表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界間トラブル解決のバイト?始めました  作者: ぶんのしん
尚、被疑者は異世界人と見られています
16/97

三日目 張り込みをしよう

「撮った意味あったんやろか... 」

「男が撮っても何も起こらないってことはわかったんじゃん?」

 ぼやく勇に、あたしはニヤニヤしながら言った。

「笑うな。ちゅーか、見てへんで返せ。」

 勇はあたしからプリクラを奪い取って、無造作に二つ折りにする。

「しかし... これからどうするかなぁ... 」

 翔は横目でプリクラ機を見てため息をついた。

 ここは、プリクラ機のあるゲームコーナーに隣接する方のファストフード店。プリクラ機が一番見える席を陣取ってみた。

 店長さんのおかしな態度もあり、あのプリクラ機は怪しい。

 けど、証拠もないし、店長さんが何も教えてくれない以上調べられることも、もうない。

「誰か怪しい奴が現れないか、あと、誰か女の人が使ったときに変なことがないか、見張るくらいかなぁ... 」

 同じくため息混じりに言うあたし。

「そんなとこだよなぁ... 」

「... 退屈やな。」

「だなぁ... 」

 今度は三人でため息。

 昨日までの二日間が怒涛だったこともあり、この動きのない時間、暇すぎる。

 ときどき、子ども連れの女の人や、単独おじさんとかがゲームコーナーを訪れるが、プリクラに近づく人はいない。

「平日の昼間だもんねー... 」

「せやなー... 」

 そのままファストフードで昼食。

 それからまたドリンクでうだうだ。

 空いてるとはいえ、邪魔くさい客だと思われてるだろうなー。

 やっと小学生が道を歩いていく姿が見えるようになり、男の子の集団がゲームコーナーに入ってきたりもし。

 途中飽きてちょっとゲームしてきてみたりもして、テーブルの上にクレーンゲームの戦利品がちょこん。

 そして、ようやく高校生の姿が見え始めた。

 しかし。

 そもそもプリクラ撮る人があんまりいなかった。

 新学期始まって一週間以上がたち、もう入学進級記念モードが終わっちゃったのかも知れない。

 夕飯も同じファストフード店で食べて閉店まで居座って、夜十時までに百円プリクラを撮ったのは女の子二組。

 けれど、特に異変は起こらなかった。

 

 ゲームコーナーのシャッターが閉まるのを、あたしたちは苦い気持ちで見つめた。

 今日は三日目。

 リミットは一週間。

 明日で折り返しだ。


 口数少なく、今日は三人でゲートのある河川敷へ向かい、翔が作業する間辺りを警戒。

 いっそここで何か動きがあれば、とも思ったのだが、今日もバリアの張り直しは問題なく終わった。

 無力感いっぱいのまま、しかし意外と体はくたびれていて、あたしたちはそう遅くならずに眠った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