これも決して叶わぬ恋の物語といえようか。
そもそも、若い女性の声を聴けばそれなりの反応をするようになってんだ、男なんだから。
しかしだ。いい歳して繰り返し繰り返し聴いてそのたんびに身悶えするような、切なくなるような、莫迦みたいに口開けてぼんやりしてしまうような、そんな有様は、どっかおかしくないか。
いや、聴いている脳味噌の問題ということもあるのだが。
ともかく、今、双子の女の子の歌声を聞きながら、身悶えしているのである。
双子がそもそも珍しいのだから、双子でプロの歌手なんて、相当珍奇な取り扱いになる。それでいて、誰でも知っているひととなると、更に数が減る。古くなるが、ザ・ピーナッツとか、こまどり姉妹とか、ということになってしまう。
そういえば二人組の歌手というのもあんまり見なくなった。ソロかバンドだけだなあ最近は。AKBとかなんとかってのは、あれは歌手ではないだろう。あれはなんか、そういう集団。そういう営利団体。
話が大幅に脱線トリオなので、これも古いのだが、ともかく双子の歌声というのが心地良いというのは理屈で理解できそうな気がする。ギターの弦は普通六本だが、十二弦ギターというのがあって、細かい説明が面倒なので気になったひとは自分で調べてもらいたいのだが、この十二弦ギターが、なんとも不思議な、揺さぶられるような、居住まいを正さざるを得ないような音色を奏でる。
双子は声も似ているが、やはり微妙に違っていて、それが同じメロディーの上に流れるとき、不思議な効果が生じるのではないだろうか。もうね、ちゃんとユニゾンとかそういうことについて説明しなくちゃいけないんだけどね。
a・chi-a・chiっていうんだけどね。君知ってるか。




