第二話 ネコーズ VS 人面犬 解決編
ネコーズは雅美さんの家に行き、雅美さんの部屋をいろいろと調査をする。
すると、雅美さんが服を脱ぎ始める。
「おお! なかなかのスタイルだ。Bカップのおっぱいに、腰、尻とバランスが良い。実際、僕は貧乳好きだからな。
夜、寝るのが楽しみだ。僕がバストアップマッサージを施してあげよう。何、サービスだよ、サービス!」
「もう、猫がそんな気を使わなくて良いの!
さあ、一緒にお風呂に入りましょう。だいぶ街中を歩いたようだから、すっごく汚れているでしょう?」
雅美さんは、ネコーズを連れ風呂に行く。
「ふっ、悪いな、モコソン!」
ネコーズは一瞬そう思ったが、水の音を聞き怖くなった。ネコーズは猫らしく水が苦手だった。
「水嫌、水嫌! 僕、水アレルギーなの。水に身体が濡れると、体調が悪くなるニャン!
というわけで、お風呂はおさらばニャン!」
そう言うネコーズに、雅美さんは尻尾を捕まえ捕らえる。ネコーズの動きに付いてこれるようだ。恐るべし!
「ギャー、尻尾がとれる! ティファールじゃないから、付け変えられないニャン!」
「大人しくしてなさい! 後で、ドライヤーをしてあげるから……」
ネコーズは無理矢理に風呂に入れられた。
「ふー、最初は嫌だけど、このお湯加減が好きニャン。人肌も気持ちいいし……」
「もう、調子良いんだから……」
ネコーズは雅美さんの手により、クリーンネコーズになった。清潔感あふれる、とっても可愛い猫だ!
ネコーズは毛が乾き、いつもの調子を取り戻した。
「さてと、プリンでも食べて、憎いポケモンでも見ますか。いつの日かピカチュウを捕らえてやるニャン!」
こうして、ネコーズはピカチュウの調査に励む。可愛子ぶってるくせに、腹黒と言う隙のない性格だった。こいつは強敵だ!
「ちっ、電気系はスキルが満載で良いよな。
僕もアイアンテールくらい使ってみたいぜ!
まあ、いずれは奴をブタ箱にぶち込んでやるさ! 映画共演という名のブタ箱にな!」
こうして、ネコーズの至福タイムは終わる。
すると、雅美さんが狂ったように叫び出した。
下着泥棒でも出たのだろうか?
「私のプリン食べた! ネコーズちゃん、酷い! 折角楽しみにしてたのに……」
そう言う雅美ちゃんを前に、ネコーズはクールに語る。
「ふっ、濃厚な牛乳を贅沢に使い、更に名古屋名産の高級地鶏の卵を使った味のミックスは、絶品だったニャン!
まあ、プリンも僕に食われたとなれば、本望だろう。生まれてきたかいがあるという物だ! 出来れば、もう一つ食べたいニャン!」
「うう! コンビニ初日で行列まで並んだというのに……」
「ふう、もう新しいのが入荷されているだろ。僕と一緒に早速調査と言いたいが、相棒の二時間スペシャルの録画を見付けてしまったので、また今度にしよう!
