのに。」

―残念だったね。

「うるさいなぁ。」

今の恵瑠は恵瑠の中に影の恵瑠がいる感覚があるらしい。だから、こうして誰にも聞かれない会話をしているらしい。

「恵瑠ちゃん。疲れたでしょう?そろそろお昼だから食べていかない?」

市場のおばちゃんがこう声をかけてきた。

「あ!じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます。」

「なぁに、お言葉に甘えてるのはこっちの方さ。」

―ほんとだな。ばからしい。

「もううるさい!」

「恵瑠ちゃん?」

「あ、す、すみませんっ。」

「うふふ、お、面白いこねぇ・・・・。」

察している者もいるだろうが、影の声は周りの人には聞こえない。だから、恵瑠と影の恵瑠の会話は周りから見れば恵瑠が独り言をしているように見えるのだ。さっきのおばちゃんにも、ちょっと引かれた気がした。


 真ん中の噴水の周りに人々は集まり、昼飯を食べている。今は、白米とその辺の食草や少ない野菜を煮込んだスープぐらいしか食べれないけど、この復興が終わるころには昔のようにもっと美味い飯が食べれる生活に戻れるだろう。

恵瑠は力仕事で戻ってきた翼とならんで昼飯を食べていた。

「翼、建物の立て直しどのくらい進んだ?」

「そうだな、南東と南西の民家や店の立て直しが終わり、北西の博物館に手を付け始めたとこだな。」

「じゃ、半分ぐらいってとこかな。」

―おい恵瑠。

「どうしたの?」

「影が話しかけて来たのか?」

「うん。」

―あのさ、翼って何者?外に出るとき、ちらっと見たけど、あれ化け物のほかなんて言えるの?

「なんて?」

「お前化け物だろだって。私もびっくりしたよ。大人の男が持てないものを軽々と持ってるんだもん。」

「軽いもんだろ?」

―うん、化け物だろ?体見て見ろ。筋肉絶対ないだろ。

「ないね。どこからそのバカ力出してるんだろう?」

―てかこいつ、性別どっちなの?男にも女にも見えないんだけど。

「翼、お前男?女?」

「特にない。」

―はい、意味わからん。

「おかま=化け物ってことなんじゃないかな。」

―なるほど。

「あのさぁ、私は影の声が聞こえないから話についていくのが難しいんだどうにかしてくれないか?

 あとおかまじゃない。」

―そうだな、恵瑠の外に出れたらなんとかなるかもな。

「なにそれお化けじゃん。」

「どりあえず、どうにかできるんだな。頼むぞ。」

「まぁ、頑張れ。」

―多分お前も頑張れ。


それから昼飯の時間も終われば、また復興作業が再開された。そうして復興が終わるのはもう1、2週間もかからなかったそうだ。



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