猫
「ニャア、ニャア」
一匹の猫が鳴いている。
捨て猫みたいだ。
「君も一人ぼっちか」
猫を抱く。孤独がどれだけ怖いか、俺は知っている。
俺も親に捨てられたのだから。
施設に預けられたが、馴染めなかった。
だから孤独を知っている。
頼る人もいず、信頼できる相手もいない。
どうやって生きていけばいいか、わからなかった。
だけど、今は違う。
「家に来るか?」
手を出した。
その手に猫が乗ってきた。
「そうか。一人よりみんなでいる方が、
楽しいもんな」
そう、俺は一人ではない。
こんな俺にみんなついてきてくれる。
だから、家帰るのが楽しい。
だから俺は、
「ただいま」
今は、俺はこの言葉が大好きだ。
君もこの言葉を好きになってくれたら
嬉しいな。