宣言と対抗
大変遅くなり申し訳ありませんm(_ _)m
楽しみに待ってくださった方々がいらっしゃれば幸いです。
翌朝朝食を食べる為に部屋を移動した。菊乃はいつも、私よりも早く起きてご飯を作ってくれていた。
私が行った時には朱鬼姉妹は既に席に着いていた。
「お待たせしました。昨晩はよく眠れましたか?」
私が質問をすると明らかな動揺を感じる。
「も、もちろん!きちんと眠れたぞ!」
「昨日は菊ちゃんのこッ!んむん〜...!」
「大丈夫だマサノリ殿!自分も緋啼もよく眠れている!心配してくれて感謝する!」
緋苑さんは迅速に緋啼ちゃんの口を塞ぐ。緋苑さんは顔を少しだけ赤らめている。私としても昨日、菊乃に対するお仕置きが少し激し過ぎた。菊乃はとても喜んでいたが...お仕置きは二人っきりの時のみにしようと心に決めた。菊乃は少しMっ気があるのかなぁ?そんな事を考えていると、菊乃が朝食を用意してくれた。
「マサノリ様、朝食です。...昨日はとても良かったです、またお仕置きお願いしますよね?」
菊乃は手早く配膳しつつ、私の耳元で囁く。その声は魅惑的な美しさを秘めていた。しかし客人の前である。菊乃の頭を撫で礼を言う。
「いつも悪いね、菊乃のおかげで毎日が幸せだよ」
「いえ、わたくしも好きでやっている事ですから。マサノリ様は気にしないで下さい」
お互いに笑みを交わした。しばし様子を伺っていた緋苑さんが話しかけてきた。
「菊乃殿、マサノリ殿...助けて頂いたばかりか、宿の提供まで。感謝する」
「いえ、妻の友人なら助けるのは当然です。さらに助けたのは殆ど菊乃ですから」
「そんな事無いですよ、マサノリ様。的確な指示とは万人が皆出来る事では無いです。胸を張ってください」
初めに比べて緋苑さんの当たりは強くは無くなった。
菊乃があれだけ怒った事で、緋苑さんは認めてくれた様だ。そんな事を考えていると緋啼ちゃんがこちら側に移動して来た。
「お兄ちゃん、緋啼からもありがとう!お姉ちゃん助けてくれて。とっても優しいお兄ちゃん大好き!」
「緋啼ちゃんダメですよ!マサノリ様はわたくしの旦那様です!いくら可愛い緋啼ちゃんにでも渡しません!」
「菊乃、落ち着いて。緋啼ちゃんの好きは家族に向ける好きであって、夫婦になりたいの好きじゃないよ」
菊乃の頭を撫でて、落ち着かせようとする。しかし緋苑さんが爆弾を投下していく。
「マサノリ殿、緋啼は男性が苦手なのだ。父上ともまともに話した事は無い。鬼族は元々男は少ないからな、男達はかなり好き放題するのだ。変なプライドまで持っているしな」
「なるほど、そんな男見たら嫌いになる訳ですね。
緋啼ちゃん認めてくれてありがとうね」
私は緋啼ちゃんの頭も撫でる。菊乃は不機嫌に頬を膨らませるが、耳元で'お仕置き'すると囁くと機嫌を少し直した。緋啼ちゃんは満面の笑みでこちらに言う。
「うん!...そ、そのお兄ちゃん!お願いがあるの!」
「何かな?できる範囲ならなんでも聞くよ」
「本当に!やったー。じぁ緋啼もお嫁さんにしてね!
何でもってお兄ちゃん言ったもん!」
元気いっぱい満面の笑みである。
そこに慌てて待ったをかける菊乃である。
「な!?ダメです!ダメダメだめ〜!
マサノリ様はわたくしの旦那様!さっき言ったじゃない!緋啼ちゃんにもあげません!!
マサノリ様もマサノリ様です!何で安請け合いするんですか!わたくしが妻です。わたくし以外に妻はなく嫁はありません!愛人ナンカユルサナイ」
一通り激昂した後はいつものヤンデレモードである。
私は菊乃を抱きしめて囁く。
「大丈夫、君しか見えない。愛人何それ?君以外に何も必要じゃないから。だから菊乃は俺の事だけ見ててくれ。愛してる」
「はい...わたくしの全てでマサノリ様を愛します。
捨てないでください...ね?」
何だこの可愛い生き物。菊乃に軽くキスをして、緋啼ちゃんの方を見る。
「ゴメンね緋啼ちゃん。私は菊乃しか見ることが出来ないから、緋啼ちゃんの気持ちには答えられないよ。
でも好いてくれてありがとう、嬉しいよ」
「いいの!でもお兄ちゃん、諦めたとは言ってないからね。絶対緋啼の物にする!お兄ちゃんを振り向かせるような女性になる!」
緋啼ちゃんの宣言に、菊乃は対抗心をメラメラと燃やす。
旦那様の寵愛に胡座をかかず、自身の魅力を磨いていく!こんな考えを菊乃から感じる雰囲気が物語る。
緋苑はほっこりと微笑みを浮かべる。
これからまた賑やかになりそうだ。そんな予感が私の中をよぎるのだった。
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