bigining
朝の目覚まし時計の音とは、どうしてこんなにも不愉快なのだろうか。
窓から差し込む日差しも、布団からはみ出して冷えた足先も、その全てが俺のイライラを増加させる要因となる。
『円―?起きてるの?朝ごはん出来てるから早く準備しなさーい。』
下から急かす母親の声もまた然り。
『分かったよー・・・ったくもう少し余裕を持っ・・・・・』
ヤバイヤバイヤバイ!目覚まし時計に目をやった瞬間、一瞬で状況を理解した俺は、瞬時に制服にメタモルフォーゼして通学鞄に適当に筆箱だけ突っ込んで階段を駆け下り、ひどい寝癖もそのままに朝ごはんをがっつくその間わずか30秒。
『母さん!なんでもっと早く起こしてくれなかったの!?』
『起こしたわよ、起きないアンタが悪いの。』
くっ・・・これを言われると何も言えない。けどそれにしたってだ!
今日は高校の入学式で八時半から始業式なのに今の時間がもう既に八時半だぞ!?間に合わないとかそういうレベルじゃない、もう始まってる!
『ごちそうさま!んじゃ行ってくる!』
『気を付けてね、いってらっしゃーい。』
母の声も置き去りにする程の勢いで玄関を飛び出した俺は2分後には学校に到着していた。
家から学校まで約300メートルというこの近さが今日だけは本当に助かった。
俺の目の前にそびえる木造二階建てのボロい校舎。
これこそが俺のこれから3年間通う公立霞ヶ丘高校だ。




