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初めまして。大切な人。

作者: 漣の音色

風景が初めて見るものへと変化していく。

ビル群から逃れ、視界に広がる生い茂った木々の数々に圧倒される。何もない。自分が自分でいることを

当たり前のように要求してくるかのような、そんな自然たちに囲まれる。


君の場所へと繋がる唯一の手掛かりは君に見せてもらった地元の夏祭りの風景。それだけで見つけられると信じ続けている自分に少々呆れる。

それでももう一度、君にもらった写真を眺める。

少しでも君と早く出会う為のヒントを探す。



「え?何してんの?」

不意に頭上から声をかけられる。

思わず顔を上げる。

「かな?!」

予想だにしない人物に間抜けな声が出る。

かな。中学時代の元カノ。

中学卒業後は地元を出て他県へ来たから、

かなと会うのは2年ぶり。なによりこんなところで

会うことになるなんて。

引きこもりだった僕を外へと連れ出してくれた人。

そして僕の初恋の人。


思わぬ再会に少し戸惑う。

でも、すぐに気持ちを切り替える。

今は彼女よりも君のことが頭にあったから。

君に会いたかったから。



日が完全に沈んだ頃。

君を駅前で見つける。

遠目だったけどすぐにわかった。

君と出会えたことに安堵し、歩調を緩める。

ゆっくりと君に近づく。

一歩一歩を踏みしめながら。

まるで記憶に刻み込むかのように。

君がこっちを見つめ返してくる。

想像してた通りの真っ直ぐな眼差しで。


君への第一声は決めていた。

全ての想いをこの言葉に託す。

届け。この想い。伝われこの想い。



「君と、出会えて良かった。」

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