ネコーズ VS ドッペルゲンガ― 対決編
ネコーズが閉店になっても、読書を続け、店員と死闘をしてる。すると、ミカさんと、うり二つの女性が話しかけて来た。
しかし、ミカさんと利き腕は逆であり、同一人物ではない。ネコーズはとりあえず漫画を読み終え、女性に話しかける。
「お前は誰ニャ! もう少しで、植木の法則が読み終わったのに……」
そう、ネコーズは鋼の錬金術師を読み終え、植木の法則まで読み終えようとしていたのだ。
ネコーズ的に、植木の法則の方が能力バトルとしては上、しかし、武器に頼らないという点においては、鋼の錬金術師の方が上だと感じていた。
更に、とあるのレールガンと禁止目録も最近読んでないので、今度読んでみようかなと考えていた。そんな事を考えていると、ドッペルゲンガ―は言い出す。
「もう! 人が折角、あんたが探しにくるのを待っているのに、無視してこんな所にいるなんて……。おびき出して、今度のコミケに来させないようにしたいのに……」
ドッペルゲンガ―はこう言うが、これもネコーズの作戦だった。ミカさんはどうも胡散臭い、そこでブックマーケットで時間を潰し、ドッペルゲンガ―がどう対応して来るかを観察していたのだ。
決して、漫画を読みたいという誘惑に負けて、こんな長時間、漫画を読んでいたわけではないのだ。決して……。
「ふっ、ようやく姿を露わしたな、ドッペルゲンガ―め! その口ぶりからすると、お前はミカさんの知り合いだな!」
ネコーズの問いに、彼女は不敵に笑って答える。性格は全然違うようだ。ミカさんはドS心をくすぐるドMタイプだったが、目の前にいる彼女は、ネコーズと同じドSタイプのようだ。
「ふっ、どうかしらね? ドッペルゲンガ―かもしれないわよ!」
ドッペルゲンガ―はそう言いながら、ネコーズを捕まえようとする。どうやら、狙いはネコーズのようだ。さっきの発言からも、ネコーズに危害を加える気満々のようだ。
ここで捕まるのは危険な感じがする。ネコーズは撹乱作戦をする。こいつを巻いて、ミカさんから事情を聞くのだ。
「今日はミカさんの安全を守るためとか言って、一緒に寝るニャン!
隙があったらセクシーショットをデジカメで撮って、事情を言わないと、インターネットに流すと脅して吐かせるニャン!
ここで捕まるわけにはいかないニャ!」
「くっ、なんて猫……。妹のためにも、人類のためにも、ここで捕まえないと! 私は負けられない!」
ネコーズは、ドッペルゲンガ―の一言を見逃さなかった。
「ほう、ミカさんは妹か? なら、あんたは双子の姉といったところかな? まあ、いい。
どの道、逃げてミカさんを追い詰めれば良いだけの事。携帯電話は、モコソンが隙を見て取っているはずだ。ミカさんの彼氏の有無を確認するためにな!
今夜はミカさんでじっくりと温めてもらうニャ!」
「くっそう! 猫の毛皮をかぶった犯罪者め、私は絶対に負けない!」
ドッペルゲンガーはネコーズを捕まえようとする。店内は棚が並んでおり、ネコーズには不利な環境だ。いくら鍛え抜かれた身体とはいえ、棚に挟まれたら捕まってしまう。
「ふん! 僕を追い詰めたつもりだろうが、何も準備していないわけじゃない。喰らえ、猫分身の術!」
ネコーズがそう言うと、棚の影に隠れていた猫達が一斉に飛び出してきた。そう、ネコーズの漫画仲間達だ。猫の数を増やし、他の猫に気を取られているうちに、ネコーズが脱出するという方法だ。
「ふはははは、貴様には、本物の僕が分かるまい!」
猫達は、ネコーズと共に一斉に店の外へ逃げ出した。
「くっ、可愛い……。これじゃあ、どの猫がネコーズか分からな……」
ドッペルゲンガ―は多くの猫がいるにもかかわらず、寸分違わずネコーズを捕まえる。
「何! バカな……」
「ふっふふ、他の猫達は四足歩行だけど、あなただけは華麗な二足歩行。それが仇となったわね!」
「ガーン! 僕の二足歩行が弱点となるなんて……」
ネコーズはショックを受けるが、まだ勝負は分からない。ネコーズには、接近戦用の技もある。それを繰り出せば、逃げることが可能だ。
「喰らえ、ネコーズスラッシュ(ただの引っ掻き技)」
しかし、ネコーズは見てしまった。ドッペルゲンガ―の利き手に、ペンダコがある事を。
「な、お前は漫画家か? できない、僕に漫画家の生命線である手を傷付ける事など……」
ネコーズは敗北を認め、潔く捕まった。
「僕の負けニャ……。でも、命だけは助けてくれ……」
ドッペルゲンガ―はその訴えを、快く応じる。
「分かったわ。今回のコミケに参加しなければ、見逃してあげる」
「はあ、コミケ?」
思わぬ回答に、ネコーズは呆然とする。
「とりあえず、あなたの事務所に行きましょう。ミカもそこにいるはずだし! 私の名前はアミよ! よろしくね!」
こうして、ネコーズはアミに猫掴みされ、ネコーズ事務所に帰って来た。
「ここが僕の事務所ニャン! 元研究所を借りているニャン。無料で……」
「ふーん、良い場所ね!」
アミは、ネコーズを持ったまま、事務所に入って来た。それを、妹のミカとモコソンが出迎える。ミカは慌てて姉のアミに言う。
「お姉ちゃん、ネコーズさんを放してあげて。ネコーズさんとモコソンさんは、本当に自分達で漫画を描いているわ!」
「まあ、そうなの」
ミカは謝りながら、ネコーズに言う。
「すいません。今回のコミケでプロの漫画編集者が来て、優秀作品の作者には、プロになる道が開かれるんです。私達はどうしても漫画家になりたかった。
もう、フリーターでやっていくのも限界だし、これが最後のチャンスだと思ったんです。他のコミケの人達は、私達のレベルに達していない。勝負になるのは、ネコーズさん達のみ。
でも、ネコーズさん達の漫画が、プロに漫画家によって描かれているのなら、私達に勝ち目はありません。
それで、今回のコミケでは消えてもらおうと思ったんです。そのため、ネコーズさん達を分断して、脅そうとしたのです」
「でも、ネコーズ達が、自分達の力で漫画を描いているのなら、私達との勝負の条件は互角、もう妨害する必要もないと思ったわけさ。悪かったね」
ミカとアミは、悪い事をしたのを謝る。ネコーズはそれを聞き、返答する。
「ふーむ、確かにこの家の持ち主は、ベテランの漫画家だ。それで、僕が狙われたというわけか……。
しかし、プロの漫画家を目指すというのなら、プロを倒してこそ、本当の勝利と言えるのではないのかね? いいだろう。
僕とモコソンが、本当の勝負の世界を教えてやるよ! コミケでまた会おう!」
こうして、ネコーズはなんのペナルティも与えることなく、アミとミカを帰す。
コミケで、ネコーズ達とアミ、ミカ姉妹コンビの直接対決となるだろう。
ネコーズとモコソンは、全ての実力を出し切り、最高の漫画を描き上げた。ネコーズは勝利を確信していた。