駿河と急接近!?
頑張る
僕は今教室にいる。
佐藤さんの裏の顔を見てからずっと放課後は教室にいる。
正直言って部活に行きにくいからだ。
「誰もいない、誰も来ない」
あと、僕一人しかいないのですごく寂しい。
「誰か来てくれぇ~」
自分で言って恥ずかしくなってきた、さっき叫んだ言葉を聞かれると。
「おい、更待ついに頭でも湧いたか」
「するがぁ~、なんでいるんだ」
「いや、佐藤さんにお前を呼んで来いと言われたから」
「お前、タイミングが悪い」
「そんなこと知らない、叫んだお前が悪い」
俺の唯一の天敵と言ってもいい存在である。
まぁ、自分は友達多いけど……自慢じゃないよ。
「駿河って、俺のこと好きなの」
唐突に冗談を言ったらどうなるか気になったので言ってみた。
「な、な何を言うかそんなの全然」
お、これは本当に好意があるのか。
「更待、私は、私は……」
「わたしはなんだ」
「お前なんか冥土で死ね」
「なんで、死んでからまた死ぬの」
綺麗なハイキックを顔面に喰らいました。
「ここは、どこなんだ」
目が覚めると家の中にいた、それも知らない人の家に。
「うわっ、これ駿河のベットじゃないか」
訂正、知っている人の家でした。
「目が覚めたか、よく寝ていたな」
「誰のせいだと思ってんだ」
どこの夫婦漫才だ。
「あれ、よくここまで僕を運んでこれたな、相当距離があるだろ」
「それなら、私の父が運んでくれたぞ」
「どうやって、なんでおじさんが運んだんだ」
「私には重すぎて持てなかった」
「重かったら学校においてきゃいいだろ」
「いやぁ、ちょうど父が学校にいてな、かわいそうだったので運んでやっ た」
もう、ツッコミを入れるのに疲れた。
なんだ、こいつは俺をワザと疲れさせているのか。
「それより、腹減った何か食べ物ない」
「ああ、それなら夕食の準備が出来てるぞ」
昔はよく駿河のおばちゃんの飯食べてたな。
「久しぶりだなおばちゃんの料理」
「なんだ、そんなに楽しみなのか」
でも、なんで直接僕の家に返さなかったのか。
まあ、細かいことは置いといて。
「なあ、駿河佐藤さんは元気か」
「なにを言ってるんだ、いつも通りだったよ」
「そうか、ならいいんだ」
駿河は納得というか、理解できていない様子だが。
「じゃあ、食いに行くか飯」
「そうだな」
二人は笑いあった、久しぶりに二人で。
「美味しかった」
久々に食べたおばさんの料理は美味しかった。
「それでは帰るわ」
「おう、それじゃあな更待」
何事もないように、そっけなく僕は駿河の家から出た。
そっけなく出たのだが、すごい殺気を感じる。
その時、頭がクラっときた誰だ、通り魔か。
僕の判断は完璧に間違っていた。
「佐藤さんなんで……」
僕の最後の記憶には薄く笑う佐藤さんの顔があった。
佐藤さん出番少ない