右京さんも、僕には及ばない推理力だが、特訓と暇潰しくらいにはなる! じゃあ、そう言う事で……」
ネコーズが再びテレビを見ようとすると、雅美ちゃんが玄関から出て行こうとする。ネコーズは優しく警告する。
「おいおい、女の一人歩きは危険ニャ! レイプという言葉を知らないのか? 変な男達に取り囲まれ、この世の地獄を見るんだニャン。プリン一つで、そこまで危険を冒してはダメニャ!」
「まだ、九時前だよ! 豊橋でそんな危険ないって……。心配し過ぎだよ」
「何言ってるニャ、そう言う油断が一番危険なんだニャ! そう思ってどれだけの雌猫が妊娠するという悲劇を味わった事か……」
「猫じゃん! 私は人間だから大丈夫だよ。
じゃあ、行って来るね!」
「ああ、全く、無知とは恐ろしいニャ! 人面犬だって、お前を狙っているかもしれないのに……」
ネコーズはコートを着て、雅美さんを追いかける。それほどまでに、豊橋の街は危険なのだ。コンビニ以外はほぼ九時くらいで閉まる。
土日、祝日なのに駅前の繁華街は、死の街のようにガラガラ……。どこの店が潰れてもおかしくない状況なのだ。
当然、そんな街をうら若き乙女が一人で通行していいような場所ではない。アホのような中学生や盛りの付いた高校生がたむろしている危険もある。
ネコーズは心配になり、貴重な時間を割いて出て行く。雅美さんはそれに気付き、少し待っていた。ネコーズを懐に抱き、コンビニへ向かう。雅美さんのコートの中は温かい。
「猫ジャーキーと猫用ミルクホットも買うニャン! それと肉まん!」
「はいはい、あなたは本当に猫? とっても賢くて忘れそう……」
「ふっ、僕に惚れちゃいけないよ。貧乳美女とはいえ、僕は可愛い雌猫にしか興味がないんだ!」
「私もカッコいいイケメンにしか興味ないな」
雅美さんはそう語る。すると、どこからともなく声がする。
「なんだよ、カップルじゃないのか?」
ネコーズが声をする方を見ると、一匹の犬がいた。犬は普通の犬のようだが、何かが変だった。ネコーズは気にせずコンビニに向かうように指示する。
「まあ、いいや。早くコンビニでシャケおにぎりと猫ジャーキーとミルクを買おう。それと肉まん!」
「完全無視? しかも、おにぎりが増えてるし……」
雅美さんが横を通り過ぎようとすると、その犬が遮る。
「おいおい、姉ちゃん、俺もご飯がねえんだよ! 飯食わせてくれよ。ゴミ漁っても、ご飯はねえし、うんざりしてたんだ」
「きゃああああああああああ、ってほどでもないな……。先に喋る猫とか羊を見ちゃうと。
ごめんね。もうお金ないんだ。プリンとネコーズちゃんのご飯で精一杯なの」
「ちっ、しけてんな! どこぞの研究所でこんなにされちまって、気付いたら人間やお姉ちゃん達から恐がられる。
俺も猫の身体になるんだったぜ。これから俺はどうしたらいいのか……。狂犬病の予防注射だって、打たれてないってのによ!」
ネコーズはその犬に同情し、助けたいと思った。いろいろ提案してみる。
「おいおい、犬にしてはすごいじゃないか!
どうだ、介護犬として残りの人生を使ってみては?
温かいベッドとご飯が支給されるんだぜ。生活は保障される。まあ、奴隷のような生活だろうけどな」
「けっ、元人間のプライドが、そんな生活を喜ぶと思ってんのか? 本当は人間なのに、今はこうだぜ! 乾燥したドックフードはまずいし、良い事ねえよ!」
「だが、このままいけば射殺だろうな。僕が保健所に連絡して、お前を捕まえてもらう。それから先は、引き取り手がなくてガス中毒で死ぬだけだ!
どうする? 僕の伝手で、お前の仕事先を見付けてやることも出来るんだぜ! 生きて、うまい物を食いながら仕事ができる。
人間じゃなくても十分幸福だろう。今じゃあ、人間といっても、派遣とかいう制度で人間として認められねえし、生活の保障はなく、どんどん政府に給料を持って行かれる。
これなら、犬の生活の方がマシだろう?」
「ちっ、生活しにくい世の中だぜ! 本当はイケメンのエリート社員だったかもしれねえのによ……。
どこかに連れ去られたら、臓器は摘出され、こんな姿になっちまった。まあ、仕方ねえ。あんたの紹介する職場に行くぜ!
でも、ドックフードは勘弁してくれ。俺は刺身やマグロみたいな魚料理が好きなんだ。最低限、人間並みの食事が欲しい物だ!」
「僕も刺身やマグロは大好きだ!」
ネコーズと人面犬は硬く挨拶する。たとえ種族が違っても、この地球上に生きている仲間なのだ。こうして、人面犬は介護犬として仕事をし始めたようだ。
ネコーズは雅美さんとコンビニ行き、プリンと猫ジャーキーとミルクと、名探偵コナンの漫画コミック八十八巻、止めにおにぎりを買って、雅美さんの家へと帰る。
星が綺麗に輝き、ネコーズを祝福してくれた。そう、たった五分でネコーズは迷える魂を救ってしまったのだ。
この街には良い所も、悪い所もある。ネコーズの活躍により、豊橋の街はどんどん良い街へと復興していくのだ。頑張れ、ネコーズ!